対象:矯正・審美歯科
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晝間 康明
歯科医師
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部分矯正の限界
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こんにちは,東京都立川市ひるま矯正歯科の晝間康明です.
歯は動いていないように見えますが,実際は常に動ける状態にあります.
例えば,虫歯や歯周病などで歯を失うと,失われた歯と隣接する歯が傾いてきたり噛みあっていた歯がずれてきます.
しかし,動いていないように見えるのは,上の歯と下の歯が噛む力で押さえつけられていたり,舌により外側に押し出される力と頬や唇によって内側に押し付ける力などが平衡しているため(調和がとれているため)なのです.
例えば,歯ならびが悪い方でも成長期を過ぎれば悪いなりに安定するのは,歯ならびが悪いなりに生体が適応し力の調和が働いているためです.
したがって,悪い歯ならびを矯正治療で改善するためにはただ歯を動かすだけではなく,噛む力,頬や唇の力のバランスを考慮して生体の新しい調和を作る事を考慮した治療を行なっています.
質問者さんの矯正治療では,下顎前歯が1本だけ内側に入っていてそれを抜いたようですが,実際にはその前歯を抜いてしまった事でバランスが崩れ上顎前歯の位置変化も起きてきている状態と推測されます.
この様な状態を改善するためには,歯列が本来持つ左右対称の本数とするために下顎の追加抜歯が必要となる可能性,下顎の歯の数と上顎の歯の数をあわせるため上顎にも抜歯が必要となる可能性が考えられます.
そして,噛み合せは上下の歯列がバランス良く配列されて,しっかり噛める状態で安定するものですので部分矯正で部分的に歯並びを治しても将来的にも安定する噛み合せを作る事は困難ではないかと考えます.
上記の理由から部分矯正の方が目立たなくて短期間で治せるのですが,適応症例は極めて限られています.
最終的には信頼のおける矯正歯科医に実際にお口の中を診てもらい意見を聞き,治療を行なうかどうかを判断される事が最良と思われます.
以上,参考になれば幸いです.
評価・お礼
lime129 さん
丁寧な説明と回答ありがとうございました。
もう抜いてしまった歯について後悔してもしかたないので
1度カウンセリングを受けて状況を調べてもらおうと思います。
ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
質問です。
下の歯で1本後ろに生えていた歯がまったく噛み合わせに関係ないところだったので5年ほど前に抜歯しました。
抜歯した間が徐々に埋まっていくのに連れて上の歯も中央に寄ってきてしまいました。… [続きを読む]
lime129さん (東京都/29歳/女性)
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