対象:住宅設計・構造
木造軸組で2階建てを建築予定です。土地は購入済で建築会社を選定している段階です。請負契約はまだですがいいなと思う工務店で平面図のラフプランをいただきました。内容はかなり気に入っていますが1点不安な箇所があります。土地は北側に6m道路があり他の3方向は隣地です。間口は7m、奥行きは11m、面積は79?、建容は60/200です。縦置きの駐車場が希望でプラン上は1F部分間口5.46m、奥行き7.73mのうち、駐車スペースとして2.27m×3.65m欠きこまれており、2F部分は間口同じで奥行き8.64mで北側に0.91m出っ張っています。よくビルトイン車庫の場合、側面は壁になっているのはよく見かけますが今回のプランの場合2本の柱(鉄骨)とそれに渡す梁(木材)で駐車スペース上部を支えています。この2本の柱と梁で支えるのが強度的に問題ないのか?また鉄骨と木材の梁の組み合わせの相性や接合面、耐震性や風耐力が心配です。ご意見お願い致します。
なみへいさん ( 神奈川県 / 男性 / 34歳 )
回答:3件
1階車庫の木造建物について
ご質問にお答えいたします。プランを見ていないので質問内容からの推測の回答であることをご理解ください。
先ず柱・梁の強度についてですが 柱の位置・断面寸法 梁の支店間距離・断面寸法・材種 持ち出し部分の形態等が不明なので断言は出来ませんが。上部荷重が大きい為 鉄骨を使用していることは間違いないので おそらく問題ないでしょう。
次に鉄骨と木梁の相性ですが 相互の接合部がどのように処理されているかが重要です。一般的には木に穴を開けてボルトを通し相互を固定しますがこの時ボルトが緩まないようにすることが大事です。また梁自体も一般的な乾燥材よりは変形が少なく強度的にも優れた構造用集成材の方が良いでしょう。
最後に耐震・耐風圧について 実はこれが一番問題です。質問内容によると1階面積の約1/5が車庫であり北側の外壁面(道路と平行する)には少なくとも車庫の間口分の開口があるはずです。残りの壁面に玄関ドアがあった場合はこれも開口ですから残った壁は半分以下になってしまいます。
木造建築は水平方向の外力(地震力・風圧力)に対抗する為
耐力壁が必要ですが 1階北側には耐力壁が僅かしか作れません。一般的に木造2階建の場合風圧力の方が大きくなります。本件の場合西面・東面の見付面積(風圧を受ける面積)の方が大きいので東西方向(道路と平行する方向)の耐力壁がより多く必要と思われますので1階北側に耐力壁が少ないのは構造的に好ましくありません。他の部分で補足する場合はバランスが問題です。偏った壁配置は地震や台風の時 局部的に大きな負担をかけるからです。
他にも注意点はありますが大きくはこんなところです。以上のことをふまえて構造的に検討されていれば問題はないと思いますが ご心配であれば第三者に構造検討を依頼されることをお勧めいたします。
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1F車庫部分の構造について
なみへい様はじめまして御質問に答えさせていただきます。
法律的に耐力壁の量だけでなく釣り合いよく配置しなければなりません、平成12年の法改正以降偏芯率(建物の重心と剛芯の位置の違いを割合で表した値)0.3以下、又は建物を4分割しその両端について耐力壁を検討する必要があります。又基礎の断面や柱の引き抜き防止金物の設置等も規定されました。
お書きいただいた内容で建物の判断すると建物を南北に4分割し(7.73/4≒1.932)その北側の範囲に90cm以上の東西方向の壁がどのくらい取れるかが重要になります。
左右に建物がある場合は風圧力が増えることは考られないのでの一般的には無視します。建築基準法は最低の基準を定めた法律ですので安全側に働く用考慮する必要がある考えています。地域によりますが一般的には木造2階建住宅は確認申請時に壁量計算書等の審査はなく設計者に任されています。壁量計算は設計者の義務ですので工務店さんに要求しても良いとおもいます。
2.27m×3.65m車庫や0.91mオーバーハングは先にお答えいただいている方と同様に梁、柱、検討や施工上の注意は必要ですが特に問題があることでは無いと思いました。
巾2.27の車庫はちょっと狭いと感じたので車庫の有効寸法の確認もお勧めします。
回答専門家
- 佐野 靖
- (建築家)
- アトリエ・イグレック1級建築士事務所 所長
住む人の夢を実現し、安心を提供する。それが設計士の仕事です
『何ができるか?』ではなく『何をしたいか?』をまず伝えて下さい。クライアントの夢を様々な条件を加味し具現化することが設計士の仕事と考えています。家はそこに住まう人々と共に変化していくものです。空間としての家作りをご提案いたします。
少し気になる点について
前の回答者の方々で、ほぼ言い尽くされているように思われますが、ちょっと気になった点だけ。
鉄骨と木というのは、基本的には相性の良いものではないので、今回のように2階の荷重を受ける構造上主要な部分で使う場合は、将来の変形などについての対応を考えておいた方が良いと思います。例えば、木が痩せてきた時に締め直せるようにしておくとか。
僕はしたことがないのですが、このような鉄骨の使い方は以前から良くされていた構法ですから、工務店さんが納め方を良くご存知かもしれません。
もう一つ鉄骨を使うという点について。
僕はここ何年も、木造の構造上主要な部分で鉄骨を部分的に使うということをしていないので、最近の役所の考え方を知りませんが、以前の経験では、これは鉄骨と木造の混構造(現在でも厳密には混構造だと思いますが)で、単純な木造2階建てではないとされ、構造計算書の提出を求められました。実際にこのような部分的な鉄骨使用を構造的に解くことは、結構たいへんだと思います。耐久性の問題はあるのでしょうが、最近はこういう部分を木造でされている事例も見受けられます。
工務店さんが、役所とどのように対応されているか、一度確認された方が良いと思います。
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なみへいさん
ありがとうございました
2007/01/14 17:33詳しい回答ありがとうございました。参考なります。
こちらも素人なりに工務店さんに質問をしたのですが、
鉄骨上部は上向きに凹の字状になっており、そこに梁を乗せボルトを通し接合するとの事でした。
そして鉄骨は中は空洞のようですが丸く、厚みが5〜6mmのものを使用するとの事です。
梁も集成材ではないですが、一応今回の負荷を考えて太くしたり、
屋根はガルバニウム鋼板で軽量化を考えているようです。
耐力壁の話は工務店さんも気にしていたようなので計算上数値が出なければ補強を考えている、バランスもねじれ等もあるので均一の強度にしなければ・・・と言っていました。しかし、構造計算は必要ないと言われて、何か具体的に数値化された説明はないのか?と尋ねたら面積あたりの強度(耐力壁や柱の量)と風圧力に耐える為の強度が足りているかの計算のみするとの事でした。
東西方向の見付面積ですが、確かに面積的には南北に比べ大きいですが、東西の敷地にも建物が目一杯建つと予想されますがそれはあまり風耐力の計算とは関係ないものでしょうか?
なみへいさん (神奈川県/34歳/男性)
なみへいさん
ありがとうございました。
2007/01/27 00:42返事、お礼が遅くなり大変失礼しました。
今回はこの鉄骨部を木造の壁とし、一般的な
ビルトインの形変更してもらう事にしました。
本当にありがとうございました。
なみへいさん (神奈川県/34歳/男性)
なみへいさん
ありがとうございました。
2007/01/27 00:44返事、お礼が遅くなり大変失礼しました。
今回はこの鉄骨部を木造の壁とし、一般的な
ビルトインの形変更してもらう事にしました。
本当にありがとうございました。
なみへいさん (神奈川県/34歳/男性)
(現在のポイント:-pt)
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