対象:リフォーム・増改築
外壁の焼き杉板の色落ち劣化に困惑しています。また、今後の対策についてご教示をお願いいたします。
木造家屋の改築時、1階、2階の外壁材に焼き杉板を使用しました。
改築後、3年が経過した時点では、1階の外壁に使用した焼き杉板の色落ちに比べて、
2階の外壁に使用した焼き杉板が激しく色落ちして、外見的にみっともない有様になっています。
担当した工務店さんは、色落ちしても焼き杉板は劣化することはないので、あと3年はこのままでよいと言っています。
しかし、この工務店さんの発言についても疑問を持っています。
私としては、すぐにでも、2階の外壁の焼き杉板を再び塗装して、外見を良くし、劣化防止も行いたい気持ちです。
しかし、そのためには、外壁に足場を組んで、塗装工事をするため、多額の費用が発生します。
わずか、3年でこのような事態になるとは、想定外のことで困惑しております。
工務店さんの説明では、
焼き杉は「ブラシ仕上げ」で、色は塗装では無く、焼いた商品である。
また、焼き杉板の上から、キシラデコールという一般的な塗装をしている。(1回のみ塗装)
Q1.工務店さんが言うように、色落ちしても外壁劣化がなので、早急に対応する必要がない、というのは正しいのでしょうか?
Q2.キシラデコールは、焼き杉板にとっては、最適な塗装なのでしょうか?
Q2.再び塗装工事する場合、雨風に耐久力があり、10年、色落ちしない塗装をするためには、どうすれば良いのでしょうか?
外壁に焼き杉板を使用し、同じような悩みを解決したプロの専門家のご回答をお願いいたします。
補足
2017/12/28 10:15木造家屋の外壁に焼き杉板を使用された工務店さん、建築士さんのご意見およびご感想でも結構です。ご回答の程、よろしくお願いいたします。
shmaさん ( 京都府 / 男性 / 61歳 )
回答:1件
深澤 熙之
建築プロデューサー
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焼き杉板について
深澤 煕之です。
端的に回答させて頂きます。
焼き杉板はご存知のように杉板の耐久性を高める為、杉板の表面を焼き焦がして炭化をさせたものですが、大昔は杉板の状態を見て焼き焦がし丁寧に炭化層を厚めになるように経験のある職人が作ってしていましたので、40年50年経っても綺麗な状態でした。
杉板の施工も杉板の反り方の方向や状態に合わせて、丁寧に杉板を貼っておりました。
現在の焼き杉板は工場で均一に焼き焦がしているだけですので、品質が一定しているようで一定をしていず、それ故、ものによっては1~2年で劣化してくる場合も製品によってありますね。
それ故、焼き杉でない杉板を外壁にしている住宅はたまに見かける事がありますが、まだ、15年20年なのに杉板の表面が乾いてヒビ割れしていたり、湿っているような感じで杉板の繊維が浮いてきているように反ってきている住宅をご覧になられた事があるかと思いますが、最近の杉板は昔みたいに丁寧には炭化差せていない為、同じように杉板を外壁に施工しても色彩が激しく、まばらになる場合があります。
杉の木は水分の成分が多く含んでいるものと少ないものがあり、水分に対して耐久性がある木材を選択する場合、水分を多く含んだ杉板を使用する場合があります。
木材は基本的に充分に乾燥させて強度を高めていく事なのですが雨水がよくかかる箇所では水分を多く含んだ杉板を使用するようになったと一般的に言われていますが、それでも劣化してきますので、杉板の表面を焼きこがして、厚い炭化層を作り耐久性を高めるようにしてきた歴史があるのですが、最近の焼き杉板は工場で作るため経年劣化もまちまちです。均一化していないという事です。
そのような杉板が流通していますので、メンテナンスもいい加減な塗料を使用して塗ると1年以内に剥離してきて見た目がみすぼらしくなっているケースもあります。
また、焼き杉をブラシ仕上げをすると炭化層を削ってしまい薄くなりますので耐久性が少なくなり、経年劣化は早くなります。
ブラシ仕上げは焼き杉板に独特の風合いを出す目的で施す作業仕上げです。(但し前述のように耐久性はかなり落ちます)
このことからキシラデコール溶剤系(油性)やガードラックアクア(水性)水性ですが油性に劣らない耐久性があると言われていますが、耐久性に於いてはさほど変りません。
塗料添付後の耐久性は端的には下地処理が一番大事です。焼き杉板で一番耐久性があるのは素焼き状態で炭化層が厚いタイプです。=塗装しなくても耐久性があるのですが、杉板に限らず木材に塗装を塗るという点でまず、10年以上を持ったという話は見聞きした事は過去からもないです。 塗料で塗るのでしたら、通常の外装材とは違い、木材へ塗る塗料は耐久性は低いのでまずは下地できちんと処理して塗装をしていく事というより5年しか持たないですし、杉板の状態(カビなどの侵食や普及菌などの侵食もありますので、どんなに丁寧に施工しても1年もしくは半年で劣化してきて酷い状態になる事もあります。
ですのでお望みの10年色落ちしない塗装の方法は期待しないほうが良いかと思います。
防虫・防藻・防かび剤が入っている塗料でまめにしていく方法が最善でないかと思います。
それ故、キシラデコールは杉板にはよく吸い込みますので、塗料はかなり使用しますので、
ガードラックアクアのほうは水性ですが色つきはくいつくように付着しますので、この二つで選択するなら、こちらのほうが良いかもしれません。
その他のメーカーあさひペンや日本ペイントなどで防虫・防藻・防かび剤が入っている塗料がありますので、いくつか探されて検討されたほうが良いかと思います。
私は基本的に木材に塗料を塗ると言う事自体は不定的です。理由は木板の呼吸(湿気を吸ったり吐いたり)を止めてしまって逆に木材自信の耐久性を短くしてしまうからです。
また、木材に塗装してもある程度劣化した木板は1年経つ前にきちんと下地処理しても剥げてきますので、木板にやすりで削っても木板の腐食していない部分が出てこなければ、その上にいくら良い塗料を塗っても1~2ヶ月で剥離してきますし、そういった経験は過去、数多く経験してきていますので。
私でしたら、劣化している杉板部分をとって、新しい焼き杉に張り替えます。
これは私の主観で、見た目より外壁の機能として役目を果すメンテナンスの方法として過去の経験から私だったらそのようにすると言う意味ですので、あくまで参考にして下さい。
最後に耐久性のある焼き杉は素焼き状態の炭化層が厚いものです。
ブラシ仕上げはその素焼き状態の焼き杉板をブラシで炭化した部分を削って独特の風合いを出したものがブラシ仕上げですので、当然、耐久性は落ちます。
以上ですが、参考になれれば幸いに存知ます。
深澤 煕之 拝
評価・お礼
shmaさん
2018/01/16 14:40深澤 様
外壁・焼き杉板の塗装の件について、
ご教示いただきありがとうございました。
深澤 熙之
2018/01/16 16:30ご評価を頂きありがとうございます。
(現在のポイント:1pt)
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