対象:遺産相続
母一人に二人の姉弟です。母親は父の残した家屋に一人で、姉夫婦は近くに、私は地方に住んでいます。母親が死に、遺言が出てきたのを姉から知らされたのですが、生前の約束と違い、土地建物は姉に、別荘を私にと言うものでした。
その価値差はほぼ1/10くらいです。他には1冊の預金通帳以外何もないと言うので不審に思い調べてみるとカブを生前に姉のものにする、と言う遺言を出してきました。
しかし実態は遺言の日付よりも前に母が投資信託にしていたものも持って行って、自分のものとして協議にも応じようとしません。
そこで質問ですが、生前贈与と言うことでカブあるいは投資信託の分を土地建物の額から差し引くことはできないでしょうか?また家屋に関しても建築費をかなり私が負担したのですが、これを取り返すことはできないでしょうか。
補足
2012/09/09 01:02遺留分相殺は一応行いました。
コブラおじさん ( 千葉県 / 男性 / 64歳 )
回答:1件
平 仁
税理士
-
特別受益と寄与分
コブラおじさん、はじめまして。
ABC税理士法人の税理士で平と申します。
お母様を亡くされたとのこと、ご愁傷様です。
さて、ご質問の件については、2つの論点に分かれてきます。
まず、お姉様がお母様から生前贈与されたという
カブあるいは投資信託についてです。
これは、特別受益(民法903条第1項)に当たる可能性があります。
お姉様が贈与を受けたカブあるいは投資信託が
「生計の資本として贈与を受けた」もの、
つまり、生活に必要な資金として贈与されたものであれば、
特別受益に該当し、
贈与されていた分を相続財産に加えて計算した相続分から、
この贈与されていた分を引いた金額のみしか相続できませんよ、
という規定があるんですね。
これが特別受益に該当するケースであれば、
残りの財産に対するお姉様の取り分は減ることになりますね。
また、家屋の建設費を負担されていたとのことですが、
これは寄与分(民法904条の2)に当たるかもしれません。
お母様の「財産の維持又は増加について特別の寄与」がある場合、
このケースは、建設費の負担ということになりますが、
相続財産に「相続人の協議によって定めた」
寄与分を引いて計算した相続分に、
寄与分を加えた金額が相続できますよ、
という規定になっているんですね。
また「協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき」は、
家庭裁判所の審判を求めることができる規定
(民法904条の2第2項)になっています。
いずれにしても税理士が行うことが出来る業務範囲を超えており、
弁護士さんにご相談頂きたく存じます。
各地の法テラスにお問い合わせ頂ければ、
弁護士による無料相談等がございます。
よろしくお願い致します。
評価・お礼
コブラおじさん
2012/09/11 03:46平様。早速の回答ありがとうございます。おぼろげに希望が見えた気分です。いずれにしても法的な詰めが必要なんですね。分ったので、何とかしたいと思います。
(現在のポイント:1pt)
「遺言書」に関するまとめ
-
遺言書は自分で書ける?遺産を大切な人に遺せる遺言書は重要です。揉めない遺言書作りをしましょう!
「終活」「エンディングノート」という言葉が聞かれるようになりましたが、そもそも遺言ってなんだろう?不動産や貯蓄の渡す相手を決めればいいの?自分で作った遺言書でも効力を発揮するのか分からない。自分の死後、自分の遺産は大切な人にきちんと渡したいものです。遺言書を用意する必要性や、用意の仕方、遺言書が効力を発揮する場合など、専門家が分かりやすく説明します。
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング