コンビニ大手の宅配戦略＜事例編＞

 　約1年前（昨年3月）、本メルマガにて『宅配事業の大きな可能性』と題して、「マクドナルド」と「CoCo壱番屋」の事例を基に、大手チェーンが宅配事業に参入するケースが増えていることをお伝えしました。 

　加えて、スーパーの惣菜売り場や持ち帰り弁当店、デパ地下、移動販売車など、もはや飲食店やホテル内レストランの最大のライバルは同業ではなくなっており、消費者の中食や内食ニーズに対応した事業者のみが生き残ることも訴えました。 

　それからほぼ1年。今度は、コンビニ大手3社が本格的に宅配事業に参入するという衝撃的なニュースが、『外食レストラン新聞』（2月4日号）によって明らかになりました。

　今回は、コンビニ大手3社がどのような形で宅配事業を展開していくのかについてお伝えします。

★セブンイレブン（全国で約15,000店舗）

　　･加盟店が注文を受けて配達。配達には環境に配慮した超小型電気自動車を

　　採用。

　　･セブンミール（食事お届けサービス）、店舗で扱う商品の合計2,800品目。

　　･1回の注文500円以上で無料配達（注文翌日お届け）。

　　･条件が整った先から、今後数年間で約3,000～4,000店舗に順次導入予定。

　　セブンイレブンは、加盟店がお客様の注文を受けて配達するため、手間はかかるものの、加盟店の営業力次第で売上/利益とも増やせるメリットがあるため、導入店舗は順調に拡大している模様。

★ローソン（全国で約11,000店舗）

　　･直接展開ではなく、ヤフーとの共同出資会社「スマートキッチン」がネット宅配

　　サービスを展開。

　　･店舗で扱う約11,000品目。3月からは23,000品目まで拡大予定。

　　･関東1都7県は配送量無料。週1回ペースで配達。

　　･2015年度に売上高1,000億円が目標。 

　　今年1月よりサービス開始。品揃えは、働く女性をターゲットに生鮮、惣菜、日配品、加工食品、冷凍食品、日用雑貨、食材キットなど独自商品を扱う。 

★ファミリーマート（全国で約9,200店舗）

　　･弁当宅配子会社の「シニアライフクリエイト」の配送ネットワークを活用し、店舗

　　から配達。

　　･宅配弁当や朝食セットなど、高齢者ニーズの高い45品目からスタート。

　　･配送料は無料。注文翌日に配達。

　　･2015年度に3,000店舗導入、5年で全店導入を計画。日商1万円増を目標。

　　高齢者向け弁当宅配「宅配クックワン・ツー・スリー」を展開する子会社シニアライフクリエイトの配送網を活用し、昨年12月からサービス開始。「クック123」の配達員が、顧客から前日に注文を受け、翌日にファミマ店舗で受け取って顧客宅に配送する仕組み。 

ここから見えてくるキーワードは、「シニア層、働く女性の食事ニーズ（弁当、惣菜、食事セット）の取り込み」です。

これは、飲食店やホテル内レストランが強化していくべきターゲットと、まさに一致しています。

つまり、今のままでは圧倒的な店舗数を誇るコンビニにお客様を持ち去られる時代、ただ待っているだけではジリ貧に陥る時代に入ったと言えます。

次号（明日）は、＜対策編＞として、宅配サービスの参入方法をお伝えいたします。

 （弊社　メールマガジンより抜粋）

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