公正証書遺言状による相続手続きの開始について

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公正証書遺言状で特定の相続人(妻)に全ての財産を相続させるとした場合、他の相続人(複数の子供)の事前同意を得ずとも、遺言執行者は遺言状通り相続手続きを開始出来るのでしょうか。出来るとした場合、子供は誰に対し異議の申し立てをするのでしょうか。又遺言執行者を相続人(妻)とし、妻が弁護士等に実務を依頼すること可能でしょうか。遺言執行者を公正証書遺言状作成時の立会人とすることも可能でしょうか。
以上よろしくお願いします。

遺言執行者についてなど

2008/03/15 23:05

公正証書遺言で特定の相続人に全ての財産を相続させるとした場合、他の相続人の事前,事後の同意を得ずとも、遺言執行者は遺言通りに単独で相続手続きを行うことができます。
 妻にすべての財産を相続させるという遺言があっても他の子は通常の相続分の2分の1の遺留分は本来相続する権利があります。
 しかし,遺留分は,「減殺請求」という請求をして,始めて主張できる権利です。しかも,遺留分は,相続開始及び遺留分を侵害している遺言などがあることを知ったときから1年以内に「減殺請求」をしないと時効によりなくなってしまう弱い権利です。そのため,「減殺請求」がなければ,遺言執行者は,遺言どおりに相続手続きを行うことになります。

 なお,遺留分を侵害された相続人は,遺留分を侵害した相続人(上の例では,すべての財産を相続した相続人)に対して「減殺請求」をすることになります。
 
 遺言執行者を相続人(妻)とすることもできるというのが多数説です。その場合、妻が弁護士等に実務を依頼することは可能です。
 しかし,遺言執行者を選任する一つのメリットは,遺言執行者がすべて手続きを行い相続人が手続きを行わないため相続人同士でもめることがないという点が上げられます。ところが,相続人の一人が遺言執行者になれば,相続人同士でもめることも考えられます。また,遺言執行者を相続人の一人とすれば,費用がかからないというメリットもありますが,実務を弁護士に依頼されるのであれば,費用的にも余りメリットはないと思います。ですので,実務を弁護士に依頼される予定であれば,初めから弁護士を遺言執行者に選任しておいたほうがよろしいのではないかと思います。

 なお,遺言執行者を公正証書遺言作成時の立会人とすることも可能ですが,妻など相続人は,遺言執行者になる予定であっても公正証書遺言の立会人となることはできません。

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