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対象:心と体の不調

茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月23日更新

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意外な病気にも威力を発揮!「漢方」は病める国・日本の救世主となるか?(6)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・意外な病気や体調不良にも漢方薬の出番があります。例えば「肥満」です。肥満というと食べ過ぎや運動不足が原因となるため、食事のカロリー制限や運動療法などが治療の中心となっています。また肥満には糖尿病や高血圧、コレステロール高値などが伴いやすいため、血糖値や血圧、コレステロールなどを低下させる薬を使用することが少なくありません。すなわち肥満やそれに伴う代謝異常は、西洋医学中心の診療となりがちです。確かにそうなのですが、漢方医学にもこの分野で一定の存在意義と役割があります。

 

一言で肥満といいますが、体質などによっていくつかのタイプがあります。典型的な2つのタイプは「太鼓腹」と「下半身肥満」です。それぞれ「内臓脂肪型」肥満と「皮下脂肪型」肥満にほぼ一致します。前者は実証の男性に多く、動脈硬化性病変のリスクが高いとされています。一方の後者は虚証の女性に多く、比較的リスクが少ないとされています。西洋医学的には食事と運動以外に、食欲を抑える薬や栄養分の腸管からの吸収を抑えるような薬がありますが、有効な薬剤は意外と少ないものです。

 

漢方では、上記の2つのタイプにそれぞれ対応している薬があります。太鼓腹に対しては「防風通聖散」、一方の下半身肥満に対しては前出の「防已黄耆湯」です。防風通聖散は高血圧やのぼせ、肩凝り、便秘などに対しても効果があり、防已黄耆湯は浮腫や関節痛、月経不順などに対しても効果があります。すなわち漢方薬は、単に痩せて体重を減らすだけでなく、肥満に伴う体調不良を同時に軽減する効果も期待できるのです。もちろん食事療法や運動などの併用が必要なことは言うまでもありません。

 

「糖尿病」に対する漢方の効果はどうでしょうか。糖尿病に対する西洋医学の治療法は、食事制限や運動とともに、血糖値を強力に下げるための薬物療法やインスリン療法がおこなわれます。その結果、血糖値はかなりの確率で正常値近くまで低下させることが可能です。しかし糖尿病の診療で一番問題となるのは「合併症」です。高血糖が続くと網膜症や腎症、神経障害などの合併症が高確率で発生し、患者をたいへん苦しませますが、西洋医学はこれら合併症に対しては意外なほど無力なのです。

 

漢方薬には血糖値を強力に低下させる力はさほどありませんが、威力を発揮するのはむしろ合併症に対してです。神経障害では四肢のしつこいしびれが患者を苛みますが、前出の牛車腎気丸は時間がかかるものの、しびれなどの症状を緩和してくれます。また神経障害が進むと食欲低下など胃腸障害を併発しますが、これに対しては補中益気湯や十全大補湯が胃腸の具合をすっきりさせてくれます。西洋薬で血糖値をコントロールしつつ、漢方薬で合併症の症状を和らげるという役割分担が望まれるのです。

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