著作物の同一性 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年02月20日更新

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著作物の同一性

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著作物の同一性

 

 最判 昭和5397日民集 第3261145

既存の著作物に接する機会がなかつたためその存在、内容を知らないでこれと同一性のある作品を作成した者は、右著作物の存在、内容を知らなかつたことにつき過失があると否とにかかわらず、著作権侵害の責任を負わない。

既存の著作物に接して、その著作物をもとに著作物を作ることを「依拠」といい、既存の著作物に依拠して、デッドコピーを作った場合には、もとの著作物の本質的特徴がある場合には複製権侵害となる。もとの著作物の本質的特徴を維持しつつ、新たな著作物を作る場合は、「翻案」となる。

 

 

 

「翻案」の意義について、 最判平成13628日 民集 第554837頁は、以下のとおり判示している

 1 言語の著作物の翻案とは,既存の著作物に依拠し,かつ,その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正,増減,変更等を加えて,新たに思想又は感情を創作的に表現することにより,これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為をいう。
2 思想,感情若しくはアイデア,事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において既存の言語の著作物と同一性を有するにすぎない著作物を創作する行為は,既存の著作物の翻案に当たらず、複製権の侵害となる。。

 

 

引用

  最判昭和55年03月28日 民集 第343244

 一 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三〇条一項二号にいう引用の意義
二 他人が著作した写真を改変して利用することにより合成写真を作成して発行した場合と著作者人格権の侵害
三 合成写真の作成発行が著作者人格権の侵害にあたるとされた事例

 

一 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)三〇条一項二号にいう引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいい、引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ、かつ、右両著作物間に前者が主、後者が従の関係があることを要する。
二 他人が著作した写真を改変して利用することにより合成写真を作成して発行した場合において、右合成写真から他人の写真における本質的な特徴自体を直接感得することができるときは、右合成写真を一個の著作物とみることができるとしても、その作成発行は、右他人の同意がない限り、その著作者人格権を侵害するものである。
三 雪の斜面をスノータイヤの痕跡のようなシュプールを描いて滑降して来た六名のスキーヤーを撮影して著作した判示のようなカラーの山岳風景写真の一部を省き、右シュプールをタイヤの痕跡に見立ててその起点にあたる雪の斜面上縁に巨大なスノータイヤの写真を合成して作成した判示のような白黒の合成写真を発行することは、右山岳風景写真の著作者の同意がない限り、その著作者人格権を侵害するものである。


 

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