
- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
試用期間
試用期間の労働関係は、試用期間中に労働者の業務適格性が否定された場合に、使用者が解約し得るという権利が留保されている、解約留保権付き雇用契約と解されている( 最判昭和48・12・12三菱樹脂事件、 最判平成2・6・5)
上記最高裁判例によれば、解約権の行使は、解約権留保の趣旨・目的に照らして、客観的に合理的理由があり、社会通念上相当な場合に許される。使用者が、留保した解約権を、通常の解雇の場合よりも広い範囲で行使することが許される。
「採用決定の時点で知ることが期待できないような事実」が判明した場合には、解約権の行使が許される。
解約権の行使も、解雇である。
したがって、解雇権濫用規制に服するが、通常の解雇よりも、緩やかに解雇が有効と解される。
裁判例で問題となった「事実」として、以下のものがある。
・逮捕歴や公判係属中(上記三菱樹脂事件)
・経歴詐称
・試用期間中の勤務成績不良、勤務態度の不良、非協調性
・業務遂行能力の不足
なお、誤解されやすい点ではあるが、試用期間中であっても、14日間以内である場合には即時解雇が可能であるが、
14日間を超えて引き続き雇用されている場合には、即時解雇ができず、
・解雇予告、
・即時に解雇する代わりに予告手当の支払い、
・試用期間満了
のいずれかの措置を取るしかない。
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