対象:リフォーム・増改築
築45年の木造住宅を購入し、リフォームをすることとなりました。
新築では少ない、平屋であることと、和風建築に惚れて購入したわけですが、「夏を旨とすべし」という造りで、冬場は非常に寒くなっています。
そこで、部分的に断熱施工を依頼しました。リビングダイニングと寝室に床、屋根、壁と断熱施工を依頼しています。
今回ご相談したいのは広縁の断熱についてです。
広縁は庭に面していて、10畳あります。L字で、6畳南向き。4畳で西向きの広縁です。
西向き広縁にはトイレ、洗面所浴室、洗濯室。そしてリビングと寝室を結んでいる渡り廊下のような形になっています。家全体はH型になっています。
広縁は開口部は木製建具、上部には欄間、欄間の上は丸太様の昔ながらの広縁。床はピロティ―のようになっており、天井も板一枚です。
非常に趣もあるのですが、西向き広縁は生活動線にもなっているので、断熱施工をしたいとも思うのですが、広縁10畳を全て断熱施工するには予算の問題と、意匠の問題の狭間で頭を悩ませています。施工会社の方とも話し合いをするのですが、お互いなかなか良い案が浮かびません。
広縁は外と理解したいところですが、生活動線というのが困ったものです。
生活動線である4畳西向き広縁を断熱(床、天井、開口をペアガラス)したとしても、6畳南向き広縁から冷気が流入して意味がないようにも思います。
広縁を分断することも考えてはいますが、せっかくの長い広縁という思いと、間仕切りに上手いデザインがない様子です。
二律背反する考えを全て満たすことは難しいのかもしれませんが、経験豊かなお知恵で、良いアイディア、落としどころが見つかればと思っています。
長文になりましたが、よろしくお願いします。
ごーしゅさん ( 奈良県 / 男性 / 38歳 )
回答:2件
三竹 忍
建築家
3
大切にしたいですね
ごーしゅさん
初めまして、M設計工房の三竹忍と申します。
良い感じの古民家のようですね、見てみたいです。
ごーしゅさんの希望する回答にならないかもしれませんが、
私は、築100年の数奇屋住宅の修繕をさせて頂いています。
その家で暮らしている人の話しを少し。
ごーしゅさんと同じように
古民家を愛し、昔の状態のまま修繕をしながら、
夏は涼しく、冬は寒く、暮らしています。
ですが、リビング、キッチン、洗面所、お風呂は
床に断熱材と床暖房を入れて冬への対策はしました。
壁、天井に断熱材は入れておりませんが、床暖房のおかげで暖かいです。
ごーしゅさんの気にされている広縁や生活廊下に対しては、
100年前のままの状態で暮らしています。
そこは、とても素敵な空間であり、非日常的な場所が広がっています。
昼間は太陽光が入りますので暖かいですが、夜や雨の時はとても寒いです。
雨戸を閉めて、暖房器具を常に可動させて温度差をなくすようにしています。
今の高気密高断熱の家からみると、ものすごく寒い環境で、
ご家族の理解がないととても暮らしていけないと思います。
室内温度差もありますので、健康面でも気をつけなといけません。
広縁の対策ですが
断熱リフォームをしない場合の対策としては、
1.光熱費を気にせずに、置き型暖房を設置し、朝、夜、常に可動させる
2.窓際に障子を設け、全部、引き込み式にし、
障子紙を断熱性のある障子紙風のものをはることで、窓面の断熱性が上がります。
3.最低限のリフォームで、床に断熱材と床暖房を設置して、
輻射熱で窓、壁、天井の冷気を和らげる
南と西を分断する場合の対策
1.障子や襖で分断する方法。
障子を引き込み式に設置して、南か西どちらかに、
全て引き込めるようにし、雰囲気や開放感を損なわないようにする
障子紙の代わりに断熱性のある障子紙風のものを使うと
断熱性はあがると思います。
2.落とし掛けをつけて障子風のロールスクリーンなどを設置する。
勾配天井の部分は、ガラスをはめ込み透明感を保持する。
大切にして、永く愛される家であるといいですね
参考になれば幸いです。
M設計工房 三竹忍
評価・お礼
ごーしゅさん
2013/01/19 11:13三竹様
ご丁寧な回答、ありがとうございました。
基本姿勢として、古民家の良さを愛する姿勢が大切であると感じました。
いただいたアドバイスはどれも意匠と古民家の機能に配慮されていて、かつ現実的であると思います。
このリフォームのタイミングでなくても出来るものもたくさんありそうなので、実際に住んでみて、寒さとどの程度付き合えるかを判断してからでも良いかなと感じました。
日本人が大切にしている佇まいを出来る限り残していこうと思います。
ありがとうございました。
三竹 忍
2013/01/19 12:13ごーしゅさん
こんにちは。
古民家など古き良き佇まいが少なくなってきていますので、
大切に永く住まわれてください。
良い家になりますように
M設計工房 三竹忍
曽根 省吾
一級塗装技能士
2
断熱塗装
広縁の断熱に苦慮しているそうですね。
ご質問とはすこし違いますが、外壁と屋根の断熱もされるということですので、塗装での断熱方法もあるということも知識として知っていただいても損はないと思い、参考として明記しておきます。
こちらをご参考していただければと思います。
http://www.tosoushokunin.com/
以上、良い工事をなさってください。
評価・お礼
ごーしゅさん
2013/01/19 11:18曽根様
ご回答ありがとうございます。
さっそくHPを拝見いたしました。
断熱塗装というものがあるんですね。初めて知りました。
今回のリフォームに適応できるかどうか、施工業者の方に尋ねてみようと思います。
ありがとうございました。
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