安倍内閣の成長戦略においても、2020年までに黒字企業を140万社が盛り込まれているほどです。わが国には、小企業も含む全企業数が約400万社あります。しっかりと黒字経営をしている会社は、現在100万社を下回る程度しかないと思われます。
自分の会社を黒字にするのは、経営者として最低の条件のように思われます。ところが現実は、金融機関から資金を借りて遣り繰りして、何とか息をついている会社が少なくありません。多分に、起業する前から、自社を黒字にするにはどうするとよいか、深く考えないで起業する人がほとんどです。
よく言われることですが、企業経営の基本は「最大の売上げと最小の経費」です。ところが、起業して経営が安定しますと、地道な営業展開で売上げを上げる努力をしない経営者が少なくありません。あまり考えずに、人を多く採用したり、必要以上の設備を導入する経営者も多く見受けられます。
労働生産性を高める方法を、起業前から考えている起業家が少ないことに原因があります。経営者の中には、労働生産性とはどんな意味ですかと逆に聞かれることさえあります。大手企業も小企業も含め、日本のビジネスにおいて労働生産性の認識が低いことは問題です。
原因の一つは、経営者の弱気があります。競合店より高い価格では、お客さんが来ないのではないかと言う思いです。二つ目に、経営者が付加を高めることを真剣に考えないことがあります。これらは、起業する前から考えていないと、後からでは遅すぎます。スタート時から苦しい経営を強いられることになります。
【一言】
起業のときは、右も左も判らないまま、何でもよいから開業さえしたなら何とかなると思いがち。仕入先にしても、雇う従業員にしても、取引先にしても、ほとんどがその場しのぎで済ませます。問題はその後開業してから。もっとレベルの高い仕入先があったり、接客の上手な人がいたり、慌てて開業したことを後悔する人がいます。開業するとリセットは難しいですから、後悔は尾を引くことになり、起業失敗にもつながります。
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