対象:住宅設計・構造
鉄筋コンクリート造りの平屋(中古物件,のべ床面積90m2,H3建築)があり,購入を検討しています。土地は350m2です(第二種住居地域)。
当該物件はある会社の社宅だったようで,4LDKですが,なんら個性がなく,坦々とキッチン,居間,部屋,フロ,トイレが並べてあるといったイメージです。
この建物に住んでいた人が分かり,居住性等をきいてみたところ,次のとおりでした。
・夏は暑くて,冬は寒くてたまらなかった。コンクリート造りの影響か。
・結露とカビが酷かった。特に,結露は夏でも発生していた。
・広々としており,外観はよかったが,「暑くて」「寒くて」「結露」に「カビ」は酷かった。
このような物件について,どう思われますか。
周辺の環境は優れているので場所はたいへん気に入っているのですが,修繕とかリフォームとか結構費用がかかりそうですね・・・
別の場所で新築を考える方がよいのかなあ。
なにかアドバイスいただける方,費用面を含め,どうぞよろしくお願いします。
困ったヨッシーさん ( 広島県 / 男性 / 49歳 )
回答:2件
RC造の断熱
横浜駅の近くで開業している設計事務所です。
RCは断熱がきちんとしていないとそのような状況になります。
・夏は暑く、冬は凍えるほど寒い
・結露が酷い、特に夏型の結露がある
RCは躯体の熱容量が大きいので、夏に太陽に熱せられる、冬に寒風で冷やされる、とその温度が室内に直結してしまいます。
打ち放しの表情を楽しむ建築などの場合は、それを覚悟して我慢するお洒落さんになるか(笑/でも本当にそういう方もいらっしゃいます)、床暖房と強力なエアコンを備えるなどをして設備で賄うかが必要になります。
それでも問題なのは夏型の結露です。地下室でも見受けられますが、躯体が夜に冷やされていたりすると、夏の湿った暖かい空気が入る事によって結露する状態です。
夏に結露すると、とたんにカビが発生してしまいます。
対策としては、夏は窓をなるべく開けないで除湿を常時する、という事になります。結露が生じると、窓をあけて換気をしたくなりますが夏は湿気を呼び込む事になるのでよほど風が流れていない限り逆効果です。
その家は、無断熱なのか断熱が極端にされていない状態なのだと思います。
そして困ったことに、断熱を補強するのは簡単なリフォームでは難しいです。
スケルトン状態にして吹付け断熱をするか、外断熱のように外壁をすっぽり包む改修をするかになり、どちらも大工事です。
上記のようなリフォーム以外の対策をしてしのぐという手もありますが、いろいろ気を使う事にはなると思います。
大規模なリフォームをする、工夫でなんとかしのぐ、という選択が無理そうなら諦めるしかないかもしれません。
<あーす・わーくす http://office-ew.com>
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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海田 修平
建築家
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断熱に欠陥があるように思います。
鉄筋コンクリート造の平屋で、個性がない建物というところが、
逆に魅力的に感じますね。
費用はかかりますが、リノベーションで良くなりそうな気がします。
一番心配なのは、暑さ、寒さ、結露ということですが、
この原因はまさに断熱の不足です。
近年は、次世代基準といって、断熱材の量が20年前の倍以上が標準になりつつありますので、
屋根と壁の断熱、更には断熱仕様のサッシにすれば、快適に過ごせるのではないかと思います。
少なくとも20年以上経っているので、屋根は防水を含めた補修が必要だと思います。
壁については、内装の仕上げと断熱材を剥がして断熱補強して再度仕上げる必要があります。
おそらく、構造体だけを残したスケルトン状態にすることになると思います。
構造的な検討も必要でしょうし、解体の費用もかかりますので、
金額はあくまでイメージですが、木造の建売り住宅を買うくらいの金額になると思います。
しかしながら、建売り住宅にはない環境を買うと考えることもできるのではないでしょうか。
(現在のポイント:-pt)
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