対象:ホームページ・Web制作
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今年独立して、現在自社のHPを作成しています。
過去(会社員時代)10年以上にわたり、国内外の超有名ブランドの商品デザインをしてきました。
過去の実績として有名ブランドのロゴ(約30ブランド)をHPの【実績】ページに並べて表記したいのですが問題はないでしょうか?
ぶるーさんさん ( 東京都 / 男性 / 46歳 )
回答:1件
権利関係を確認し、先方の許諾を得た上で表記しましょう
ぶるーさん、こんにちは。ご質問は、過去(会社員時代)に商品デザインをしたブランドのロゴを、独立後の会社のHPに表記することに問題はないか?ということですね
独立し仕事を進めていく上で、営業活動を行っていく際でも、過去の実績の表記は確かに大事ですね。
HPに表記することについては、ケースにより異なりますので一概に違法性の有無を判断することは難しいですが、表記する際には後々、権利所有者とのトラブルに発展する可能性もあり注意が必要です。
以下、ブランドのロゴをHPに使用する際、念頭におくべき権利関係や進め方についてご説明致します。
1.ブランドのロゴの権利関係について
一般的にブランドのロゴの権利としては、(1)著作権と(2)商標権、が考えられます。いずれも知的財産権の一種です。
(1)著作権とは、美術、音楽、文芸、学術など作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利です。著作権の原則的な保護期間は、著作者が著作物を創作した時点から著作者の死後70年までです(著作権法改正により死後50年から延長)。ブランドロゴやデザインの著作権は、判例によって認められるかどうかはケースバイケースではありますが、作成者の権利になります。
(2)商標権とは、自社の商品と他社の商品とを区別するための文字、図形、記号、色彩などの結合体を独占的に使用できる権利です。特許庁に出願、登録することで、商標権として保護の対象となります。商標権の存続期間は10年ですが、更新が可能です。ブランドのロゴやデザインの利用者が商標登録の申請をして認められる権利になります。
ぶるーさんが会社員時代に在籍していた会社で商品デザインを行ったブランドのロゴの著作権についてですが、一般的にロゴの著作権は、特別な取り決めがない限りは、ロゴを作成した「会社」に帰属すると考えられます。また、その会社がクライアント(ロゴの利用者)と著作権譲渡契約を結んでいる場合は、ロゴの利用先が権利を有するケースも考えられます。
そのため、HPにブランドロゴを表記する場合は、そのブランドのロゴを作成した「会社」(以前在籍した会社であればその会社)、あるいはロゴの利用者の利用許諾を得た方が良いでしょう。
2.ブランドのロゴが商標登録されている場合
ブランドのロゴの利用者が、ロゴについて商標登録を行っていた場合、商標権についてロゴの利用者に帰属します。
企業のブランドイメージに関わりますので、ブランドのロゴの出所や、自社と他社の商品を識別できるかなど、その使われ方については登録企業から厳しいチェックを受けるケースも考えられます。
よって、商標登録されていた場合も同様に、ブランドのロゴの商標権の登録企業への許諾を得た方が良いでしょう。
なお、ブランドのロゴが商標登録されているかどうかは、以下のサイトからご自分で確認することもできます。
特許庁:特許情報プラットフォームサービス(J-PlatPat)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage
商標登録されている場合、本来の色や形ではなく、色彩や大きさ(縦横比)を変えて表記すると、企業のブランドイメージにも関わりますので、先方とのトラブルに発展する可能性もあり、表記の際は注意が必要です。
3.まとめ
いずれにしても、ブランドのロゴをHPに表記する場合は、権利関係の帰属をご確認の上、ブランドのロゴの作成会社(以前在籍していた会社であればその会社)、あるいは必要であればブランドのロゴの利用者の許諾を得た上で、HPの実績に表記した方が良いでしょう。
最悪の場合、ロゴの作成会社およびロゴの利用者の双方とのトラブルに発展するケースも想定されます。今後の事業活動を円滑に進めていく上でも、多少手が掛かることがあったとしても、事前に許諾を得た上で、進めていくことが得策かと考えます。
また今後についてですが、ぶるーさんが独立して仕事を行っていく際、会社員時代の実績だけでなく、独立後の活動実績の表記についても、新規開拓など営業活動面でも信頼性の獲得に繋がり、大事になってくるかと思います。
そこで今後は、クライアント(発注元)との契約の際に、商品デザインに関することやブランドのロゴなどを仕事の実績としてHPに記載する許諾(もしくは一定の条件のもとで記載する許諾)を予め得る形で進めていくことも良いかと考えます。
わざわざHPに表記する際に許諾を得るのではなく、契約の際に得ておくと、後々スムーズに仕事を進めていくことができると思います。
最後に、以上のようなことをこれから具体的に進めていくにあたっては、下記のような専門家の法律相談を使うことも一つの方法ですのでご検討下さい。
弁護士会の法律相談センター(東京の3つの弁護士会が運営)
http://www.horitsu-sodan.jp/
法テラス東京(国により設立された法律の総合案内所の東京地区窓口)
https://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/tokyo/guidance/index.html#cmsh01
東京都、各区役所の法律相談窓口の一覧(河原崎法律事務所HPより)
http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/law2kuyaku.html
以上、ぶるーさんの今後の益々の発展を祈念致します。
補足
[参考情報]
特許庁(HP)
https://www.jpo.go.jp/indexj.htm
アイリンク国際特許商標事務所「ロゴは著作権で保護されているという誤解」
https://www.syouhyou-touroku.or.jp/shouhyou-touroku-no-kotsu/rogo-tyosakuken-deha-hujyuubun/
ロゴペディア「ロゴ作成時に気をつけたい著作権。元弁護士に聞いてみた」
https://www.lancers.jp/category/logo/useful-info/1169/
評価・お礼
ぶるーさんさん
2019/02/26 11:48ありがとうございます! ブランドの「ロゴ」ではなくて「名前」だけでしたら問題ないのでしょうか? 応用としてそのあたりもご回答いただけましたら助かりました。
回答専門家
- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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