池見 浩(消費生活アドバイザー)- コラム「消費者教育ってなに?-#1 暮らしの中のクリティカル・シンキング(批判的思考)」 - 専門家プロファイル

池見 浩
消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

池見 浩

イケミ ヒロシ
( 東京都 / 消費生活アドバイザー )
消費者考動研究所 代表
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消費者教育ってなに?-#1 暮らしの中のクリティカル・シンキング(批判的思考)

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消費者教育について 2013-06-18 23:59
こんにちは。消費者考動研究所 代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。

皆さんは「消費者教育」という言葉をご存知でしょうか。
以前、「学校で買い物の方法とかを教える事?」と尋ねられたことがありましたが、それも間違いではありません。

でも実は、もっともっと幅広く、幼児から高齢者まで全ての人に必要な「幸せに生きるための考え方」学習
それが消費者教育です。
とは言え、消費者教育はとても広範囲なため、少しずつ分けてお伝えしたいと思います。
第1回目は、消費者教育の基本の一つ、クリティカル・シンキング(批判的思考)です。
 

暮らしの中のクリティカル・シンキングとは?

例えば、こんな流れの考え方です。。。

○インターネット通販で、以前より欲しかった自転車を格安で売っているのを見つけた。
  →すぐ買おうと思ったけれど、「でも、アフターフォローは大丈夫?」と気になった。
  →販売店の住所を調べた。
  →遠く離れた他県だった。「どうやって修理するの??」と考えた
  →サイトの規約を読んでみる。
  →保証期間はわずか3ヶ月で、以後の修理は送料も含めた有償だった。
  →安い理由はこれかと思い、多少価格は高くても納得がゆくアフターフォローの販売店を探すことにした。

○スーパーでそば(麺)を買おうと、商品を選んでいた。
  →袋に表示されている原材料名を注意深くチェックする。
  →そばなのに、「小麦粉、そば、とろろ、食塩・・・」の順番で書いてあるのに気付く。
  →「なぜ小麦粉を先に表示しているのだろう・・・」と疑問を感じ、他の商品と比べる。
  →「そば、小麦粉・・・」の順番のものもある事に気づき、その意味を調べる。
  →加工食品は、国の加工食品品質表示基準で、含まれる割合の多い順に表示する事が決められているのを知る。
  →以後、店で商品を選ぶときには、必ず原材料やその他の表示をよく確認するようになった。
  →表示があいまいなメーカーや商品を選ばなくなった。

○ソーシャルゲームで、最強のアイテムが欲しい。
  →入手するにはかなりの時間とお金が必要。。。
  →でも、おこづかいは限られているし、時間だって沢山やることがある。
  →それだけのお金と時間を、本当に今ゲームに費やさなければならないのか、単に欲しいだけなのか…。
  →そのアイテムが無ければ生きられない訳ではないし、それよりも優先して買うものがある事に気付く。

このように、物事を「なぜ?どうして?どうしたらもっとよくなる?」という視点で(=クリティカル・シンキング)考える習慣を身につけることで、冷静に客観的な見方ができます。
更に、様々な事への興味が湧き、知識を得て、より心豊かに暮らしたり、知ることでトラブルを避けることにもつながります。そして視野が広がることで、自分、周囲の人や社会のこと、地球の事にも前向きに関心を持ち、考動することで幸せに生きることができるのです。

クリティカル・シンキングで「自立した消費者」になる!

消費者庁の「消費者教育ポータルサイト」には、次のような説明が記載されています。

近年、経済の仕組みの変化や規制緩和の流れの中で、消費者トラブルは多発し、その内容も複雑化、高度化しており、消費者教育の重要性は高まってきています。
その中で、自らの利益の擁護及び増進のために自主的かつ合理的に行動し、消費者の権利を実現するように努め、自ら進んで、消費生活に関して必要な知識を修得し、必要な情報を収集するなど、自主的かつ合理的に行動するように努める消費者-すなわち「自立した消費者」の育成を目指すことが、消費者教育の理念です。

クリティカル・シンキングは、正にこの「自立した消費者」になるための基本スキルです。
ぜひ皆さんも、今日から始めてみませんか?
キーワードは、「なぜ?どうして?どうしたらもっとよくなる?」ですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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