対象:経営コンサルティング
海外で、ある日本企業の商品の輸入販売を行おうとしております。
弊社が総代理店として日本から仕入れ、それを契約の販売店(Dealer)に卸す、
という販売形態を考えております。
※この場合、弊社をDistributorという言葉でくくって良いのかどうか、
定義が曖昧ですが・・・
その場合、弊社が一般的に負うべき役割、リスクはどんなものがあり得ますでしょうか。
また逆に仕入れ元(日本のメーカーや輸出会社)、販売店が追うべき役割、リスクはどんなものがあるでしょうか。
マージンや業務体制、責任所在を決める為に教えて頂きたく
宜しくお願いいたします。
補足
2015/08/20 19:29説明不足の為、補足させていただきます。
総代理店、販売店、または売主との役割/責任分担の関係で、例えば
発注責任
在庫責任
価格決定権
商品ラインナップ選定
販売促進プラン
など、発注~流通に掛かる一連の流れの中で、
どういった役割があり(また、一般的に総代理店はどういった役割を果たすべきか)、
その手間暇やリスクの大きさを勘案した上で、
各関係者のマージンを決めて行こうと考えております。
契約形態や取扱商品によって状況も様々かとは思いますが、
一般的に販売総代理店はどの様な業務分掌があるのか、
ご教示いただきたく、重ねてお願い申し上げます。
KZyukiさん ( 愛知県 / 男性 / 35歳 )
回答:1件
商品によって異なる役割やリスクが存在するはずです
化粧品薬事を中心に業務を行っている行政書士です。
海外から日本への化粧品輸入ビジネスに関する法手続きの支援やコンサルティングが中心ですが、一方で逆に海外への化粧品の輸出に関する相談やコンサルティングも行っております。
質問者様がどういった商品を扱われるご予定なのかがわかりませんので、差し当たり化粧品を例にとりまして、ご質問された内容に回答させていただきます。
化粧品という、直接肌に使用するという商品の特性上、万が一危険な成分が含まれていたり、或いは使用方法を誤ったりすると重篤な健康被害が生じるおそれがあることから、日本を含め各国は、商品を国内に流通させるためにかなり細かい書類手続きを課しています。
細かい規定は各国各地域で異なりますが、必要手続きは概ね、ヒト(業者)、ハコ(商品の受入体制、倉庫等)、及びモノ(商品自体の品質や安全性)の3側面に大別されると思います。
ヒトやハコについては、日本では化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可といった許可を取得していなければそもそも商品を受け入れることはできませんし、それ以外の国においても制度や名称は違えど、同じような許可の制度がある場所もあります(許可は不要という場所もあるようですが)。
ですので、質問者様のような、distributorとしてまず商品を国内に受け入れる立場の場合、こういった許可廻りの書類手続きを経ておく必要がありますし、それが役割となるでしょう。一方で、無許可である場合、商品の回収や刑罰(罰金等)といったリスクと常に隣り合わせ、ということになるでしょう。
モノ(商品の品質や安全性)の担保も非常に重要です。
やっかいなことに、化粧品の場合、成分に関する規制が国によって全く異なります。
つまり、日本国内では全く問題なく流通可能な商品であっても、例えば米国に持って行った場合、米国では禁止成分とされている成分が含まれているため、即回収、という事態にも成り得るのです。
したがって、日本から輸出する前に、輸出相手国の化粧品規制を入念に調査して、その規制に抵触しない成分で商品が構成されているか否かをチェックする必要があります(もし抵触する成分が入っている場合、それらを除くなどの対処をする必要があります)。
この役割は、むしろ輸出元となる日本の業者が負うべき役割、ということになるでしょうね。
以上、化粧品を例にご説明しましたが、どのような商品であれ、輸入して流通させるためには何らかの手続きを経る必要があります。特にその商品が、使用方法次第では人体に危害を及ぼしかねないものであったり、兵器に転用が可能なものであったり、或いは無秩序に輸入することがその国の経済事情に多大な影響を及ぼしかねないもの(農作物等)である場合、書類手続きはさらに複雑なものとなるはずです。
輸入ビジネスをなさる際、そういった書類手続きの手間や付随するコスト(代行するような場合)と輸入開始してから生じうるさまざまなリスクを、その商品の販売ビジネスが生み出してくれる価値としっかり天秤にかけて、意思決定をなさると宜しいかと思います。
以上、長文失礼いたしました。
一つでも何か参考にしていただければ幸いです。
評価・お礼

KZyukiさん
2015/08/20 19:17岡村様
丁寧なご回答ありがとうございました。
品質リスク等について、よくわかりました。参考にさせていただきます。
質問時の説明が足りませんでしたが、
弊方の気がかりになっていたのは発注、在庫、価格決定などの役割を
誰がどう負うべきか、という一連の流れでした。
改めて補足事項に追記させていただきます。
回答専門家

- 岡村 陽介
- (東京都 / 行政書士)
- サニー行政書士事務所
英語に強い!化粧品薬事専門の国際行政書士
約10年間英語を活用する仕事に従事した経験があり、化粧品輸出入等の海外対応、海外の化粧品法規制の調査などに強いです。また、書類数が多く煩雑な化粧品薬事申請についても、常にお客様視点で問題解決を模索し、きめ細やかなサービスを心掛けています。
岡村 陽介が提供する商品・サービス
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング