大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダ高校留学-州試験なしの大学進学を喜ぶのはちょっと待って」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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カナダ高校留学-州試験なしの大学進学を喜ぶのはちょっと待って

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留学 大学・高校正規留学 2021-05-26 04:00

パンデミック2年目のカナダ高校、卒業時期を迎えました。

 

勉強も佳境に入り、大学の合否を決める大切な州最終試験の時期でもありますが、2年連続でコロナにより中止となっています。

This year's graduates will be the first in more than 30 years who won't have to write the three-hour multiple composition mammoth in June.(May 29, 2020) 〈2021年も同じ状況〉

 

従来は、例えばGrade12の学校の成績と州のGrade12試験の成績とを合わせたものが最終成績として大学に送られ、それが入学選抜の重要な基準となるのがカナダの大学入学方法です。

〈Good news! 9月からGrade12になる生徒には従来通り Provincial Examが実施されます。 それとも、Grade11までごまかしで来てしまった留学生には完全にブロックがかかる可能性もあるので、Bad News!!かな?〉

 

そんな中、パンデミック混乱の中の卒業と大学進学に関し、今後ドカンと浮かび上がって来そうな大問題が不気味な影を落としています。

 

以前からカナダの大学の難しさには定評があり、なんと新1年生の6人に1人が1年目を終えることが出来ないとデータが出ていました。

それが、今後は更に5人に1人、あるいは4人に1人(25%!)が1年目でドロップアウトしてしまうかも知れないと教育関係者から声が上がり始めています。

 

パンデミックのため、カリキュラムの4分の1程度しか教えることが出来ず、対面授業制限のための年間4学期制の悪影響で、生徒たちはそのほんの少しの内容でさえ深く理解することもないまま。

とりあえず、アサインメントを出し、内容に関係なく成績をもらいパスする。

という、機能していない高校教育から大学に向かう生徒たちが、今年の卒業生です。

 

しかも、本当の実力を測るGraduation Assessment Final Examなしで大学に入ってしまう生徒たち。

カナダで生まれ育ち、小・中学のカリキュラムを優秀な成績で終えた高校生たちにとっても大きな賭けの進学です。

現地のGrade12の生徒たちは、その事をよ〜く理解し大変な不安を抱えての大学進学です。

 

"Stressful and horrible." "Exhausting." "Overall, just frustrating."

“I’m not learning anything anymore”

(カナダ現地の高校生の叫びです)

 

カナダの親たちも非常に心配しています。

「大学を目指す子供は学校には通わせてない。学校では何も学べないのが今。ホームスクーリングで独自に学力をつけないと大学など無理。」

先日会った歯科助手の方の言葉です。 多くの賢いカナダの親を代弁しているコメントです。

子供さんは地区でも評判の良い高校に通っていましたが、そこでも教育機能不全だそうです。

 

さて、日本からの高校留学生。

何をしにカナダに来たんでしょうね、とでも言いたいのが今の悲惨な学校です。

 

英語も不自由なまま、クリティカルシンキングの基本もなしで高校留学し、とりあえずパンデミック成績をもらい、学校独自の嵩上げに近い成績で大学からオファーをもらった留学生。

自分の立っている断崖絶壁を認識しているでしょうか。

 

もちろん、能力的に箸にも棒にもかからないような高校留学生はそのパンデミック成績にすらたどり着けませんから、大学からオファーが来た留学生にはある程度能力もあり、頑張る意欲もあったと思いますが、果たしてカナダの大学に耐える実力がついているかと言えば大きな疑問符です。

 

昨年・今年と高校の成績嵩上げが起こっている理由を説明します。

 

もともと、Englishの指導内容、方法などは、実は各学区・学校により大きく質が異なっていました。

方針がよく、教師の質が良い学区のEnglishは厳しい評価を下し、本当に実力のついた生徒のみにしか合格点をつけません。

逆に、教師の質が悪い学区では、適当な指導で宿題も出すだけで良い成績をつけるところもたくさんあります。

「こんな留学生がなぜEN10に合格?」と思い調べてみると、English授業のレベルの酷さに行き当たる次第。

(現在までで、バンクーバー・バーナビー・ラングレー・ウエストバンクーバーなどから『衝撃のレベルの低さ』を感じていますが、他にも相当数あると推察しています。)

 

ところが、州試験の成績は各学校・学区と公開されますので、Grade12の特にEnglish12に関しては、各学校とも非常に慎重に成績をつける傾向がありました。

州試験で40%しか取れない留学生が、学校のEnglish12で80%取っているなんてありえませんからね。

そのため、EN10,11までは適当な評価でパスさせてもらっていた留学生も、EN12では急停止です。

州試験と学校の成績との怪しい差は、州から調査される結果ともなりますので、教師が突然マジになっていた証拠です。

 

それが、昨年・今年は、全く外の目を心配せずに自校の生徒に嵩上げ成績をつけることが可能になったということです。

その結果、何人が大学でドロップアウトしようが知ったこっちゃない、これが現実のようです。

 

カナダの大学?

レベルはそのまま、超高いです。

高校教育が機能していようがいまいが、大学のプライドをかけたレベルが下がることはありません。

嵩上げで入ってしまったのなら、落ちていけばいい、というのが大学の本音だと思います。

その渦に巻き込まれてしまう高校留学卒業生の運命を、本気で心配しています。

 

アドバイス

 

カナダの大学進学予定の高校留学生のみなさん、入学までにカナダのオンライン専門大学から提供されているコースを履修してみること。

特にPsychology, Philosophyなど言語中心のコース。

いつでもすぐに受講開始可能です。

それらコースが理解出来、3ヶ月ですべてアサインメントも終了し、Aが取れるようなら、自信を持って志望大学に。

(Good news! 取れた成績と単位は入学する大学に移行出来る可能性が大です。)

 

出来なかったら、パンデミックを憂え、もう一度1から学力をつけること。

やられた。。。。。と。

入学まで後4ヶ月、やらないといけないことがものすごくありますよ。

日本の大学生のように浮かれている暇などないのが、カナダ大学進学ですから。

日本のような「入学おめでとう!」はありません。「え!大変な苦労が待ってるね。」と言われるのが大学入学ですから。

 

オンライン大学コース履修? よくわからない?

アドバイスしますのでご連絡下さい。

 

あ、最後に。

今高校留学中、来学年Grade12のEnglishを履修予定の人。

一番貧乏くじを引いてしまいましたね。 EN10,11はパンデミックでほぼ教育なし。

ところが、じゃ〜んと来年には州試験が戻ってきます。

すでに州は日程まで決めているようです。

さて?

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