統合失調症について

2年前から幻覚症状に悩まされているとのこと、心よりお見舞い申し上げます。

統合失調症とは''幻覚・妄想''を中心とした''陽性症状と''無為・自閉''を中心とした陰性症状とが混在する''感覚・認知・行動の障害''です。幻覚・妄想は被害的な内容になることが多いです。

病気の明らかな原因は不明ですが、脳内の''ドーパミン''と言われる''神経伝達物質''の過剰な放出が示唆されています。このため、治療はドーパミンを阻害する薬を内服していただきます。ドグマチールもこの作用のあるお薬ですが、100mgというのは少量ですから、病気は比較的、軽いと考えられます。

しかし統合失調症は風邪のようにすぐに治るものではなく、高血圧や糖尿病のようにZ''長くお付き合う病気''ですから、お薬は続けながら、ご養生してください。

具体的には毎日の生活から不快な''ストレス''を減らし、避けられない時には適切な対処を行います。この対処方法は''コーピング''と呼ばれ、認知行動療法の一つとされています。更に社会生活や日常生活に必要とされる基本的なマナーやスキルも''Social Skills Training, SST''として精神科病院や保健所のデイケアで受けられますのでご相談してみて下さい。また住居や生活費でお困りの際も保健所や福祉事務所にてご援助いただけます。

従って、統合失調症は長くお付き合いしていく病気ではありますが、最近は安全で有効なお薬やリハビリテーションが発達してきているので、あまりご心配なさらないで下さい。

リハビリテーションについて詳しくは右記の「精神科リハビリテーションワークブック」がお勧めです。どうぞ宜しくお願い致します。

茅野 分 （銀座泰明クリニック）