対象:住宅設計・構造
お世話になります。
神奈川県横浜市の築2年の中古住宅のリフォームを考えています。リフォームの際には2階の暑さ対策も同時にお願いするつもりで考えています。
2点不明点がありますので質問させてください。
前提として、
・場所は横浜市です。
・屋根は寄棟、瓦はスレートです。軒先換気口と棟換気はついています。棟換気は1つ(1板金?)のみです。太陽光発電はありません。
・2階に三菱の排気排熱ファン(V-20MEX3)が2台あります(が、夕方以降に窓をあけて回してもジリジリと暑さを感じます)。
・窓はLIXILサーモス2H Low-E、内窓はAGCまどまど クールベール、屋外にLIXILスタイルシェードがあります。
1.天井断熱材の厚さ
現在天井にはグラスウールのアクリアマット90mm(熱抵抗値2.1、熱伝導率0.043)が施工されています。
断熱材の厚さを2倍、3倍にしたとして、効果(断熱材の厚さ違いによる温度差)を体感できるのでしょうか。
2.後付け遮熱材
温度計を見ていると2階の暑さのピーク時間は20時ごろのようです。屋根や天井断熱材がためこんだ熱が輻射熱として部屋に降り注いでいるため、日没後に暑くなっているものだと思っています。
調べていると垂木間に貼り付ける「風通し銀次郎」や、「ミラスルーひかる」というアルミフィルム付きの遮熱パネルがあることが分かりました。カタログ等で示されているデータを見ると2階の暑さ対策にもってこいに思えるのですが、実際に効果はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
t0kumeiさん
(
神奈川県 / 男性 / 30歳 )
回答:2件
木造住宅屋根の断熱と換気について
東京多摩地域で建築設計に携わっている大沼と申します。
t0kumeiさんのお考えの通り、木造の高断熱仕様化は、RC造に似た温まりにくく冷めにくい家になる傾向にあります。従って、単に天井断熱材の厚さを増やすことは、日没後の暑さ継続を助長する可能性があります。一方後付け遮熱材は、屋根面と天井面と二重に遮熱層を仕込むアイデアとなりますが、空気層の温まった空気が排気されるよう、給排の換気経路がそれぞれに成立していることが必要となります。後付け遮熱材の場合、空気層はあるけれど垂木間で細かく分断され全体として繋がっていず、実は空気が流れないという状況もあり得、必要な換気量とそのルートをどう確保するか、設計者や施工者とキチンと確認することが大事になります。
以上、多少なりともご参考になれば幸いです。
評価・お礼

t0kumeiさん
2023/07/15 17:07ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
回答専門家

- 大沼 徹
- (東京都 / 建築家)
- 大沼建築・環境計画事務所 主宰
人の思いと土地の個性を結んだ、オンリーワンの環境づくり
土地は本来、ひとつひとつ固有の個性を持っています。その個性を求められている用途と結びつけ、周辺環境と呼応した、その土地ならではの空間/環境づくりをめざします。
断熱リフォーム(省エネリフォーム)前のチェック
はじめまして
既に他の先生のご回答により解決されているかと思われますが、個人的に気になった部分に回答させて頂きました。
アクリアマット14K(旭ファイバーグラス)はメーカー仕様を確認すると、通常のグラスウール24Kまたは高性能グラスウール16Kと同等の性能を持つとされてます。
https://www.afgc.co.jp/aclear/aclear_feature.html
アクリアマット厚さ90mmはフラット35基準でも、北海道の木造住宅の壁(大壁)80mm以上の厚みでクリアする数値なので、神奈川県地域の天井基準値35mm以上を大幅にクリアした仕様かと思われます。
また、2階の天井に設置された排気排熱ファン(V-20MEX3)の仕様では、天井面積50平米(約15坪)に1台の目安なので2台という数は天井面積をクリアしているのではないでしょうか。(添付画像)
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/others/advantage_02.html
「では、なぜ2階が暑くなるのか?」
先ず、24時間換気システム(おそらく自然吸気・機械排気の第三種?)の設計時の計算値を図面でチェックしてみてください。
高気密住宅などでは機械吸排気の第一種換気システム仕様などにより、1-2階全体での流量計算をするケースがありますが、第三種換気システムにおいては1階と2階でそれぞれ分けて計算する(排気させる)ケースが多いと思います。
つまり、夏は1階の温まった空気が吹き抜けや階段から2階へ上がり、2階の換気システムだけで通常の空気の入れ替えが賄いきれず熱気が残る原因も一つかと思います。
確認方法として階段の入り口部分全体をビニールなどで遮断すると影響の有無が分かります。
また、屋根の上下方向だけでなく、横方向(南面と西面)の外壁材がため込んだ輻射熱が室内に影響することも考えられます。
既に温度計で2階の室温変化を測定されて素晴らしいと思います。
そこで温度計だけでなく「非接触式温度計」で各部屋の壁・天井の温度を測ることもお勧め致します。
室温以上の熱が石膏ボード面に輻射熱として確認できた場合は、柱や横架材が外壁を通じて熱を持っていると思われますので、外壁面や屋根材を含め「外断熱」する手法もご一考されては如何でしょうか。
築2年という未だ新しい物件で、断熱サッシ導入など初期設計思想は思ったよりしっかりしていると思いますが、施主様の五感と設計者の温熱思考のすり合わせは設計時の打合せが肝心であることを改めて教えられたご質問でした。
ご参考になれば幸いです。
回答専門家

- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
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