対象:子供のお稽古
回答:2件
ご褒美は逆効果だと思います
今日は、Developmental Psychology, Educational Psychology から子供の教育に携わっている大澤眞知子です。
「お行儀」というのは面白い日本語だと思いますね。 周りの人から認められる振る舞いでしょうか。
マナー。 社会的に適切と認められる振る舞いですか?
両方とも、第3者の評価を元にしています。 つまりまわりに「あの子はいい子ねぇ~」とほめられることを前提としていますね。
Psycholory で言うextrinsic evaluation。 外部評価です。
これは、子供のMoral Reasoning (何が正しくて、何が正しくないかを自分で論理的に判断する能力)を育てる上では、望ましくない評価と考えられています。
自分の行動基準は周りの評価でしかなく、自分の内面的な価値観には関係ないものとなります。
常に周りの評価を気にし、Self-Concept (自分が何者であるか)を見失うことにもなりかねません。
それよりももっと大切なのは、自分が何者で、自分はどんな振る舞いをした時に精神的な満足を得られるか (intrinsic satisfaction)を子供に学ばせることだと思いますよ。
例えば、戸をバタンと閉めたときに、周りの大人がイラっとしないことがいいことなのか。
自分が、「わぁ!静かに閉めたらいい気分!」と思うことがいいことなのか。
自分が内面的な満足を得られるような行動を導いて上げるのが大切だと思います。
周りの評価が決めるのではなく、自分が決める。
ご褒美は、extrinsic evaluationの最たるものなので、実際何をするのが大切なのがわからないまま、その褒美目当てだけの振る舞いになってしまうことが心配です。
回答専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
大澤 眞知子が提供する商品・サービス
パンデミック後の留学カウンセリング
平川 裕貴
マナー講師
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子どものお行儀・マナーの上手な教え方
キッズマナーコンサルタントの平川裕貴です。
お子様の年齢がわからないのですが、一応3~6歳くらいと考えてアドバイスさせていただきます。
この年齢が社会生活のルールやお行儀・マナーを学ぶ一番大切な時期だと思いますので。
まず、お子様に対する発想を転換するところからスタートしましょう。
言うことをきかないのが子どもなのです。
なぜ言うことをきかないのか、親としてはイライラしますね。
でも、素直に 「はいはい」 と言うことをきいて親の言いなりになったら、「なぜそれをしてはいけないのか」 「なぜこうしなければならないのか」 という大切なことを何も教えられなくなるのです。
言うことをきかないから、叱り説明をするわけです。
それが子どもにとって、長い人生を生きる上での大切な情報になるのです。
その情報をもとに、どう行動するかを決めていくことになるのですから、その情報がなければ、自分で考えることも、自分で判断することもできない人間になってしまいます。
そのことをしっかり頭に入れておいてくださいね。
お母様の取り組み方が変われば、子供にも必ず伝わりますから。
さて、では本題の上手な教え方ですが、言うことをきかないのが子どもですから、教える側にも知恵や工夫が必要になります。
まず何もわからない子どもに最初に教える場合は、「こうしなさい!」 「ああしなさい!」 と命令的に言うのではなく、「こうしてみて」 とか 「こうできる?」 とやり方を教えながら、聞いてみてください。
例えば正座をさせる場合は、お母さんがお手本を見せて、「こんな風に坐れる?」 ときくのです。 で、ちゃんとできた時は 「上手に座れたね」 と褒めてあげましょう。
できることが当たり前になるまで、できたら褒めるを繰り返します。
次は、お母さんと 「20数えるまで坐っていよう」 とか 「どちらが長く坐っていられるか競争しよう」 などとゲームにしてしまえば楽しいです。
何を教えるにしても、まずはお手本を見せて、一緒にやってみて、できたら褒めるを繰り返してください。 褒められるのは気持ちのいいものです。
幼児期は、言葉は悪いですが、おだてやだましがきく時期ですので、逆にやりやすいと思いますよ。
補足
実は、子どもにちゃんとお手本を見せて、きちんと教えていないのに、「ちゃんとしなさい!」 と怒っているお母さん、結構多いのです。
子どもにはある程度モチベーションが必要ですし、ご褒美も効果的です。
私は、自分のスクールで子ども達に教える時は、子どもがちゃんとできた時は、手を叩いて喜んで見せますし、子どもと "High,five!" (ハイファイブ、お互いの手をタッチさせるスポーツ選手がよくやる動作です) をすることもあります。 男の子は喜びます。
私のスクールでやっている方法をご紹介しましょう。
*ご褒美シートを作って、子どもが頑張った時はスタンプを押してあげる
*そのスタンプが5個貯まったら、壁の表にシールを貼ってあげる
そして、今は東日本大震災支援のための 『がんばる貯金』 というのをやっていて、スタンプが20個貯まったら、私から100円のご褒美をあげます。 それは 『がんばる貯金箱』 に入れて貯めています。 1年が終わったら貯まった貯金を 「あしなが育英会」 に寄付することにしています。
スクールのお母さん達は、スタンプの代わりに1円とか5円とかを貯金して下さっています。
子どもたちの頑張る気持を育てることと、困った人を助ける、人の役にたつことの喜びを教えるためです。
『がんばる貯金』 については、こちらのコラムをご覧ください。
http://profile.allabout.co.jp/pf/yuki-hirakawa/c/c-54194/
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