対象:遺産相続
未婚だった伯父が死亡の直前に養子縁組を行いました。どうやらお付き合いのあった証券会社の担当者を養子にしたようです。養子縁組の際、伯父はすでに入院しており、意識もはっきりしていなかったのですが、サインさせられていたようです。
こうした場合でも養子に相続権は存在するのでしょうか。
また、この分では遺言まで出てくるのではないかと心配しています。
老人を狙った詐欺のようにも思えますが、対策はないのでしょうか。
ましゅりくさん ( 神奈川県 / 男性 / 42歳 )
回答:1件

松野 絵里子
弁護士
4
痴呆のご老人をだまして養子になった場合
養子縁組は養子縁組届出用紙を市町村役場に出せばできるので、痴呆のご老人がだまされたりして出してしまうこともがありえます。
しかし、もしも伯父様がすでに痴呆で養子がなんであるかわからなくなっていて、その担当者を養子にするつもりでその届出を書いたのでないなら、養子縁組は無効です。
というのも、養子縁組が成立するためには、養子縁組届が出ているだけで十分でなく、養親になる人と養子になる人の間に養子縁組を成立させようとする意思の合致があることが必要だからです。この意思というのは、簡単にいえば「お互いが親子といえるような関係をつくろうとする意思」です。老人性痴呆などで、養子縁組の意味もわからない状態で、単に届出用紙に署名捺印した場合には、その養子縁組は、縁組意思を欠いたものになるので縁組が無効でしょう。
無効の主張は貴殿にもできます。これは、調停前置主義というルールによって、まずは調停を申し立て、調停、審判がまとまらなかった場合に養子縁組無効確認を求める訴えを提起してすすめるしかありません。つまり、最終的には訴訟が必要となるのです。養子縁組時の痴呆の程度が進んでいたことが、診断書などで立証できれば、訴訟でも勝てる可能性があるでしょう。
評価・お礼

ましゅりくさん
2011/05/04 19:43ありがとうございます。
痴呆ではないのですが、入院中で意識ははっきりしていなかったと聞いています(看護婦さんが見ていたそうです)。まずは状況の整理を行い、調停の申し立てをするようにしたいと思います。
相続の絡みもありいろいろとややこしいことになりそうなので、早めに対策していきたいと思います。

松野 絵里子
2011/05/07 09:40意識がはっきりしていなくて、判断能力がなかったのであれば、単なる痴呆より状況はより悪かったともいえるでしょう。
そうであったことが、診断書などから立証できる可能性も高そうですね、
資産がなくなってしまわないうちに、動かれたほうが良いでしょう。
亡くなった方の預金がどこにあったなど、調べられることは調べて司法手続きにのぞまれたほうでよいですよ。
(現在のポイント:2pt)
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