対象:住宅設計・構造
島崎 義治
建築家
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容積率がオーバーするのですか?
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面積に入らない屋根裏倉庫をつくれると、何か得をした気分になられるのかもしれませんね。しかし、実際にはその部分にも施工費用は同じようにかかりますし、わずかな、しかも使いにくい倉庫を作るために、1階部分の天井がとても低くなってしまったり、2階部分の窓が塞がれてしまったり、コストパフォーマンスは悪いのではないかと思います。高さ1.4mの倉庫など使えたものではありませんし、倉庫だからこそ換気装置も必要になると思われます。
現在計画されている2世帯住居の面積が敷地の許容容積率をオーバーしてしまうのでしょうか?問題はこの1点であると思います。
もし、かりにオーバーしてしまう場合はお考えのように容積参入面積から除外できるようにしなければなりません。
ただ、10畳の部屋の屋根裏に作ることのできる倉庫はその半分程度でしょうか。小さな住宅ならば、建設費をかけてその程度の面積でも有効であるかもしれません。しかし、60坪の住宅を作ろうとされる方の住宅は広い視野を持って考えられる必要があるのではないでしょうか。設計のやり方次第でどのようにでもなるものです。
また、上述したように使い勝っても悪く、倉庫としての環境も良くなく、収納物の重量にも大きな注意を払う必要も出てまいります。
しかも、2世帯住居の配置は両世帯の様々な条件を考慮しなければならず、使える屋根裏があるからといって簡単にその場所を倉庫にするようなことは難しいのではないかと推測します。両世帯の関係をうまく築く場所が望ましいと思います。
逆に敷地の容積率に余裕があるようでしたら、屋根裏倉庫など考えず、きちんとした場所に適切な倉庫を設けられることをお進めします。
住まう人たちのことを真剣に考え、本当のことをアドバイスできる状況が必要のように感じました。
ご参考になれば幸いです。わからないことがあれば、どうぞご遠慮なくいつでも相談してください。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所、人間環境大学教授
2012、2013グッドデザイン賞受賞
http://architect-studio.com
評価・お礼
shtte さん
2014/07/29 23:41
貴重なご意見ありがとうございます。
建坪60坪の2世帯としましたが、将来的には3世帯住宅(3LDK娘世帯+親の一部屋+3LDK息子世帯合体)の一棟となる家で説明が不十分ですみませんでした。どしても小屋根裏収納或いは地下収納が必要と考えていました。また、陸屋根が認められ収納面積がすべて1.4mとなれば効率が良いと考えました。行政に聞きに行きますが容積率に全く余裕はなく、車スペースも考えると大したスペースも取れませんが庭に置く倉庫も検討することとします。ありがとうございました。
島崎 義治
2014/07/30 08:42
評価ならびにコメントありがとうございます。
3つのご家族が住まわれるとすると、倉庫や生活の場をどこに配置するかはむつかしい問題があると感じます。うまく利用したつもりで倉庫を作っても使いづらいものになりかねません。
室内車庫を作られるのであれば、その部分は容積率からは除外されます。車庫に隣り合わせて車庫用の倉庫として申請して容積率から除外されました。
そうした様々な事例がありますので、専門家に相談されることをお勧めします。また、ご自分たちで役所に相談にいかれることは不利になることも多く、やはり、専門家に相談された方が良いように思います。
わからないことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
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全体の建坪が60坪程度の2世帯家屋を建てることを検討中ですが、その平屋部分(約10畳)の上に天井の高さ1.4mの10畳の広さのある子屋根裏部屋を造り2階部分から出入り(1階から階段での出入りは使いかってが… [続きを読む]
shtteさん (東京都/71歳/男性)
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