「私たちのお店を見てどの様に感じましたか?」
この日は、店長へのアルバイト応募者の面接トレーニングの日。マネジャーは、店長の横にいて面接の様子を観察していました。
冒頭の質問は、最初の質問です。この手の質問には、たいがいのアルバイト応募者は「明るくて感じの良いお店です。店員さんの笑顔も良いし。」と答えます。誰も「暗くて陰気な感じですね~」とは言わないですよね。なので、この答えでは、まだ応募者の本当の感想を引き出してはいないのです。
店長も、応募者の一般的な返答を聞きながら答えました。
「ありがとうございます。そのように感じ取って頂いて感謝しています。実は、当店のスタッフが、そのようにお伝え出来ているのは、あることを一生懸命に考えているからなのです。もし、あなたが、このお店でお客様に同じように感じて頂く様に行動するとしたら、あなたは何を考えて行動するでしょうか?」
アルバイトの面接でこんな深い質問は、なかなか聞かれません。
しかし、これにどの様に答えるかで、この応募者が、お金を稼ぐだけでなく、誰と協力して、誰に何を提供したいと考えているのかがわかります。もちろん、100%本音かどうかはわかりませんが、少なくとも自分で発言することが大切なのです。
今日の応募者は、こんな風に答えました。
「素敵なお店です。私もこんなお店で働いたら、皆さんの様なスタッフになれるかな~と思って応募しました。色々教えて頂きたいと思っています。」
さて、この店長はこの方を採用するのでしょうか?
彼女は、この回答だけならば、「不採用だな」と考えました。この方は、自分の方向しか向いていません。お店が何かをしてくれるという期待感だけでは採用は出来ないと考えたのです。
しかし、何かもっと良い物が引き出せるかも知れない・・・店長はそう思って、更に深い質問を続けました。
「なるほど。では、あなた自身は、お客様や一緒に働くスタッフに何を提供したいと考えていますか?」
そして、
「それは、あなたのどういうポリシーや考え方から来ているのでしょうか?」
店長は、徹底的にオープンクエスチョンで聴いていきました。イエス、ノーで答えられない「相手の考えを聴く質問」です。そして、店長が気をつけたのは、自分の解釈に都合の良い様に誘導しないようにしたことです。スタッフ不足なので、すぐにでも採用したいのですが、、、そういう気持ちはぐぐっと抑えて、ここは相手の考えを引き出して行くことにしたのです。オープンクエスチョンにすると、そう言う気持ちを抑える効果もあるのです。
店長は、深く深く掘り下げながら応募者の「お客様への考え方」を引き出していきました。普段からスタッフとのコミュニケーションでオープンクエスチョンを心がけていた店長には、面接への応用も難しくはなかったようです。
そして、店長は、この流れの質問を締める為に、決め手となる質問をしました。
・・・それはまた次回に!
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