対象:住宅設計・構造
はじめまして、木造耐火構造の3階建を建築中なのですが
構造材はすべて集成材を使っています。土台と大梁はレゾルシノール系(JASの使用環境A)で
柱や小梁はイソシアネート系(JASの使用環境B)で構造合板はJASの特種です。
屋上があるので屋根というのは階段室の塔屋部分だけでして
金属防水のスカイプロムナードで施工しました。
集成材のレゾルシノール系についての耐久性はある程度安心しているのですが
イソシアネート系の集成材ですが長期の耐久性については
レゾルシノール系と、どの位の差があるのでしょうか?
実は建築中(上棟後直ぐ)に建築会社側にトラブルがあり、工事が中断したまま
養生もしないで12日間もほったらかしにされてしまいまして
その間に、梅雨でもないのに4回位雨が降ったりやんだりを繰り返し
雨ざらしになってました。こちらから「おかしいのでは?」と注意をしたのですが
何故か、はじめは屋上の構造合板の上だけにブルーシートを張り、その他
柱や梁などはそのままで(建物を全て覆うような養生は大変だからと言ってました)
ですが、また雨が降りますけど大丈夫ですか?と言ったらようやく建物を
ブルーシートで覆ってもらいました。屋上も防水施工前だったので足場を利用して
屋根のようにシートを被せ養生してもらいました。
不安になったのが、建築関係の友人達から「集成材は雨ざらししてはダメだよ」との
意見が多数あり、自分でネットで調べても、短期の強度は試験結果でも大丈夫らしいのですが
長期の耐久性については剥離などが起こるかもしれないと、レゾルシノールよりは弱いから
との情報があったので将来的に心配です。
しっかりしたハウスメーカーさんだと思っていたのですが、集成材などの知識不足なのか
それとも施工管理の認識違いか、「全然問題ありません大丈夫です」と言ってます。
しかし、最初に養生したと言っても、屋上の合板だけ養生しているところなど
本当に集成材や構造合板の知識があるのかな?と疑問に思います。
質問が長くてすみません。。。
このような状況でこの先40年~50年も本当に大丈夫なのでしょうか?
生涯で1番高い買い物です。車などと違い買い替えなど出来ません。多分、生涯かけて
住宅ローンを支払っていくでしょう。その旨、建築会社さんには伝えたのですが
分かって頂けてないようです。すみませんよろしくお願い申し上げます。
お庭でBBQさん ( 東京都 / 男性 / 47歳 )
回答:1件
深澤 熙之
建築プロデューサー
1
集成材レゾルシノール系とイソシアネート系の比較
お庭でBBQ様
深澤 煕之です。別の質問の回答をさせて頂いたものです。
レゾルシノール樹脂接着剤は確かに50年以上の実績があり、約40年前の皇居新宮殿の建築の際に研究をされ、耐久性に於いて実績済です。
イソシアネート系樹脂接着剤はレゾルシノール樹脂接着剤との実験では初期段階の実験ではさほど変らない実験データーでレゾルシノール樹脂接着剤に劣らない実験データーなのですが、確かに耐水性には弱いみたいで
ある健康住宅を謳い文句にしている会社が独自に木材に水分を浸した状態で1ヶ月~40日位の実験データーの結果比較ではレゾルシノール樹脂接着剤の集成材はわずかな剥離が生じた位だったのですが、イソシアネート系樹脂接着剤の集成材は完全に木材と接着剤は大きく剥離ししているという結果であきらかに耐水性は弱いということを実験されている会社もあります。
きちんと湿気対策がされた状況であれば、30年間はレゾルシノール系の集成材と変らない実績がありますので、集成材の保管、取扱いに雨水などに濡れないように養生をする事は必須です。
これはあくまで接着剤の耐久性の実験データーですので、主として木材に関してはどちらも同じ木材でどちらも湿気や水分の触れる箇所に長い期間置いておけば、木材自身が腐食し劣化していきますので、
どんな木材でも住宅の地面にそのまま寝かせておけば、その間雨の天候が多い時期であれば、2ヶ月~3ヶ月位で白蟻が木材にべったり食われています。
レゾルシノール系の集成材であっても耐水性に強いと言っても雨水に浸されないように養生シートで保管に気をつけなければなりません。それを養生もしないでおいておくのは建築会社、ハウスメーカーとしては失格ですし、その建築会社は基本がなっていないですね。
一般消費者には不安を持たれないようにプロとして、気を使うべきです。遠慮なく、強く言いましょう、本当に木材の事をわかっているのですか?・・と施主様の所有物ですからね。大事に扱ってもらないといけません。大事な財産です。あまり聞いてくれないようであれば、濡れていないものと交換してくれとと内容証明書で通知して訴えるという方法も効き目があるかもしれませんね。水分に弱い木材を雨ざらしにしないで下さい、養生してくれと言っても聞いてはくれませんし、最低限専門家として養生をしないのは製品を雑に扱うのと同じですし、将来不良品になってしまう危険性がありますのできちんと役務を果たしてください。というような内容証明を送っておけば、証拠書類として請負会社に訴えた証拠になりますので。。。
木材をそのような扱いをする建築会社はその他の工事もどのような心がけで工事をしてくれているのか?心配になってきますようね。 優秀な職人、現場監督は道具や材料をきちんと整理整頓保管、段取り及び手入れ掃除は全体の工事の中で70%実際の工事の作業は30%だと私は常日頃職人に指導をしています。だからこそ施主様から良い仕事をしてくれたと喜ばれるんですようね。いいし仕事する職人は本当に道具と材料は大事にしますので。
40年50年木材を持たせるには住宅の湿気対策が重要ですね。私は湿気対策、雨漏り防止、雨漏り欠陥住宅の改善リフォームの専門家ですので、外からの雨水と湿気には敏感に感じます。まして住宅内部の湿気対策がなっていないと鼻むずむずの花粉症の症状がすぐに出てしまう体質ですので余計に敏感なのでしょうね。
今後の建築会社との打ち合わせや交渉事は録音とメモも残して記録日記として残されたほうが良いと思います。
レゾルシノール樹脂接着剤の集成材であっても保管は養生シートにする事は必須事項で建築会社の最低限責務を果す義務の役務事項ですから。。。
補足
捕捉として
イソシアネート系樹脂接着剤は水分のないところでは接着力も強く、レゾルシノール樹脂接着剤とは同等の耐久性があります。イソシアネート系樹脂接着剤は水性であるが故、水分を含む柔らかくなる性質ですので、耐水性は低いという事はわかるのですが、ホルムアルデヒドを含まないというメリットもあるため、住宅内部とか湿気の少ないところで使用すれば40年、50年と耐久力はあると思われます。
評価・お礼
お庭でBBQさん
2018/01/13 06:54深澤さま
大変丁寧なご回答ありがとうございます!
施工会社は東京で、ある程度名の通った木造ハウスメーカーのフランチャイズでして
年間40棟以上の施工をされているので安心して任せていたら
この有様でした。今後どの様に対応していただけるのかを協議していくつもりですが
あまり問題視していない様に感じます。このまま何事も無かったかの様に
引き渡しされても納得がいかない為、雨晒しの様子を動画などに記録した資料や
先方との対話なども録音し、後はネットからの資料や一般論などを意見書として作成して
施工会社に問いかけてみようと思います。
深澤 熙之
2018/01/13 12:05そうですね。おっしゃるような感じで記録にとっておかれたほうが良いかと存じます。
ご評価ありがとうございます。
(現在のポイント:-pt)
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