浴室でのフロアヒンジの使用について

tomotomo3様

はじめまして、中辻正明・都市建築研究室の中辻と申します。

浴室のガラス扉の金物の選択について、私たちも非常に気を使います。
絶えず水と湿気に曝される部分なので、見た目のデザインに加え、
機能と耐久性も要求されるからです。
ちなみに私たちは壁付けのガラス蝶番の採用例が多いです。

さてお尋ねのフロアヒンジについて、
浴室と脱衣場（洗面所）の床の段差や仕上げなどの詳細が判りませんが、出来る限り回答してみます。

まずフロアヒンジはバネ（スプリング）と油圧によって扉を自動で閉めてくれる金物です。時間や使い勝手で閉まる速度＝強さがズレてきたりするので調整も必要です。ですからプレートは取り外せるようになっています。したがって完全密閉されていないため、内部に水が入ってしまいます。水がケースに溜まると錆びや故障の原因になります。

「錆びが周りにできていた」「中を開けて・・・水がたまっていて錆びだらけ」ということは次の状況が考えられます。

１／フロアヒンジに水が入り易い造り（納まりと言います）になっている
　（浴室の床の勾配が緩い／フロアヒンジまで水浸しになる／
　　浴室と脱衣場（洗面所）との床の段差が小さ過ぎる・・・等々）
２／フロアヒンジに水が入る入浴方法、またはメンテナンス方法をしている
　（勢い良くシャワーや掛かり湯をする／清掃時に扉にシャワーで湯水を掛ける・・・等々）
３／フロアヒンジのメンテナンスをしていない
　（水が入る可能性の説明を受けていない・・・等々）

対応としては次の方法が考えられます。

Ａ／フロアヒンジを壁付けの蝶番に変更する
　＝大掛かり過ぎてリアリティーが無いかもしれません
Ｂ／フロアヒンジのプレートにパッキン等を取付けて水が入りにくい簡易防水にする
　＝シールをすると開閉できなくなるのでオススメできません
　　プレートはシールで水を遮断できてもヒンジから少しずつ水が入ると思います。
Ｃ／こまめにプレートを開けて水を拭き取る
Ｄ／水が入らないよう気をつけて入浴する

いずれにしろフロアヒンジに錆びが発生しているならば、
性能に問題がないかチェックした方が良いと思います。
交換しなければならない可能性もあります。
あわせて「フロアヒンジ（GMT　NH-233）」は「浴室に使うフロアヒンジ」か、
「浴室に使える（使用に耐える）」「ある条件の元、使える」なのか
設計をした建築家を通してメーカー確認をしてみた方が良いと思います。
NH-233は川喜金物でしょうか。
業界大手のスガツネ工業の代理店でもあるようなので品質は決して悪くないと思います。
https://www.kawaki-sowa.co.jp/05_company.html
しかしながらフロアヒンジを浴室用、
または浴室で使用OKと明言している完全防水のフロアヒンジはあまり無いはずです。


まずは上記をご参考に、真っ先に設計者（建築家）とご相談されてみてください。
建て主と設計者（建築家）と施工社の信頼関係はとても大切です。
大切にしていかないと信頼関係は簡単に崩れてしまうかもしれません。
それは長いスパンで考えた時、決して良いことではありません。

それでも解決が難しいようでしたらご連絡ください。お力になれると思います。


中辻正明・都市建築研究室
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Em-naka/