結婚して半年ちょっとたちました。30代前半の共働きの夫婦です。籍を入れて暫くした頃から、夫が大声で怒鳴り散らすことが多くなりました。観察していると(素人判断ですが)境界性パーソナリティ障害の症状ように思いました。
詳しいサイトなど調べましたが、以下は全て当てはまる点です。
(1)見捨てられ不安、依存が強い。(2)怒りの感情を抑えられず、ビックリするような怒り方をする。(3)他人に対する評価がコロコロ変わり褒めたり貶したりする。(4)白黒つけたがる。(5)嫉妬深い(浮気を毎日疑う)。(6)薬物やアルコールへの依存、ドカ食い、極端な性的趣向、自分の危険を顧みない行為。(7)無責任、責任を他人に押し付ける。(8)子供の頃の親からの厳しい躾。(9)曲解、被害妄想、虚言が多い。
理不尽に怒鳴られたり貶されたり…かと思えばニコニコ謝ってきたり、言ってることが変わったり、毎日浮気を疑われたり、よって大きな喧嘩が絶えず…かなり辛いです。
彼自身は精神が穏やかなときには上記問題の自覚があるので(最近は「ボーダーラインかもしれない」という自覚もあります)近所の精神科に受診もしくはカウンセリングに行こう、と話しあっています。夫も同意してくれています。
ただ、夫は芸術を生業にしており、これら全ては彼の個性として作品にも現れています。作品制作でバランスをとっている部分があり、逆に言うと芸術があったから今までやってこれた…という感じです。自分が中心になって人を動かして何か作ることが得意で、責任を自分で背負いこまないからこそ、小さなことは気にせず大きな作品を作ってこれた…という経緯もあります。個性と言われれば個性なのだと思います。
更に、上記にあげた症状の裏には、申し訳ないと思う気持ちがあるのも見えるし(それを取り繕うように更に理不尽なことを言っているような感じ?)、自傷や自殺へは思考が向かっていないので、精神科を受診するなどして彼の個性を否定する前に、私の方で何かできることはないだろうか…と思っています。
理不尽なことを言われても怒らず冷静に…など、気をつけていかなければならないポイントはありますか? また、今の状態は精神科に通った方がよいのでしょうか? 通う場合に病院選びのポイントなども教えていただけると助かります。
chacha75さん ( 長野県 / 女性 / 35歳 )
回答:2件
希望の光は灯っています
メンタルヘルスコンサルタント、カウンセラーの見波です。
パートナーから大声で怒鳴り散らされること、さぞお辛いことと存じます。
更に籍を入れてから多くなっている状況で、とても不安な気持ちもお持ちなのではないかと思います。
挙げています症状が全てあてはまるという状態では、ご指摘通り境界性パーソナリティ障害の可能性は確かにあるかもしれません。
この病態は、医療機関へ受診したりカウンセリングを受けて、即効的に改善していくものではありません。適切なアプローチや支援で一進一退を繰り返しながら、少しずつ改善することが期待できます。
ご質問を拝見し、私は次の4点が重要な点ではないかと思います。
<1点目>
■芸術を生業にしていることと、家庭を持っていること。
もし、結婚せず芸術のみを人生の糧にするのであれば、どのような人間関係を持とうが本人の自由だと思います。結婚したということは、2人で家庭を気づくために共に努力をしていく義務が発生するということです。
結婚して家庭を持っているのであれば、本人の感情に任せて好き勝手にしていいものではないのです。本人もそこに努力をしても良いということです。
<2点目>
■入籍後に怒鳴り散らすことが多くなったという点。
怒鳴り散らしていたのでは、結婚できないことを本人が意識していて、努力によって感情を少しコントロールできているということです。
本人が少しでも感情のコントロールに対して努力できるという点は大切だと思います。
<3点目>
■本人が「ボーダーラインかもしれない」という自覚を持っていること。
この点は、非常に重要で、本人の自覚なしに改善していくことはかなり難しいのです。少しずつでも改善していくためには、次の3つが必須になります。
(1)本人が自覚、理解している。
(2)本人が少しでも改善したい気持ちを持っている。
(3)努力を今後の人生でずっと継続していくこと。
<4点目>
■パートナーであるあなたが冷静に対応できており、よくなる方法を探したり、相談したりできている状況であること。
この点が一番重要かと思います。
周囲の人の理解と支援が非常に重要だということです。
3点目の本人だけが努力をすることは、非常に困難を極めますが、周囲の人のサポートで、より改善し易い環境ができます。
(字数がオーバーになりますので、回答補足をします)
補足
以上簡単ですが、家庭、妻を大切にしたいという本人の意識、自分は少しでも感情のコントロールができる、頑張ればもっとできるという理解、少しずつでも改善したいという意欲、周りの方の理解と支え、など必要なアプローチをとること、時間はかかりますが、徐々にでも必ず快方に向かっていきます。
これらを何もせずに過ごすと何年経っても、ほとんど何も変わらないでしょう。大変でも、少しずつ努力をすることで、5年後、10年後、大きな違いに気づくときが必ず来ます。
そのためには、先ずパーソナリティ障害の専門性を持つ精神科医やカウンセラーに相談することからスタートできると思います。また最後に、支えるあなたのサポートもカウンセラーなどの専門家から支えてもらうことも大切と思います。
数年後、少しでもより良い人生、家庭が築けていることを願っております。
評価・お礼

chacha75さん
2011/04/24 00:12この件、両親にも友人にも相談することができないでおりました。主人の件のみならず、私に対する優しいひとことをいただいて、とても気が楽になりました。
彼自身の悪い部分ばかりあげつらってしまいましたが、もちろん素晴らしい部分も沢山あり、だからこそ、これからも一緒にいるために2人がすべきこと…の指針が見えてきたような気がしました。
長い時間かかっても、少しずつよくなっていくように…専門家の方の力を借りようと、決心がつきました。
ありがとうございました!
見波 利幸
2011/04/25 10:27お返事ありがとうございます。
今の状況を見ますと、いくつものハードルを既に越えていらっしゃいます。
ご本人の自覚があり、周り(奥様)の理解とサポートがある。
この2つは最大の難関で、これ如何で状況はまったく違ってきてしまいます。
これがないためにスタートできないケースもたくさんあります。
専門家と適切に焦らずに進めて行き、あなたもしっかりと支えてもらえば、
今より悪い状況にはなりません。必ず快方に向かうと思います。
お互いの素敵な面も認め、支えあい、希望を持つ。
長い道のりですが、その間には大変さだけではなく、たくさんの幸せも感じられることと思います。
そうなりますことを願っております。
回答専門家

- 見波 利幸
- (東京都 / 主席研究員)
- 主席研究員
感動を伴う研修こそが、効果のある結果が出る研修です
人は必ず成長します。感動する事で心を開き、自分を見つめるからこそ「気づき」が生まれます。人は「気づき」さえ生まれれば、もう既に80%は変わっています。更に、「やって行きたい」という気持ちが加わる事で、真の行動変容が可能となります。
ご自身のメンタルケアも大切に
こんにちは、依存症や共依存の当事者やご家族の方のサポートをさせて頂いております、
安希カウンセリング事務所 代表の鈴木と申します。
ご主人にどう対応されたらよいか迷いや不安があるのですね。
そして「なんとかしてあげたい」と思うと同時に、
ご主人の言動に、傷ついて辛い思いもあることとお察し致します。
chacha75さんは、ご主人の個性(病状も含めて)と作品づくりの
相関関係をよく理解されていて素晴しいと感じました。
私は、芸術療法もご提供していますが、確かに芸術には、
心のバランスをとる大きな力があります。
ご主人は、見波先生も、おっしゃっているように、
境界性パーソナリティー障害の可能性は高いと思います。
私も、専門の医療機関を受診することをお勧めします。
医療機関の受診をお勧めする理由として、
ひとつに、ご主人もchacha75さんが上げてくださった病状の特徴である
9つの症状に苦しまれていること。
医療機関では、薬物療法や各種心理療法などにより、
その苦しい症状を、徐々にですが、
和らげることができるからです。
ふたつ目に、chacha75さんとご主人の二人だけで解決しようとすると、
互いの感情に巻き込まれて、逆に病状が悪化したり、
chacha75さん自身が疲弊して、
共倒れになってしまう可能性があるからです。
専門家に、いつでも相談できる、サポートしてもらえるという環境は、
共倒れの危険防止になります。
受診は、けして、ご主人の個性の否定ではありませんし、
受診したとしても、回復には、ご家族のサポートはかかせません。
いくつか接し方のポイントをお伝えします。
*「私はあなたが苦しいことを理解している」ということを
言葉や態度で表現する。
*chacha75さんがサポートできることと、「これ以上はムリ」という限界を
はっきり伝える。
*決めたことに関しては、一貫した態度、スタンスを保つ
*かまい過ぎないで、適切な距離を保つ
*相手の態度に、一喜一憂しないで、気長に見守る姿勢
*chacha75さんご自身の心と身体を一番大切にすること
chacha75さんにも心の負荷がかかるので、
ご自身のカウンセリングや相談ができる場を持つことをお勧めします。
長い道のりです。chacha75さんの健康が第一であることを忘れず、
ご自愛の上、気長に取り組まれることをお祈り申し上げます。
補足
書かせて頂いた以外にも、接し方の工夫はあります。
境界性パーソナリティー障害の方との接し方に関する本が
いろいろ出版されていますので、
ご興味があれば、本を読まれることも良いと思います。
評価・お礼

chacha75さん
2011/04/24 00:23この件、両親にも友人にも相談することができないでおりました。主人の件のみならず、私に対する優しいひとことをいただいて、とても気が楽になりました。
「お互い感情に巻き込まれて共倒れ」という点は、本当にご指摘通りで、このままではそうなってしまうだろう…と思っていました。
上記では、彼の欠点ばかり書いてしまいましたが、もちろん素晴らしい部分もあり、だからこそ、彼との子供が欲しい…となったときに、子供を見境なく怒鳴り散らすような父親にはなってほしくない…という心配もありました。
これからずっと一緒に生きていくために、ゆっくりあせらずに治療していく決心がつきました。ありがとうございました!
鈴木 安希子
2011/04/24 02:52返信ありがとうございます。
私もパーソナリティ障害や発達障害の方のサポートをさせて頂いて感じるのは、
困難もありますが、それと同じくらいに、
個性やその人にしかない素晴しさを充分に発揮している方が多くいらっしゃいます。
また、病いや障害に対峙することで、
人生の学びや豊かさ、家族の絆を深められているご家族もたくさんいらっしゃいます。
chacha75さんの言葉の行間からは、
ご主人の素晴しさを愛し、受け入れていることが強く伝わりました。
お子様のことも含め、おひとりで抱え込まず、
ご両親やご友人などの理解と協力を仰げるよう
時間はかかるかもしれませんが、
気長に、ゆっくりと、
理解して頂けるためのコミュニケーションが
少しづつでも広がっていくと素敵ですね。
影ながら、応援させて頂きます。
回答専門家

- 鈴木 安希子
- (東京都 / メンタルヘルスコンサルタント)
- 安希カウンセリング事務所 代表
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