対象:住宅設計・構造
栃木県で木造平屋建てで勾配天井の家に住んでいます。
屋根は構造用合板t=24mm上にアスファルトルーフィング、ガルバニウム鋼板となっています。
室内側は垂木間にペットウールt=100mmの断熱材で、構造用合板と断熱材間には
10cm程度の空気層がありますが、外気と通じてはいません。
さらに室内側は吊木に野縁を組んでシナ合板を貼り付けて室内側天井としている構造です。
天井裏と室内は特に換気する構造にはなっていません。
建ててから2年半しか経っていませんが、
構造用合板の室内側が結露で痛んでおり、カビまで生えています。
また、結露水が室内にたれてきている状態です。
建築家、工務店に相談したところ、屋根裏に人が入れるスペースはないため、
シナ合板をはがしてアプローチし、構造用合板を防カビ処理して、
その後発泡ウレタンで断熱すれば、構造用合板が結露することはないといっています。
また、室内と屋根裏は強制換気をするといっています。
そこで、ぜひ教えていただきたいのは、
1.一度結露でかなりぬれた状態となったうえ、カビまで生えている構造用合板ですが、
交換する必要はないのでしょうか?(防カビ処理程度で元の性能となるのか?)
2.構造用合板に発泡ウレタンを吹き付けることで結露しなくなるといっていますが、
正しいでしょうか?(空気は結局発泡ウレタンを通るような気がするのですが?)
3.発泡ウレタンですが、どの程度の厚みを吹き付けるのが妥当でしょうか?
2年ちょっとの家で素人目にはひどい状態の屋根裏を見てしまい、
建築家、工務店とも言っていることが正直に受け取れなくなってしまっています。
わかりづらい文章かもしれませんが、ぜひ第3者のプロの方々の意見お聞かせください。
よろしくお願いします。
Paru1730さん ( 栃木県 / 男性 / 31歳 )
回答:2件
発泡ウレタン
繊維系の断熱材は空気を通しますから、室内の暖かい湿った空気が侵入して
外部側の合板に達すると結露します。
わずかであっても空気層ができていると、さらに滞留する空気が増えて結露量
が増えます。
対策としては、空気が断熱材に侵入しないように内部側全面に気密シートを貼りつめます。
また、空気層がある屋根裏等は小屋裏換気をします。
場合によっては壁内にも換気をするような工夫をしたり、空気が循環しないような
気流止めをすることもあります。
(壁内換気と外壁通気工法は若干意味合いが異なります)
今回の結露の原因は、気密シートの不具合かもしくは施工していないかのどちらかです。
(在来工法の場合、気密シートの完璧な施工は難しいですが)
空気層がある部分はできれば換気してやれば良かったです。
対策としては、繊維系の断熱材をふたたび使うのであれば上記のような施工が必要です。
現場発泡ウレタンの場合は、合板に隙間なく密着し、気泡は独立気泡のものと連続気泡
のものがありますが、連続気泡のものでも非常に小さいので空気を通しません。
ですから、結露は生じないというのが売りです。
厚さはD種のものが多いので、栃木エリアですと気密住宅で45mm、気密住宅以外で65mm、
次世代断熱住宅で160mmになっています。
少なくとも65mm以上がいいでしょう。
現在の構造用合板がどの程度傷んでいるかは、文章からではわかりません。
ただ、屋根合板が24mmというのは通常よりかなり厚いので(24mmは2階建ての床
などに使います、通常屋根は12mm)そういう意味では余力があるとは思います。
ちなみに、屋根勾配はどのくらいでしょうか?
ガルバリウム鋼板縦はぜ葺でしたら、わりと緩い勾配でも大丈夫とはいいますが
3寸勾配をきってくると雨漏りの危険が出てきます。
2~2.5寸以下でしたら、アスファルトルーフィングではなくてガムロンシートなど
を使うことが多いです。
そういう場合でしたら雨漏りなども疑ってください。
評価・お礼
Paru1730さん
2011/03/04 17:34早速のご回答ありがとうございます。
残念ながら、気密シートの施工はしてありません。
なぜ施工していないかは、今後建築家、工務店に聞いていきたいと思います。
発泡ウレタンの件は、厚さも含めて参考にさせていただきます。
構造用合板のいたみ方は確かに冷静に考えれば文章でわかるわけないですよね・・・。
見た目がどうしてもショッキングだったので、つい書いてしまいました。失礼しました。
屋根は、平葺きの2.6寸勾配です。
非常に微妙なラインですが、工務店および建築家が言うには、雨漏りではないそうです。
非常に丁寧なご回答ほんとうにありがとうございました。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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東島 鋭
建築家
3
室内の湿気が屋根裏に入らないようにしてください。
感じたことを書かせていただきます。
今回の結露の原因は2つあるように思います。
まず、室内の湿気が自由に屋根裏へ出入りしていることと、もう1つは屋根裏の換気不足です。
室温が高いほど空気中に保持できる湿気の量も多くなりますので、普通に生活するだけでも室内の湿気は壁内や屋根裏と比べて多くなってしまいます。この室内側の湿気を壁内や屋根裏に極力流入させないことが基本です。屋根裏の換気は対症療法にあたります(結露のことだけを考えた場合)。
天井に気密シートは施工されていますか。天井のシナ合板を貼る前に気密シートをきっちり貼って室内の湿気が屋根裏に入らないようにしてください。断熱材をどうするかは2の次です。それと、壁内の空気が屋根裏と行き行きになっていないか確認してください。なっている場合は、壁頂部に通気止めを施工してもらうことをお勧めします。
お気持ちは察するに余りありますが、納得いくまでご依頼先の建築家と工務店と話し合って解決策を見つけてください。
参考にしていただければ幸いです。
東島 鋭
評価・お礼
Paru1730さん
2011/03/04 17:08早速のご回答ありがとうございます。
どうやらご指摘のとおり両方の原因で今回の結露にいたったようです。
天井には気密シートは施工されている様子はありません。
なぜ施工されていないかは今後、建築家、工務店に聞いてみたいと思います。
壁内の空気がどこへ行っているのかもすぐにはわかりませんが、
そこらへんも含めて、空気の流れがどうなっているのか明らかにしていきたいと思います。
アドバイスありがとうございました。
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