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株式会社の開業について

法人・ビジネス 会社設立 2008/12/20 07:13

下着のネットショップを開業しようと考えています。
しかし、個人か株式会社かどちらで開業しようか迷っています(信用の問題で)。
そこで質問なのですが株式会社だと、厚生年金や保険料を払わなくてはならないのは分かっているのですが、開業はじめは利益も少なくても支払いをしなくてはならないのでしょうか?

それによって個人か株式会社か参考にしていきたいと思っています。

徹平さん ( 愛知県 / 男性 / 22歳 )

回答:1件

小松 和弘 専門家

小松 和弘
経営コンサルタント

1 good

個人事業主で始めて、早めに株式会社に移行しましょう

2017/05/12 02:20 詳細リンク

■ 0. はじめに
徹平さん、こんにちは。ネットショップを開業するにあたり、個人事業主となるか、株式会社とするかを検討されているとのことですね。起業直後は運営資金のやり繰りが大変なので、極力支出を少なくすることは経営を速く安定させる上で非常に重要です。
ここでは、個人事業主と株式会社(法人)の違いについて、信用と保険料の面を中心に回答させて頂きます。

■ 1. 信用面での違い
まずは信用面から見たときの個人事業主と株式会社の違いについてご説明します。
(i) 個人事業主
個人事業主は税務署に「個人事業の開業・廃業届出書」を提出するだけで開業が可能です。
株式会社のように面倒な手続きや費用は発生しません。しかし、気軽に開業できる分、社会的な信用は株式会社より総じて低く見られがちです。
(補足:任意ではありますが、実際の開業時には「所得税の青色申告承認申請書」も 一緒に提出される方が多いです。理由は、確定申告の際に青色申告の方が白色申告よりも 節税効果が大きいためです。)
(ii) 株式会社
一方株式会社の場合、開業手続きに手間がかかる反面、信用面に関して下記のようなメリットがあります。

・法人名義を取得可能
・日本のドメイン(.co.jp)を取得可能
・取引先を法人限定にしている企業と取引可能
・クレジット会社の加盟審査に有利

特に徹平さんのように、対面販売ではなく不特定多数の顧客とネットを通したビジネスを行なう場合、法人として .co.jp ドメインでサイト運営を行なっているだけで、会社およびネットショップの信頼性を大きく向上させることが可能です。
また、徹平さんが自社でオンラインショップサイトを運営する場合だけでなく、既存のオンラインモールに出店する場合でも有利です。オンラインモールの中には法人でないと出店することすらできないケースもあるようです。
いずれのケースでも、信頼性が高い方がサイトを利用する顧客に与える安心感も高くなり、売り上げ向上にも繋がっていきます。
更に、商品の仕入れに関しても、個人事業主では取引できないケースや参加できない展示会なども希に存在します。
念のため、徹平さんが考えられているビジネスが個人事業主でも問題ないかどうか、事前に確認されるとよいと思います。

■ 2. 保険の面で見た違い
一般的に企業が加入する保険を分類すると、大きく「労働保険」と「社会保険」の2つになります。「労働保険」には「労災保険」や「雇用保険」があり、「社会保険」には「健康保険」や「厚生年金保険」があります。

保険
|
+-- 労働保険
| |
| +-- 労災保険
| +-- 雇用保険
|
+-- 社会保険
|
+-- 健康保険
+-- 厚生年金保険

ここでは、個人事業主の場合と株式会社の場合で、これらの保険への加入義務や保険料の違いについてご説明します。

(i) 労働保険
「労働保険」については、個人事業主と株式会社で違いはありません。いずれの場合でも、従業員を1人でも雇用した際には保険に加入しなければなりません。

(ii) 社会保険
「社会保険」については、個人事業主と株式会社で異なります。
個人事業主の場合、従業員が4人以下の場合は加入は任意で、5人以上になると加入が義務付けられます。(補足:サービス業に関しては従業員が5人以上でも加入は任意です)。
一方、株式会社の場合は従業員が1人でもいれば加入が義務付けられています。
起業直後で利益が少ない段階でも社会保険料の支払いは必要なのでご注意下さい。

社会保険料は従業員の給与の約28%に相当し、会社と従業員とで折半して支払います。
すなわち、会社側としては給与以外にその約14%を多く負担することになります。
そのため起業直後で利益が少ないうちは税金よりも社会保険料の方がキャッシュフローに大きな影響を及ぼします。よって人材採用は計画的に進めていく必要があります。

なお、社会保険料を負担することは資金繰りの観点から見ると大変ですが、長期的に見ればプラスの要素もあります。一般的に、会社員が加入する厚生年金・健康保険の方が、自営業者が加入する国民年金・国民健康保険よりも手厚い保障が受けられるため、仮に親族のみで経営するのであれば、得られるリターンは大きくなります。

■ 3. その他の違い
上記、信用面と保険の面以外の点で、徹平さんにとって重要と考えられる個人事業主と株式会社の違いについて簡単にご説明します。
まず個人事業主ですが、下記のメリットがあります。

・開業手続きが容易
・青色申告で所得控除が受けられる(青色申告特別控除、最高65万円)

一方、株式会社には下記のメリットがあります。

・所得が多い場合の節税効果が大きい
・経費に認められる範囲が広い(経営者への給与や保険料等)
・資本金が1000万円未満の場合、初年度は消費税が免除
・会社のイメージが良い

個人事業主になるか株式会社とするかの判断には、上記の点も考慮されると良いかと思います。

■ 4. まとめ
個人事業主として起業することと株式会社として起業することの違いについては以上です。最後に、信用および保険料の観点から、個人事業主と株式会社が適しているケースを整理すると下記のようになります。

○ 個人事業主が適してるケース
・高い信用度を必要としない
・収益(所得)が少ない
・従業員が4人以下

○ 株式会社が適しているケース
・高い信用度が必要
・収益(所得)が多い
・従業員が5人以上

徹平さんの具体的なビジネスプランによりどちらが適しているかは異なります。
ひとつの案ですが、まずは個人事業主として開業し、収益が安定しビジネスを拡大させるタイミングで株式会社に移行(法人成り)するのが良いかもしれません。
一般的に、年間所得が500~700万円以上であれば個人事業よりも株式会社にした方が税金上有利と言われていますので、法人成りをする時期の目安とお考え下さい。

ネットショップ業界は企業や個人事業主以外に、個人で出品しているケースも多いです。
そのため信頼度が顧客に見える形になっていることは、それだけで有力な差別化要因になりますので、できるだけ早く株式会社に移行することをおすすめ致します。

最後になりますが、開業後、ビジネスを軌道に乗せるまでは特に大変だと思いますが、良いスタートダッシュが切れるよう頑張って下さい。

個人事業主
オンラインショップ
株式会社
労働保険
社会保険

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小松 和弘
小松 和弘
(東京都 / 経営コンサルタント)
ホットネット株式会社 代表取締役
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