大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
英語圏への高校留学生は「商品」親は「上客」
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Public education in Canada and other English-speaking countries has become a “globally traded commodity“ that treats students as “customers” and “consumers,” Kuehn says. He is worried B.C.’s K-to-12 system is losing pedagogical integrity as educators strive to increase the $256 million a year they take in from full-fee-paying foreign students, most of whom are the offspring of wealthy parents. (Vancouver Sunより)
「カナダの公教育だけでなく、英語圏の公教育は、留学生を単に「消費者」とみなし、「ビジネス取引の商品」として扱うようになった。 留学生の集まるBC州も、留学生に対しての教育・指導という真の意味を見失い、年間2億5千6百万ドルにも上る授業料収入をいかに稼ぐかに血眼の公教育に成り下がった。 世界各地(特にアジア)の金持ちの親を「上客」としたビジネスに走るカナダの公教育。」
「留学ビジネス」(留学生の落とすお金)に邁進するBC州では、「留学」の経済効果は林業、鉱業に続く3位の取引量に躍り出ています。
「留学ビジネス」は、BC州産業を支えるお金が外国から出ていることから、一応「輸出」と定義されています。
ふざけてますね。
高校留学生のみなさん、あなたたちは「輸出」された「商品」らしいです。
例えばMetro Vancouverと呼ばれるバンクーバー都市部では人口比で一番多い留学生を抱えます。
しかし、急激に増えた留学生を待ち受ける環境の悪化などはBC州政府は無関心。
「やった!儲かってる!」とホクホク顔で、留学生の直面するトラブルにも知らん顔。
人数の急激な増加によるクラスサイズの巨大化なども、知らぬ存ぜぬ。
希望コースに入れない留学生にも何のヘルプもなし。
言葉も不自由、カナダの法律にも無知、親もいない留学生を完全に食い物にしていますね。
もちろん、親からも文句が出てきます。
(残念ながら日本人の親は「英語も出来ない、文句も言わない最高上客」とみなされており、文句はほとんど言わないです)
カナダの心ある人達からも「高校留学生を人間として扱っていない」と指摘され、メデイアも取り上げ始めた「カナダ高校留学」の大きな膿。
問題が大きくなり、授業料収入が減ったらえらいこっちゃ!とばかりに、受入れ学校は対策を考え始めたそうです。
どんな?
その対策に驚愕。
Many teachers are talking about how some high-fee-paying students expect they should be handed B.C. graduation certificates regardless of their grades.
「カナダの高校生が授業料は無料なのに比べ、年間100万〜200万の授業料を払う留学生は、成績に関係なく卒業させてもらえるはずと期待を持ってやってくる。 それにどう対処すべきかを話し合っている。」
だそうです。
授業料収入を失うくらいなら、留学生の成績にインチキし、お情け合格点を付け卒業させてしまおうか?!
そうしたら、「カナダの高校を卒業するのは、お金さえ払えば簡単!」との宣伝にもなり、もっと授業収入が入る!
(実際、日本の留学エージェントたちは、すでにここを一生懸命宣伝しています。「英語なんか出来なくても大丈夫ですよ〜と。)
カナダの公教育がこんなビジネスモデルを考えていることにも呆れて絶句です。
ただ、いくら何でもそれはBC州の教育レベルを貶める結果になるのはとんでもないと、政府自体は歯止めをかけたいですが、留学ビジネスにウハウハしている現場との溝は大きいようです。
結果、BC州政府が打ち出したのが、BC州高校卒業には必須のEnglish12の州卒業試験のシステムを今年から一新。
以前は、インチキ成績でEnglish12の合格点をもらい(最終成績の60%の割合)それプラスの州試験(最終成績の40%の割合)で滑り込み卒業出来ていた留学生もいました。
その州最終試験を完全に学校の成績と切り離し、Graduation Literacy Assessmentと名付けた州試験に切り替えましたね。
合格しないと高校卒業は出来ませんし、大学進学には高い点数が必要です。
いい加減な「留学生へのごますり成績」を付けている学校は簡単にあぶり出されるシステムです。
州試験と、学校のEnglish12の成績との差があまりに大きい高校は、おそらく調査の対象にもなるのではと期待していますが。
「留学は金儲け!」と焦る受入れ学校達と、「教育レベルを守れ。。」とちょっとだけ抵抗する州政府と。
さて、果たしてどちらに軍配が上がるか、初回のGradudation Literacy Assessmentの結果分析が待ちきれません。
英語圏への高校留学は、「国を上げて歓迎してくれる留学」には違いありません。
高校留学生の親は多額のお金を簡単に払ってくれる「上客」であり、高校留学生は国を超えて取引される「商品」ですから。
Be Aware.
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