対象:新築工事・施工
御前 好史
建築家
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施主支給のリスクを理解した上で進めましょう
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みさき建築研究所 御前です。
施主支給については、どのようなリスクがあるかを理解した上で進めるのがよろしいかと思います。工事中や完成後トラブルがなければ問題ないのですが、実際には様々なリスクが存在します。
器具などを施主支給する場合は、施工によるトラブルは施工者が、器具自体のトラブルは施主が(または器具メーカーが)責任を持ちます。例えば、支給した便器にトラブルが生じた場合、調査した上で便器自体不良品である場合は、メーカー保証により取り替える、等です。
ところが便器自体に問題がなく、取り付けるときに排水接続が不良であるなどの場合は、HMに責任があります。
次に器具と工事の両方を施主支給する場合、責任はすべて施主または施主が手配した施工業者が負うことになります。便器のトラブルの場合は施主側の業者がすべて工事をやり直します。
便器のように、取り替え工事が比較的容易な場合は、施主支給工事が受け入れられやすいのですが、床暖房工事の場合は少々事情が違ってきます。
もしも不具合が生じて、最悪の場合、家が完成した後取り替える必要が出た場合は、どうでしょう。床暖房パネルの上に張った床材もすべて交換となります。
また、床暖房工事に問題が無くても、その後の床材工事が原因で(釘やビスをパネルに打ってしまう等)トラブルが生じた場合、床暖房との相性が悪くて床材にトラブルが生じた場合等々、いろいろなケースが考えられます。
これらいずれのケースも責任を誰がどのようにとるのか、前もって取り決めしておくのがよろしいかと思います。そうしないと責任のなすりつけ合いで解決までに時間がかかることになるでしょう。
HMが躊躇している理由はこのあたりにあるのではないでしょうか。
なぜ良い返事がもらえないのか、HMから本音を聞き出せるよう話し合ってみてください。
施主支給工事のメリットの裏に、このようなリスクもあることをご理解ください。
いろんなケースを想定して、HMと責任の範囲を明確にして交渉される事をおすすめします。もちろん施主側の施工業者とも同様です。
評価・お礼
irohanihoheto さん
2011/06/26 00:09
詳しいアドバイスありがとうございます。素人なりに勉強したつもりですがやはり専門家の方のアドバイスは現実味があります。なるほどと、とても勉強になりました。
補足にも書きましたが、施主支給業者は納得できる業者にお願いするつもりでした。ただ、トラブル例を御前さんが教えてくださったので、その点の対応を業者に質問してみました。万全の体制をとられているので関心しました。必要であればHMへの説明もしていただけるとのこと。これが確認できたのも御前さんの助言のおかげです。
アドバイスの通り、HMの不安材料や、不可の理由を聞きだせるよう努力してみます。
とても勉強になりました。本当にありがとうございました!
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この回答の相談
どうぞよろしくお願いします。
現在、建築条件付き宅地の土地の契約だけを済ませています。
基本的な設備などは、このHMの指定するものを使うのですが、
床暖房だけは、こちらが指定… [続きを読む]
irohanihohetoさん (愛知県/47歳/女性)
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