対象:新築工事・施工
在来工法、長期優良で自宅新築中です。
リビング階段で2階にあがったところに、6畳ほどのファミリースペース(天井高3.2mほど)を設けています。
工務店より、この階段とファミリースペースについて、木の収縮により壁紙の裂けがどうしても出てしまうので、胴巾木を使わせて欲しいとの話がありました。
施工例を見せてもらったのですが、階段については、階段・手すりの角度、窓のラインに胴巾木となんだかいろいろな角度のラインが壁面に出ていて、スッキリしない印象を持ちました。
高天井部分に関しても、壁面が途中で分断される形になり、せっかく天井を少し高めに取っているのに、甲斐がないと感じました。
胴巾木をつけることにより、クレームも無くなり、張替えの必要も無い。もし、胴巾木を使わなければ、壁紙を張り替える際にも、汚い足場を家の中に入れることになり、他の部分にも影響が出るかも、というようなお話でした。
工務店の手間を省く、という意味でしかメリットが無いように感じてしまったのですが…
ただ、胴巾木を付けないという選択をしたことにより、了解したのだから、補償対象外のように言われても困るなあ、という思いもあります。
吹き抜け等採用されている方もたくさんいらっしゃると思うので、どのようになさっているのかおうかがいしたいです。
この手法は一般的なのでしょうか?
また、
・美観を損なわずにできる対策(他の方法)はないか
・壁紙の裂けはどれくらいの年数、頻度で出るものなのか
・壁紙の裂けは一般的にどの位の期間補償されるのか
についてもご教示いただけると助かります。
胴巾木をつけるほうがいいよ、というご意見もあれば、理由等もお聞かせいただければとありがたいです。
お楽しみがかりさん ( 大阪府 / 男性 / 46歳 )
回答:2件

吉田 武志
建築家
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多少の壁紙の隙間は気にしないほうが良いと思います。
栃木県宇都宮市で注文住宅とリフォームを行う工務店 ヨシダクラフトを経営しています。
吉田と申します。よろしくお願いします。
知識不足なのか、胴巾木というのが初めて聞く言葉です。
吹抜け等の大きな面積の壁の場合に、床と天井の途中の壁に水平に木材を廻して、その木材によって壁紙の面積を小さくして、壁紙の収縮による隙間を緩和するものなのでしょうか。そうしたほうが、壁紙の隙間は目立たないのだと思います。その施工者さんは、以前お客さんとの間で隙間のトラブルがあり、そのような木材を入れるようになったのかもしれません。きちんとした業者さんなのだと思います。
私のところは、吹抜けを造る場合もそのような木材を入れていませんし、入れている会社は少ないと思います。
弊社では、計画の早い時期に施工したお宅やショールームを、お客さんになる方に見学して頂き、経年したときの壁紙や無垢材の様子も見て頂くようにしています。必ず多少の隙間は開きますから。それも確認してもらうわけです。
新築時の壁紙は、ルナファーザーhttp://www.yoshidacraft.net/material-runafather.htmlという紙の塗装下地用壁紙で、水性塗料を塗って仕上げることが多いです。壁紙のつなぎ目等で、髪の毛ほどの隙間が開いても、そんなに気になりません。ビニールクロスよりも、しっとりとした質感が気にならなくさせているのかもしれません。
また、窓枠、建具枠、巾木は無垢材を使っていますから、乾燥収縮して、壁紙との隙間は開きます。コークボンド等で補修しても、また開いてしまうことが多いです。多少の隙間は開いていても私はおかしくないと思っていますから、同じ感覚の方にお客さんなになってもらいたいと考えています。
ある程度の価値観の一致がないと、その隙間がもとで、トラブルになってしまうからです。ショールームは経年変化を確認してもらう為に造ったという一面もあります。ショールームを造った後は、完成後の経年変化による問い合わせは、殆どなくなりました。
造り手側もお客様に「補償」と言われると、胴巾木のような安全策を提案せざるを得ないのかもしれません。
壁紙は、多少の隙間は開くものですから、あまり気にしないで生活してみてはいかがでしょうか? 胴巾木は必要ない気がしますので業者さんと話し合ってみてはいかがでしょうか?
写真は弊社施工の吹抜です。
補足
・美観を損なわずにできる対策(他の方法)はないか→わかりません。
・裂けはどれくらいの年数、頻度で出るものなのか→様々だが、完成した後から3年程度
・壁紙の裂けは一般的にどの位の期間補償されるのか→1~2年だと思う。
評価・お礼

お楽しみがかりさん
2011/11/21 14:26お礼が大変遅くなり、失礼いたしました。
やはり、あまり一般的なものではないのですね…
裂け、という表現と、隙間というのでは、だいぶんイメージが変わる気がします。検索もしてみたのですが、それらしき裂けの画像も見つからず、実際どこまで許容できるのか、気にならないのかが想像がつかない状態です。
でも、吉田さんの会社のようにショールームで体感できたり、隙間もそうおかしくはないよ、と言っていただけたのならば、うまく受け止めていけたのかな、と思います。
私自身としては、やはり、胴巾木は避けたい思いが強いので、もう一度、よくお尋ねをしてみます。丁寧なアドバイスをいただき、ありがとうございました。

吉田 武志
2011/11/22 08:00評価ありがとうございます。
クロスの隙間は見た目だけの問題ですから
あまり気にしないほうが良いとおもいます。
正直にお話すると、弊社のショールームは、
お客さんと、もめたことが原因で造りました。
http://www.yoshidacraft.net/showroom-interior.html
住まい手と造り手。他人同士が共通の感覚を持つというのは難しいもの。
だから普段使う材料でショールームを造り、
デメリット部分もイメージの共有をする必要がありました。
いくら口頭で説明しても理解してもらうことが、難しいことが多かったからです。
ショールームがあってもイメージの共有が難しいことは多いです。
建築は毎回違う住まいを造ることになるので、難しいといつも感じています。
上手くいくといいですね。

富樫 孝幸
建築家
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クロス施工のマニュアルだと思います
こんにちは、プラネット環境計画の富樫です。
家づくり、いろいろわからない点も多いですね。
さて、クロスの収まりの件ですが
吹き抜けなど高さのある部分でのクロス仕上げで見切り(胴巾木?)を
入れたりして収めるのは住宅メーカーやパワービルダーなどが多いようです。
こういうところは、マニュアル化されていて個別には対応しないケースが多いようです。
理由はいくつか考えられます。
1.絵柄のクロスを使用した場合、柄合わせがむずかしい。
胴巾木のような見切りがあれば、多少の柄のずれがあっても気にならなくなります。
2.吹き抜けなど高さのある部分のクロスを張る場合
水平方向の基準を合わせるのがむずかしい。
胴巾木のようなものを事前につけておけば、クロスの水平基準を出しやすくなります。
当然、垂直のズレもなくなります。
これらは施工をしやすくするため、クレームを出さないための納め方で、
見た目は横のラインが出て野暮ったくなるかもしれませんね。
また、一般的に壁紙の裂けというのはありません。
あるとすれば、構造上の問題か
クロスの張り方にねじれが生じた場合に起きるのが原因かと思います。
工務店の方が言われるようにクレームの出ない納め方をしたいというのが
本音ではないでしょうか。
対応としては
・柄の合わせやすい無地のクロスを選ぶ→ずれがあまりわからない→胴巾木がいらない
・胴巾木をつける場合→小さい巾の胴巾木をつける→クロスの色と胴巾木の色をあわせる→白系など
こうすることで横のラインが目立たなくなります。
わたしが設計する住宅でこういう見切りを入れる納め方をしたケースは
デザイン的に意味がない限りありません。
すこしは、お役にたったでしょうか。
工務店の方と話し合われて、素敵な家ができたらいいですね。
評価・お礼

お楽しみがかりさん
2011/11/21 17:17お礼が遅くなり、失礼しました。
アドバイス、感謝いたします。
おっしゃるような納め方対策もあるのですね。
見せられた事例は白の壁にベージュっぽい階段、巾木だったので、ありえないと思いましたが、アドバイスいただいたように、白にすれば少しは目立たないのかもしれませんね。
でも…やはり、せっかくの空間なので、見映えも大事にしたいと思います。どこも採用されている手法ではないということがわかりましたので、もう一度交渉してみます。
ありがとうございました。
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