
大塚 嘉一
オオツカ ヨシカズ「シン・クレーマー」とは何か?
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「シン・クレーマー」とは、クレーマーではあるが、金銭や便宜など自分の利益を要求するのでなく、相手の企業等に苦情を言う、言い続ける者である。例えば、コンビニで、この商品はこの棚にこう並べろと店員に要求し続ける客、病院で、順番がなかなか来ないことに腹を立てて騒ぐのではなくて、順番待ちのシステムをこう変えろ、と受付の者に主張し続ける患者、である。自分の利益になるようなことを要求するわけではないことが、従前のクレーム、クレーマーとの違いである。最近、顧問先の相談や事件を受任して際に、そのようなケースが増えていることに気づいた。
ところで私は、ゴジラが好きである。歴代のゴジラ映画を、ブルーレイで揃えている。最近では「シン・ゴジラ」が、出色の出来であった。有事にどう対応するべきかが、リアルに描かれている。劇中、ボーっとしているように見えた総理大臣が、最後に、ちゃんと仕事をしていたことが明かされ、最高にカッコよかった。
有事の対応が大事だということで、「シン・ゴジラ」にあやかり、新しいクレーマーに「シン・クレーマー」と私が名付けた。
名付けてみると、いろいろな事が見えてきた。警察や裁判所が、まだまだ及び腰であること。その出現には、現代が大衆社会であることが関係していそうなこと。その主張をくみ取って、「公共性」について考えてみると面白そうなこと、などなど。
シン・クレーマーに迷惑を掛けられている会社の社長さん方、現場の従業員の苦労を気遣い、会社の信用を考え、毅然とした対応をして、解決を目指してください。映画「シン・ゴジラ」の中の総理大臣のように、ヒーローになれますよ。
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