ご身内への立ち退き請求につきまして

初めまして。不動産コンサルタント藤原鉄平と申します。

御質問に関しましては、法的な見解に関わるかと思われますので、あくまで参考として回答させていただければと思います。

【現在の御父様の状況】

ご質問の状況からしまして、御姉様が所有する戸建には、御父様がお住まいでいらっしゃるようですが、残念（？）ながら、法律的には、特別の問題（不法占拠）があるようには、見受けられません。

したがって、法的にすぐさま立ち退かせるのは、難しいとは思われます。

【2万円の対価と使用料】

しかしながら、毎月支払っている2万円という金額が、どのような対価（借金を肩代わりしたことに関係する残債の支払いの対価？もしくは戸建の使用料の対価？）のものかが、わかりませんが…

建物を使用するための使用料として考えるのでありましたら、御姉様に対する支払としては、金額的に安すぎるようにも思われます。

よって、2万円という金額が、建物使用料の対価という前提条件であれば…

建物の使用収益（家賃相当額）に見合う使用料の増額請求を行うことが可能かと存じます。

増額請求が、裁判所によって最終的に認められた結果、もし、御父様が当該使用料を支払わなかったのであれば、使用料未払の請求及び明渡請求を行い、確定判決を得た後に、立ち退かせることが可能かと思います。

【法的手続きのデメリット】

ただし、この方法は、かなりの時間がかかるというデメリットがあります。

そのうえ、何よりも増額された使用料を御父様が支払うようになってしまえば、逆に御父様に対して、戸建に住む続けられる権利を付与することにもなります。（※状況によったら、御父様名義の土地建物を売却して、当該使用料に充てることもあり得るかと…。）

最終的に、請求を行うかどうかについては、御父様の収入状況・資産（御父様名義の土地建物価格）を把握されたうえで、総合的に御判断いただきたいと思います。