対象:心の病気・カウンセリング
「仕事・職場」にて同じ質問をさせていただいていました。
私の部下が、「うつ状態では?」と疑いを持っています。
・遅刻が多い(本人に確認すると、余り眠れないとの事)
・お客様との会話を忘れる(報告の際、「よく覚えていません」という)
・勤務時間は長いのに、仕事は殆ど進んでいない
といった状況です。
本人と、何度か話をしましたが、業務に支障を来たしているとの認識はなく、一所懸命仕事をしていると言っています。
会社には、昨年の春から、定期的(毎月1回)に産業医の先生にきて頂いていますので、本人と相談して、産業医の先生に面談をさせました。
「うつ」という言葉は、部下にとって刺激が強いと思い、「物忘れが激しい」「報告内容が、前回と違うと指摘を受ける事が多い」など、実際にあった状況を相談する様に話をしました。
産業医との面談後、部下と話をすると「『特に問題ない』といわれました」との事でした。
デリケートな問題ですので、様子を見ようと思っていたところ、役員から私が呼出しを受けました。
産業医の先生曰く
「物忘れが激しいなどの症状は、専門外なので、相談に来られても困る」
「上司が産業医に相談する様に指示をしたのであれば、パワハラになる」
との事で、私のパワハラ問題に話が、代わっていました。
部下が、「うつ状態」なのであれば、上司の私に「責任がない」とは言う積りは有りませんし、処遇に関しては、従います。と前置きをした上で、
本当に「うつ状態」であれば、会社としてフォローして欲しい
とお願いをしました。
上記の様な状態で、質問です。
産業医とは、この程度の存在なのでしょうか?
もっと、部下の症状を聞いて、専門医との間に入って、サポートしていただけ
ると思っていました。
会社の中では、部下の「うつ」ではなく、私の「パワハラ」の問題になっています。
部下が「うつ状態」と確定すれば、上司としての責任はとるつもり(現時点で、降格依願をしています)ですが、「専門ではない」との言葉だけで、状況の確認をしない産業医に対しては、忸怩たる思いがあります。
個人では解決できないので、会社として解決して欲しかっただけなのですが、産業医は、専門医ではないので、相談に行かせた私の判断が、間違っていたのでしょうか・・・
なやみふかしさん ( 東京都 / 男性 / 42歳 )
回答:1件

国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
2
パワハラではなく,十分に配慮された行動だと思います
こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷と申します。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法・カウンセリングをしています(医師法上の診断・治療行為は致しません)。
なやみふかしさん,部下のうつかもしれない状態を気づかって産業医面談をさせたところ,パワハラと理解されたということなんですね。せっかくの配慮が裏目に出てしまった無念なお気持ち,お察しします。
パワハラが成立する要件としては,通常,1)関係性(当事者間に「権力的関係」があるかどうか),2)越権行為(本来の権限や業務範囲を超えた行為かどうか),3)継続性(その行為が継続的かどうか),4)効果(相手の心身に不安やダメージがあるかどうか),といったことが必要になります。この点から見て,部下の健康面を気づかってのことであり,また,本人との相談の上で納得して産業医を受診してもらったのですから,パワハラに該当する行為とは言えないでしょう。
産業医は,最近は精神科を専門とする方もおられますが,通常は内科を専門とする医師であることが多いものです。うつ病も頻発していますから,内科医である産業医が診断されることも多くなっていますが,慎重にされる医師の場合,精神科(メンタルクリニック)を紹介するケースも多く見られます。
恐らく,なやみふかしさんが配慮されて「うつを物忘れと表現した」その真意が産業医に伝わらずに,脳神経外科的な症状として捉えたのではないでしょうか。また,指示されて強制されて来たという面でも,誤解されていると思います。
仮に部下がうつになったからといって,上司が責任を全面的に責任を取る必要はありません(上司のパワハラがすべての原因の場合は別ですが)。うつには,ストレスなどの環境面だけでなく,遺伝子的な要因も影響しています。同じ職場環境で上司が同じように接していても,うつになる人・ならない人がいる,そのことからも明らかです。
うつを予防するために,各企業ではメンタルヘルスについて細心の注意を払うように変わってきています。その意味で,なやみふかしさんの判断は,予防の見地からも正しい行為といえるでしょう。ですから,自信を持って「本人の健康を考えて,うつの早期発見のために,本人と話し合った上で産業医と面談させた」という真実を主張されれば良いと思います。
[文字数の関係で,補足に移ります
補足
この先,本人にうつが発症した場合,恐らく予防の芽をつぶしたという意味でも会社側にその責任が問われるようになると思います。予防として必要なことを私はやったということで,自信を持って下さい。
敢えて今後に気をつけるとすれば,その産業医自体が責任を回避する傾向にあるようですから,うつになりそうな気になる人がいる場合は,本人自身の責任で心療内科やメンタルクリニックに行くようにアドバイスする方が良いのではないでしょうか。
困ったときにはいつでもご相談にのりますので,メールなどをご利用下さい。なやみふかしさんの無念が晴らせるようになること,そして,明るい状態になることを祈っております。
聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com
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