妄想を「つらさ」の表現と理解してあげて下さい

ここんにちは。カウンセリングセンター聴心館　国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています（医療行為は致しません）。

　arm13500さん，半身不随の奥様の介抱に頑張りながらも，奥様の「嫉妬妄想」のようなものにご苦労されているとのことで，お気持ちお察しします。実際のご苦労のほかに「何故なのかわからない」という不安も加わって，大変ですよね。よく頑張っておられると思います。

　さて，一般的に脳血栓などで軽い認知症になられた方に，被害妄想などの妄想症状があると言われています。奥様の状態を判断することは診断行為になりますので，ここでは避けます。軽い認知症のそういう事実を確認しておいて下さい。

　ここで，お話ししたいのは，奥様に「嫉妬妄想」があるかどうかということではなく，半身不随で肉体的にも精神的にもつらい奥様が「妄想」の形で「つらいつらい」といっている。arm13500さんが，そんな風に感じることができるでしょうか？　たとえば，寝たきりの病人が「痛い，つらい」と言っているときに「大丈夫？」といたわるようなものです。「妄想」が出てきたら，そんな風に「つらさ」を訴えていると考えてみることができるでしょうか？　妄想の内容に入っていくと言うよりも「つらいんだね」と共に感じてあげてみる訳です。「心が奥様に向いているかどうか」の問に答える必要はないように思われます。気持ちをわかってあげれば，それが答えになると思います。

　奥様の体調が優れないときに，内科を受診されて，そこで認知症的な検査を受けてみてはどうでしょうか。心療内科でなく内科でも最近は可能です。薬の服用でそうした妄想も軽くなるはずです。そんな形で，対応されてみるのはいかがでしょうか？

　arm13500さんが，奥様と仲良く生活をエンジョイされることを祈っております。お困りの点などありましたら，専門家へのメールなどでご相談下さい。

カウンセリングセンター聴心館　http://www.choushinkan.com/