対象:住宅設計・構造
初めてメールさせていただきます。小生素人の質問で申し訳ございません。以下の点ご教授いただければ幸いです。
■土地建物概要
・北側に3mのL字型擁壁がある北斜面の建物です。
・土地が100m2程度あり、北側擁壁から約50cmのからに2階建ての建物が建っています。
・盛り土が2m程度実施されている。
・L字型の底板は北擁壁から4m程度である。
・表層2mまで地盤改良のための処置がされている模様(N値5程度)
・表層2mから5mまではN値2〜8程度自沈あり。
・5mから7mまではN値10〜20程度。
・底板があるところは2.8mまで鋼管杭を打って、底板がないところは6m程度まで鋼管杭を打っている。(合計27本)
・地面は半年程度しか寝かしていない。
・表層から7mまで全て粘土質である。
■質問事項
(1)底板から鋼管杭までは20cm程度あり、その間の地盤は軟弱地盤だと思われますが、20cmの軟弱地盤でも沈下するのではないでしょうか?
(2)家の片側(北側)が2.8mの杭で支持基盤まで鋼管管を打てていない。もう反対側(南側)が6mの杭で、N値20程度のところまで鋼管杭を打っている。これでバランスが悪く不同沈下は起きないものか?
(3)鋼管杭はN値でいうとどこまで打てば安心なものか?
(4)2mから5mの中間層の沈下は避けられないと思うが、鋼管杭を打っていれば、これらの中間層の沈下は気にしなくても大丈夫か?
(5)5mから7mのN値10〜20の地盤は沈下しないと考えてよいか?
kentさん ( 神奈川県 / 男性 / 39歳 )
回答:4件
これから購入される建物ですか?
文面拝見しました。とても細かく調べられていますね。
ところで前提の部分として伺いたいのですが、文面で言っている家はこれから
購入される予定の家ですか?
それともすでに住んでいる家に対してですか?
もしこれから購入される家でしたら、地盤保証がついている物件かどうか?
を確認されるといいと思いますよ。
地盤保証というのは、保証会社が地盤を調査し、指示通りの基礎形状、地盤改良などを施す事で将来不動沈したとしてもそれを保証してくれるものです。
ですので、こういった時の判断は、保証のつく形での検討がベターだと思われます。
参考になりましたら幸いです。
八納啓造 拝
回答専門家

- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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八納 啓造が提供する商品・サービス
詳細が明らかになりましたね
kentさんこんにちは
前回、北雛壇のご質問を頂いたときは「粘土質地盤」についてお話させていただきましたが、いよいよ住宅の詳細がわかったのですね(^^)
表層の地盤改良に鋼管杭というしっかりとした組み合わせをされておられますが、杭は通常基礎と絡ませて効果を発揮します。
kentさんが仰る「底板」とは基礎の底面と考えて宜しいでしょうか。
(1)について
杭と基礎が分離していると杭の効果が発揮されません。しかし、杭と地盤改良層を一体化させる工法?なら地盤改良層上に乗っている20センチの土は沈下すると考えられます。
(2)について
杭はそれぞれ支持地盤まで伸ばすのが一般的なので、支持層まで届いている杭と届いてない杭が混在するのはどうかと思います。。
支持層まで届いている杭にせん断力(折れる力)が働いて、本来の杭の仕事が出来なくなってしまいます。
(3)について
粘土質地盤のN値のグループ分け
8から15 固い地盤
15から30 非常に固い地盤
30より大 団結した粘土
安心できるのは30より大きな値ですが、このような数値がある層は大深度だったりするため、保証機関が定めた層に杭打ちをするのが一般的です。(いくつとは断言できません)
(4)
本来、各杭が支持層まで届き、杭がべた基礎と緊結していれば大きな沈下は起こらないのが普通です。(砂質土の液状化が起きたときも、地盤が下がり杭上に基礎が乗った状態になります)
しかし、杭の状態が一定でないため、支持層に届いてない杭は沈下の影響を受けやすいと言えます(不同沈下のもと) ただし、六角杭などの摩擦杭の場合は別です。
(5)
前回の地盤のお話では「盛り土」と「切り土」が混ざる土地で、もとの山肌を含め地耐力がそれぞれ違うことから場所によって同じN値の層の深さが違うおそれがあります。
まったく沈下しないことは難しいと考えたほうが良さそうです。
安心した家選びができることをお祈りいたします。
やすらぎ介護福祉設計 齋藤
評価・お礼

kentさん
非常に親身になっていただき感謝しております。
今回非常に勉強になりました。
また良い物件を探したいと思います。
回答専門家

- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
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森岡 篤
建築家
1
専門的判断が必要
kentさんはじめまして。
パルティータ建築工房の森岡と申します。
良くお調べになっていらっしゃいますね。
ご質問の中で確認したいのですが、L字型擁壁とは、図の形状のRC擁壁で、kentさんの(検討中)敷地は、高い方の敷地と考えてよろしいでしょうか。
「北側擁壁から約50cmのからに2階建ての建物」は、kentさんの(高い方の)敷地に建っているのでしょうか、隣地低い方でしょうか。
図の関係として進めさせていただきます。
中高層のビルやマンションの場合、建物重量が重いため、その重量を支えるために、堅牢な地盤や基礎が必要で、調査、設計のプロセスが明確です。
杭であれば支持層は原則N値50以上、杭を使わない直接基礎なら十分な支持層としての質、地耐力が必要です。
一方住宅はビルと比べるとずっと軽いので、同じような基礎の考え方では不経済になってしまいます。
そのため、ビルではあり得ないような地盤でも良しとされ、多くの家が建てられています。
それでも、安易に考えると不動沈下などに遭うことになります。
ある意味では、住宅の地盤の判断は、高層建物の地盤よりも難しいと言えます。
安全で経済的な地盤、基礎をつくる原則は、できるだけ多く客観的データ(敷地のボーリング調査、周辺のデータ)を集め、合理的に地盤を推察把握することです。
擁壁があり、場所によりバラツキがある場合、立体的に全体を判断することが必要です。
<字数制限、追記>
補足
ご心配はごもっともで、地盤改良をやった(杭を打ったから)だけで、安心、ということでは決して妥当性を検証する必要があると思います。
(1)のご質問は、鋼管杭先端と図の擁壁底版との間隔が20cmあるということでしょうか。
埋め戻しでも、掘削した土(粘土や表土)の場合はフワフワでいくら転圧しても支持層になり得ないのですが、砕石や砂を正しい工法で設置すれば十分強固で最初から支持層にできることもあります。
要は、工事の質に依存するのです。
擁壁があり、盛土厚が異なる場合、ご指摘のように、不同沈下に最も注意する必要があります。
中間層や深い部分の沈下についての判断は、詳細なデータ(土質やより深い部分のN値など)が必要です。
これらは、高度な専門的判断が必要です。
ボーリング調査データ、周辺データを集め、地盤に強い構造専門家(私もそうですが)に相談されることをお勧めします。
もう一つ、これから家を建てるのであれば、住宅保証協会などの地盤の保険を使うのが良いと思います。
品確法で、構造体が10年保証となっており、家の傾きも項目には入っているのですが、工事者の倒産の可能性を含め保険を使うと安心できます。
構造体の保険:性能保証制度には、地盤は含まれないのでお気を付け下さい。
地盤保証のもう一つのメリットがあります。
地盤の保険に加入することで、保険会社側は(できるだけ保険金を払わないために)、地盤の事故が起きないような、さまざまな要求を言ってきます。
これを工事側に守らせることが、地盤の沈下などの事故を防ぐことにつながります。
参考にしていただけたら幸です。
評価・お礼

kentさん
ありがとうございました。

中舎 重之
建築家
-
擁壁底版の上に鋼管杭?
軟弱地盤で中間層が粘性土ですから沈下は起こります。沈下を解消する対策が鋼管杭の選択でした。杭の支持層が換算N値が20であればOKです。北側2.8mの杭と言うのは擁壁の底版の上に杭が有ると言う意味ですよね? だとすれば、これは大問題です。擁壁の計算では載荷荷重として5~10kN/m2(等分布荷重)を見込んでいます。しかし杭のような1点に荷重が集中する状況は想定していません。鉄筋コンクリート構造において此の集中荷重が最大の難敵で設計では基本的に排除します。どうしても集中荷重が排除出来ない場合は其の荷重を分散させることに全力を挙げます。簡単に言いますと「絶対にやってはいけない事」が此処に存在しているのです。これによる結果はまったく見えません。さらに対策も無いと思います。
以上です。 2014.5.16 中舎重之

kentさん
補足です。
2008/07/05 12:58kentさんの(検討中)敷地は、高い方の敷地と考えてよろしいでしょうか。⇒そうです。
(1)のご質問は、鋼管杭先端と図の擁壁底版との間隔が20cmあるということでしょうか。⇒そうです。20cmは固められていないようで、スウェーデン式サウンディング法ではN値2から3でした。
建売で、地盤保証はついておりません。
kentさん (神奈川県/39歳/男性)

kentさん
地盤保証
2008/07/07 09:08購入を検討している物件です。
地盤保証はついておりません。
そのため悩んでおります。
kentさん (神奈川県/39歳/男性)

kentさん
底板の意味
2008/07/08 00:02底板の意味は、L字擁壁のLの底の部分のことを言っております。
そのため、基礎の底板ではございません。
擁壁の底の深さが3mあります。
鋼管杭は2.8mまでで、スウェーデンサウンディング法によると、2.8m〜3.0mはN値3程度の軟弱地盤で粘土層です。
(0〜2mは地盤改良によってN値が5程度になっております。)
要するに、一部が、擁壁の底の上に鋼管が2.8m打ち込まれて(10本程度)いて、
一部が、6m程度まで鋼管が打ち込まれている(17本程度)という状態です。
やはり、このような状態は不安定ですよね?
kentさん (神奈川県/39歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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