対象:住宅設計・構造
こんにちは。
築7年の2×4住宅を購入しました。
一階に和室とリビングがあり、壁で仕切られていたため、壁撤去のリフォームを行います。
壁量計算の書類が残っており、一部分が耐力壁になっているのでとれない、と言われましたが
実際現場にいって壁紙をはがしたら両面石膏ボードなので耐力壁ではない、撤去できますとのこと。
しかし、ネットなどには室内は両面石膏ボードの耐力壁があると書いてあり、本当に撤去してよいか不安です。
石膏ボードの壁は撤去可能なのでしょうか。
また、一階床に数ミリの傾き(一階は60平米程度)、天井にはたわみがあると言われました。
今後家が傾いてきたりしないか、強度は大丈夫か不安ですが、何か補強などを頼んだ方がよいでしょうか。
さいきさいかさん ( 三重県 / 女性 / 40歳 )
回答:2件
中舎 重之
建築家
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2x4の家とは
2x4の家は、本来 緯度45度より北で使用される工法です。
日本でいえば、東北・北海道には適合しますが、東京から西には向かない建物です。
高温多湿の地域では、建物の耐用年数が20年とされています。
築7年なら、残り13年は、そのまま住まわれる事をお奨めします。
耐力壁の話です。
2x4工法の内壁には、両面石膏ボードの耐力壁は常用されています。
三重県に、今後13年間に地震が起きなければ、耐力壁の撤去もOKです。
これからの地震は東南海地震と云う マグニチュード8.0クラスの巨大地震が予想されます。
地震に強いと言われている2x4工法から、建物中央の頼りになる耐力壁を抜く事には反対です。
2x4工法の場合、撤去した耐力壁に替わる補強方法が皆無なのが現状です。
重ねて言います。 2x4工法の家には、どの様な改造も不可であると考えて下さい。
以上です。 2014.3.3 中舎重之
評価・お礼
さいきさいかさん
2015/03/05 17:05質問後すぐに回答をいただきありがとうございました。とてもわかりやすい回答で、助かりました。
中舎 重之
2015/03/05 17:30折角の改造計画に、水を差し申し訳なく思っています。
住み安さより、地震時での建物の安全を優先した意見でした。
当方は神奈川県で、木造住宅の耐震補強設計を業務としています。
同じ木造建築ですが2x4工法は、在来軸組工法とは、まるで違う工法です。
木造住宅の耐震補強の業務を始めて、19年目になりますが、
確信が持てる2x4工法の補強方法が、いまだに見付けられません。
プロとして、悔しさで一杯です。
2015.3.5 中舎重之
木下 泰徳
アップライフデザイナー
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石膏ボードだから耐力壁ではないとは早計に過ぎます
こんにちは。アップライフデザインの木下と申します。
2×4住宅は、別名「枠組壁工法」といって、壁耐力によって地震や風の力に対抗している建物です。そして両面石膏ボードの場合も、十分耐力壁として評価している可能性があります。石膏ボードだから耐力壁ではないとは、あまりに早計に過ぎます。
もし、壁の撤去を考えられているのであれば、壁量計算の書類をもとにきちんと現場調査をし建物の性能を評価するべきです。その壁を撤去する代わりに他の部分に耐力壁を設ける必要が出てくることもありますし、撤去できないこともあります。さらに全体の耐力壁のバランスも考慮する必要もあります。
また1階の床の傾きはどの程度なのでしょうか。一般に6/1000(1メートルで6ミリ)以上の傾きがあれば問題ありと考えます。1階ということは2階にはさらに傾きがある可能性が高いです。その場合は、床下の腐朽・腐食、地盤沈下などの調査が必要です。
いずれにしても、専門家の調査をもとにリフォームをされることをお勧めします。
評価・お礼
さいきさいかさん
2015/03/05 17:08すぐに回答をいただきありがとうございました。教えていただいたことを元に業者と話し合い、耐力壁はそのままにすることになりました。傾きについては近々機器を用いて測定してもらうことになりました。
(現在のポイント:-pt)
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