対象:人事労務・組織
回答数: 1件
回答数: 1件
回答数: 1件
回答:1件
倒産や廃業でも、支払義務は免れない
まず、倒産や廃業になったとしても、退職金は賃金と同じように労働債権として残りますから、その支払義務は免れません。従業員については救済措置として国の未払賃金立替払制度があり、要件を満たせば未払金の8割を立替払いしてくれますが、あくまで立替なので、事業主には支払請求がされます。
次に、既にある退職金制度を廃止したり、支給金額や要件を切り下げたりする就業規則の改訂は、不利益変更にあたります。「支払は経営状況による」等というのも、会社の都合で払ったり払わなかったりするということですから、これにあたると思います。
変更を行うにあたってはそれなりの合理性が必要になり、以下を総合的に考慮して判断するものとされています。
○労働者が被る不利益の程度
○変更の必要性の内容・程度
○変更後の就業規則の内容自体の相当性
○代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
○労組等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応
○同種事項に関する我が国社会における一般的状況
要するに不利益変更する場合は、それがどの程度必要なのか十分に考え、また、可否は別にしても何らかの代償措置を考え、労働組合や従業員代表などと誠心誠意、協議を尽くさなければならない、ということになります。
単純に退職金の廃止や支給要件の切り下げを行おうとすれば、争いになった場合は会社側が不利になる可能性が大きく、このような制度改定にあたっては、何らかの代替措置(前払い制度の導入、賃金制度や評価制度ほか人事制度全体の改定等)を導入してバランスを取る工夫をしながら行うのが一般です。
あとは、従業員に対して情報をオープンにし、会社の経営状況を誠心誠意説明することで、理解を得ていくしかないと思います。
これには、以前からの労使の信頼関係も影響しますが、いずれにしても経営者側に求められるのは、従業員に対する誠意ある対応に尽きると思います。
回答専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
小笠原 隆夫が提供する商品・サービス
(現在のポイント:1pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング