対象:会計・経理
回答:1件
教科書どおりに回答すれば、Noです。しかし・・・
こんにちは。
タイトルの通り、「住民票のある自宅が兼事務所であり、実家に帰ることに係る費用は事業とは無関係。そのため経費ではない」ということで、教科書通りに言えばNoです。
しかし、「住民票は移していないが、高齢の親の面倒を見るために寝泊まりは実家でしており、居住の実態は実家にあった」「そこから事業所への交通に係る費用であるため、事業の経費である」と主張するという手段も考えられます。
ただし、これが認められるか否かは税務署の方でない限りわかりませんし、かといって「これは経費として認められるのか?」というスタンスで税務署に相談した場合、基本的には否定的な目線で来るでしょうから、Noと言われる気がします。
このように、認められないかもしれない経費を計上することを「税務リスクを負う」と表現しますが、相談者様がどの程度の税務リスクを負うか?というポイントは、これに限らず経費計上するにあたって必ず付きまとうこととなります。
税務リスクについては、法人の場合はそうもいきませんが、個人の場合は「よほど売上が大きくない限りは、自営業者に税務署からチェックが入る可能性なんて低い」「よほど悪質でない限りは、チェックが入ったとして指摘されたら直せばいいだけ」「必要以上に過敏になって経費計上しない方が損」という人もあり、税務リスクの捉え方は様々です。
このケースで、もし税務リスクをできるだけ減らすことがご希望であれば、住民票をご実家に移し、現在のご自宅は100%事務所であるという扱いにしては如何でしょうか?
そうすれば、一般的に自宅兼事務所とした場合は、家賃や光熱費は事業で使う比率でしか経費に出来ないところを100%計上でき、ご相談内容の交通費も計上できるかと思います。
事務所(現ご自宅)で寝泊まりすることもあるかと思いますが、仮にそれを指摘された場合は、徹夜で作業し仮眠をとることがある等のコメントで問題ないかと思います。
ご参考までに。
評価・お礼
とれたてまぐろさん
2013/07/27 10:06田中様
こんにちは。
丁寧なご回答、ありがとうございました。
「税務リスクを負う」という概念については、あまり認識していなかったため、
勉強になりました。
ご指摘のとおり、住民票を実家に移すのが良いということは承知しているのですが、
様々な理由により、それはそれでまた支障が生じるため、現在の形を取っています。
私も、最初は、交通費の差額などは、そこまで大きな額ではないので、すべて自宅(事務所)を起点にして計上しようかと思っていました。
ただ、先日、事業に関するセミナーに参加したときのことです。
そのときは、実家から会場まで往復しました。
交通費について、帳簿に記録を残すために、自宅(事務所)からの交通費を調べ直しました。
そのときに、実際に払った額と違う額を記載することに、違和感を覚えたのです。
今回は、実家からセミナー会場までの交通費の方が、自宅からよりも高かった(実際に支払った額の方が、帳簿に経費として記載する額よりも高かった)ので、問題はないと思うのですが、もし、逆に、仕事に関する交通費が、実家からの方が自宅からよりも安かった(実際に支払った額よりも、帳簿に経費として記載する額が高くなる)場合は、支出を過大に計上したことにならないだろうか・・・と心配になったのです。
田中様が書いてくださったとおり、最終的には税務署の方に聞かない限り、はっきりしたことはわからないと思いますので、まずは、きちんと記録を残そうと思います。
税務署に聞く前に、専門家の方の意見が聞けて、良かったです。
ありがとうございました。
回答専門家
- 田中 紳詞
- (東京都 / 経営コンサルタント/ITコンサルタント)
- 株式会社Exciter 代表取締役/主席コンサルタント
業務システムからモバイルまで、IT業界の無差別格闘家
専門はSAPなどの業務システムとコンサルティングですが、それに限らず企業にとって必要なITとその活用を考え、幅広い分野の経験を積んできたと自負しております。ITには多くの分野がありますが、一面ではなくトータルで勘案したプロの仕事をお届けします。
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