堀江 健一
ホリエ ケンイチグループ
スーパーナチュラル その2 人間(恋愛)関係における自分の態度4つのパターン
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前回は、
自分を犠牲にしてでも、人を助けようとする主人公のディーンやサム兄弟の様な人もいれば、他人を犠牲にしてでも自分の利益を得ようとする人々もいる、という話を書きました。
カウンセラーからすると、単純にどちらが良いか?正しいか?なんて、おいそれと言えるものではありません。
ただ経験的に言えるのは、後者の「他人を犠牲にしてでも自分の利益を得ようとする」ような人は、あまり悩まず、相談に訪れる様なこともないようです。
むしろ、自分は我がままなんじゃないか?自分が悪いのではないか?と「自己批判」が強く、反省しすぎておられる方が多いようです。
たまに自分の「我を通そうとし過ぎてしまい、人間関係が上手く行かずに、孤独になってしまい」悩まれる方もおられます。
でもそうしたことを自覚して悩まれる分、将来改善される可能性はあるでしょうね。
一番恐ろしいのは、自分のやっている事が、全く見えておらず、人の意見にも耳を傾けようとしないことでしょう。
交流分析と言う「自分と他人が交流する上で、自分の基本的な立場や捉え方が、どんな風になっているか?」を分析した学問があります。
それによると、自分と他人の態度・立場のあり方には4つのパターンがあります。
1.私は、OK(良いと思える状況)で、他人もOK。(自他共に共存)
2.私はOKじゃないが、他人はOK。(自己犠牲的な選択をしてしまう)
3.私はOKだが、他人はOKじゃない。(他人に犠牲を強いてしまう)
4.私も他人もOKじゃない。(誰も幸せになれない)
理想的なのはやはり自分も他人もOKと思える行動を選べることでしょう。
その場の状況に応じて、その選択を柔軟に選べるようであれば、生きやすいのですが、問題になるのは、いつも2.3.4のような「誰かがOKではない」ことを選択してばかりしてしまうことです。
しかもその選択をする際に、無意識でしてしまう場合が多いのです。
わかりやすく、例としてデートで恋人と食事にでも行く場合を想定してみましょう。
「この前は私が食事代を出したから、今回は相手にも出してもらおう」みたいに持ちつ持たれつに思えれば良いのですが、
「いつでも私が奢らなければいけないのだ」
と思っていたらどうでしょう?
「いつでも私が奢らなければ、相手は不満に思って、自分から離れて行ってしまう」というような恐れがあるのかも知れません。自分が犠牲にならなければ、相手が満足しないような関係はとても対等とは言えませんし、相手が誠実な人なら、当然「今度は自分が出します」と言ってくれるでしょう。
でも相手がそう言ってくれても、「いえいえ、私がお金は出しますから」と言うことになります。
自分が犠牲的な立場でいる方が「安心」できるのです。自分が犠牲的な立場にいることが「当たり前」と思っていて、それがその人の「基本」であり、その関係に疑いもしなくなっていたりします。
その裏返しには「私がこんなに犠牲を払っているのだから、当然あなたは私を愛してくれますよね」と相手を支配しようとしてしまっていることにもなります。
相手も、あなたを利用しようとしている場合ででもなければ、このような関係を続けるのは無理を生じてしまうことでしょう。
どんなに相手の人が誠意を見せようとしても、甘えて欲しいと思っても、拒否されてしまうので、距離が縮まらない為に虚しくなってしまいます。
「いつも私は奢ってもらうのが当たり前でしょ」
と思っている人は、相手が自己犠牲的な恋人であれば、ある意味相性が良いので、長続きするかも知れませんね。相手の払ってくれる「犠牲」の度合いによって「愛情の度合い」も計っているのかも知れません。モラハラと呼ばれる様な歪な関係の多くは、こうした「他人はOKじゃない人」と「私はOKじゃない人」同士の関係から成り立つ事が多いようです。
その裏返しには、「相手に犠牲を払ってもらえないと、愛されている気がしない」という不安が強いのです。その裏には、「いつも愛情を確かめていないと、不安で仕方がない。実は人一倍、愛に飢えた人」であるかも知れません。
なのに、一見傲慢な態度に出てしまうのは、まるで、キリスト教への信仰の強さを試すため、踏み絵を踏ませようとするように、「私を愛しているなら、その証拠を見せなさいよ」と相手に困難な要求をして、迫っているような気がします。
しかも、愛に飢えているので、愛されていると確信して安心しても、もっと愛を得たくなるので、要求がエスカレートしてしまったり、他の人からの愛情も欲しくなったりしてしまい、二股、三股と次々関係を増やしたくなってしまったりします。
結局は相手が疲れきってしまうことでしょう。
「私がご馳走したって、どうせあなたは私の事を好きになってなんかくれないでしょ。奢ってもらいたいだけでしょ。だったら私だって、あなたを愛さない」
「食事をご馳走してくれるのは、どうせ私の身体が目的なだけでしょ。私が好きなわけじゃないでしょ。だったら奢らせるだけ奢らせてやる」
最初は楽しくデートしていると思っていても、自分がこのような想いに駆られてしまうと、急速に雲行きが怪しくなって来てしまいます。
些細なことでからんで口論になってしまったり、特に具体的な理由もなく次のデートにも繋がらなくなり、関係はばっさり終わりを告げてしまうかもしれません。
私も他人もOKじゃない方は、様々な場面で、様々なネガティブな解釈をして、自分も他人もOKじゃない状況を作りだそうとしてしまいます。これでは共倒れにしかなりません。
しかも相手の方は、なぜそんな事になってしまったのか見当もつかず、途方に暮れてしまうことでしょう。
次回もまた、もう少しこの話を続けようと思います。
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