4畳のキッチンは狭すぎますか？

スタジオドゥカの畔柳です。

キッチンの広さは、それを使う人の好みによって感じ方がずいぶん違います。

そして、キッチンの広さを畳の枚数で考えるのではなく、実際どう使うかでお考えになって、打合せをしている設計者（？）とご相談になると良いと思います。

私は個人的には、キッチンの中で３歩以上歩きたくないので、通路の幅を必要最低限（カウンター下の扉を開ける事ができ、冷蔵庫等が通るぎりぎりの広さ・・・買い替えの時に出し入れできる）が好きなのですが、人によっては、広い方が好きで、キッチンの中で歩き回りたいという方もいらっしゃいます。

また、キッチンに入る人の人数によって、プランニングそのものが変わったりします。大人が複数入って、シンクやクックトップ前で作業している人の後ろを他の人が通過する可能性がある場合は、その作業している人の肘を通る人が間違って押したりすると、危険な事も考えられます。（包丁を使っている腕を押してしまったり、火が付いている時に作業している肘を押したりは、危険です）

今回は、冷蔵庫は入口近くに置きたいという事のようですので、入れ替え時の通過は考えなくて良さそうですが、もし、作業中に勝手口を人が出入りする様な事が考えられるのでしたら、カップボードとキッチンの間の幅は、最低限ではなく、人が通れる幅を考えた方が良いかもしれません。

カウンターの長さも、実際にそこに置くものを検討してお決めになると良いと思います。例えば、電子レンジをカウンタートップに置くのか否か、コーヒーメーカー等の電化製品は？、炊飯器とかトースターとかジューサーミキサーは？フードプロセッサーは？等も考える必要がありますし、食器洗い機をカウンターの下に入れるビルトインにしたいか、あるいはカウンター上に置くタイプにしたいとか、まず、そこをご検討になる必要があります。

そういった事から、キッチンの広さをご検討ください。

原寸で考えましょう。畳のお部屋に新聞紙の切り紙を並べて原寸で体感いたしましょう。テーブル椅子余白が実感できますよ。図面で考えずにやってみてください。

対面式キッチンでの最少幅の寸法を記します。
カップボード４５０＋炊事スペース６００～７５０＋シンク６００＝１８００ｍｍ。
タタミの１帖の長さです。キッチンの奥行きを２間とすれば、タタミ４帖が標準です。
木造住宅の設計では、長さ２間を標準寸法の基本におけば、収まりが良いでしょう。

今回の場合も東側に４帖のキッチン＋西側にＬＤ１０帖にすれば、
南北方向が２間、東西方向がキッチン１間（４帖）＋ＬＤ２．５間（１０帖）＝３．５間と
スッキリと無駄なく収まります。
空間を最大限に有効に使用する事が、建築のコストを下げる最も良い方法です。

２０１５．３．６ 中舎重之 Ｆａｘ：０４６－２６３－９３２４

東京で設計事務所をしております、伊藤と申します。

キッチンは実用性が大事なので、細かい寸法の話になってしまいますが、面積ではなく長手・短手のそれぞれの長さで考えるべきです。

まずご説明にある「勝手口」から「LDKに入るドア」までの距離は2間（3640mm）と考えて宜しいでしょうか？
その寸法でしたら問題ないと思いますので、その前提で話を進めさせていただきます。

4畳というと2間×1間のキッチンという事ですから、キッチンの短手は1820mmですね。
通常これは芯々寸法と言って、壁の厚さも入っていますから、有効寸法で言うと1700mm弱です。
カップボードが450mm、キッチンカウンター奥行が600mmとすると、その間で人が動くスペースが650mm弱になってしまいます。
メジャーでこの寸法を測ってみて、体感してみて下さい。
650mmという寸法は、無謀とまでは言いませんが、毎日の生活の中では不便に感じる幅だと思います。低いところの物の出し入れをする時など相当ストレスに感じると思います。
またカップボード450mmにした場合、冷蔵庫の前面が出っ張ってしまう形になるので、そこでキッチンカウンターとの間の有効幅が局所的に狭くなってしまうのも気になります。

実用上はカップボードとキッチンカウンターの間は800mm程度は必要になります。
またカップボードの奥行を600mmにすれば、冷蔵庫の前面とはそれほど段差が出来ず、キッチンから他の場所への出入りも無理が無くなります。
そう考えるとキッチンが2間×1.25間（2275mm）＝5畳の方が望ましいと思われます。

空間全体としては、吊戸棚なしの対面キッチンにすることでどちらの場合も14畳のLDKという広さはある程度感じられると思います。
その中で、無謀とまでは言えないが不便なキッチンで我慢するのと、DKの広さを我慢するのとどちらがいいか、ということになります。
キッチンは日々の生活の中で最も使い勝手を考えるべき場所です。せっかく新築されるお住まいで後悔なさらないことをお祈り致します。