肛門腺

そのこそのこによって、液体のものと粘液状のもの、固形に近いような分泌物を出す子がいますが、硬い分泌物を出す子は肛門腺を絞るのが大変なことが多いです。

本格的には手袋をして人差し指を肛門に入れて、4時と8時の方向にある肛門腺を入れた人差し指と親指ではさんで肛門に向かって絞るのがよいですが、通常の犬は肛門に指を入れるのを嫌がりますので、なかなか普通の人はこの絞り方は難しいかもしれません。

通常飼い主さんに教えるときは、肛門を突き出させる作業をします。肛門は絞ろうとしてつかむと引っ込んでしまうからです。そのためには尾っぽを上に持ち上げ根本をつかみ根本から頭側に尾を倒してください。そうすると肛門が後ろに出てきます。それから肛門を見て4時と8時の方向に肛門嚢をみつけてそれを親指と人差し指、中指でつかんで、中心に向かって絞ってください。

コツとしては肛門を突き出させることです。文章ではなかなか難しいと思います。主治医の先生やトリミングをしてくれる方に習うのが一番です。

言葉ではなかなかお教えするのは難しいです。ペットショップや病院で詳しく教えていただいて慣れることが一番です。当院で飼い主さんにやっていただいているところを見ていますと、怖々やっていらっしゃる人が多いようです。そこそこの力がいります。相当強い力を掛けないと出ないワンちゃんや、一指を肛門の中に入れて、挟み込まないと全部出し切れないワンちゃんもいます。

肛門嚢は肛門の左右に一対あります。開口部は肛門の四時と八時の方向にあります。肛門腺を排便時にうまく排泄できる犬もいますが、うまく排泄できず貯まってしまう場合は化膿、破裂してしまう恐れがあるため人間が搾り出す必要があります。
肛門腺を絞る目安は1ヵ月に1度くらいですが、中には貯まりやすい犬もいます。お尻を気にして舐めたり床に、引きずって歩いたりしている時は肛門腺が貯まっているサインです。

方法
1)尾を持ち上げて持ち、片方の手でティッシュペーパーなどで肛門の4時と8時の方向から指で挟んでおさえます。

2)押さえた場所を外側から内側へ絞り込むようにすると肛門腺を絞ることが出来ます。

3)最後にきれいに拭き取って下さい。

※肛門腺開口部が奥の方にありうまく絞ることができない個体もあります。

実際にうまく絞っているところを見るのが一番だと思います。かかり付けの獣医師に肛門腺を絞るところを見せてもらうのがよいと思います。