大病を患ったことがきっかけで起業の道に - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年11月07日更新

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大病を患ったことがきっかけで起業の道に

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 現代は、2人に1人が癌に罹る時代といわれます。起業した人が、あるとき癌に罹る場合があります。また、癌に罹った人が起業する場合もあります。Aさんは、23歳のとき女性特有の癌に罹って、大きな手術を受けました。絶対数は多くありませんが、20代、30代の人も癌に罹ることは珍しくなくなっています。

 彼女の講演を聞いて初めて知ったのですが、癌のような大きな病気をしますと、体力がなくなって長い時間の勤務が難しくなります。今の時代、企業はどこも最小の従業員で、最大の利益を上げることを考える仕組みを作っています。そのため、同僚の理解を得ることが難しく、結局は仕事を辞めざるを得なくなりました。

 手術後勤めていた会社を辞めた彼女は、思い切って自分でビジネスを行う起業を考えました。知人に相談しましたが、誰もが起業には反対です。一般的には起業することを話しますと、周囲の大半の人は反対します。起業の法則でもあるのでしょうか? 多くの人が反対すると意外と上手くいって、皆が賛成する起業は失敗する傾向がある気がします。

 諦めかけたとき、一人賛成してくれる人がいて、その人が開業資金も引き受けてくれました。発病から3年後の26歳で、イベント会社を設立して自分一人だけでビジネスを始めました。行う業務は、得意のオートバイでのツーリングツアーや自然体験、各地の伝統工芸などカルチャなどです。社長をしながら、仕事のない時にはアルバイトをする会社です。

 最近は、Aさんの癌体験を話す講演の仕事も増えているようです。学校や自治体が主催する癌に対する啓蒙活動です。特に、若い女性を対象に、病気が重くなる前に病院に行くことを進める運動には、積極的に関わっています。病気は人間を変えるといいます。Aさんは、あまりに若くしての癌のため、仕事も生き方も大きく変わりました。

 「わたしが生きていい理由」を、Aさんは口にしていました。癌は、経過観察の5年を過ぎますと、生存率は伸びるといわれます。それでも、不安は付きまといますし、癌の影響で個人的に多くの負担を抱えて生活することになりました。ただ、起業が単なる仕事ではなく、起業した人の生き方そのものなので、病気体験を起業に生かすことができます。

【一言】
 最近、会社勤めをしている人の間で、新型うつ病が大きな話題になっています。8人に1人の割合で、他人の言葉に過剰に反応しがちな患者がいるようです。逆に、早期の癌の場合は、治療で治りやすい病気とも言われます。いつ病気になるかも知れないのが現代。そんななか、起業は当事者にどんな役割を果たしているのか、原点をしっかり考えることが必要なときです。

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