対象:新築工事・施工
小川 哲史
建築家
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換気もセットで考えましょう
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住宅の断熱性能を考えると、換気による熱損失は大きく、高気密住宅でさえ、全熱損失のうちの20%近くが換気による損失です。断熱材をいくら入れても、隙間があると意味がないということです。
中気密という言葉も時々耳にしますが、そもそもシックハウスが蔓延した原因のひとつは、アルミサッシの普及などによる住宅の気密化です。中途半端な気密性能だと、機械換気は計画通り機能しませんから、部分的に換気不足が生じる可能性が少なからずありますのでご注意ください。
さて、本題の断熱材の種類についてですが、壁内結露の危険性を考えると、セルロースであろうと、グラスウールであろうと繊維系の断熱材であれば同じことです。
断熱性能については、カタログの数値を信用するしかありませんが、水蒸気を多く含むと、断熱性能は低下します。
調湿性能については、前述の壁内結露を防止するために、断熱材を防湿フィルムで覆うことが一般的であり、断熱材を選ぶ基準に調湿性能をいれることはそもそもおかしいと思います。
遮音性については、期待できます。防虫性については、害虫駆除に用いられるホウ酸を含むので、防虫性能も高いと思われます。ホウ酸は今のところ人体には無害といわれていますが、何十年間もホウ酸の多い環境の中で暮らすことによる影響はわかりません。
なんだか否定的な回答ばかりで申し訳ありません。
私はボード系でなおかつ表面にアルミ箔などが貼ってあるものを使用した外張り断熱工法をお勧めします。
断熱材の内部に水蒸気が進入しませんので、壁の中で結露は起こらず、既定の断熱性能は維持されます。
遮音性についても良いです。防虫性については、基礎断熱工法で施工すれば、薬剤による防蟻処理をしないことも可能です。
高気密高断熱で計画換気が適正に行われている家は、一般の家と全然違います。
その快適さもさることながら、省エネ性能も魅力です。
ご予算との兼ね合いもありますが、一度調べて見られてはいかがでしょう。
評価・お礼
moonhill さん
2011/06/15 17:38
回答有難うございます。
断熱材は字の如く断熱をする材料であって、調湿材ではないとの事ですね。
2兎を追わないほうが良いといった感じでしょうか。
工務店側はこちらの希望する事は、プランに入れてくれますが、
アドバイス的なものが余り無く、非常に勉強になります
工務店と再度詰めたいと思います。
有難うございました。
小川 哲史
2011/06/15 19:17
断熱材など、表には出てこない材料にも関心を持って家づくりに取り組んでおられる点は、素晴らしいことだと思います。
断熱・換気・気密に関する考え方は、専門家の間でも意見の分かれるところでもあります。
つまるところ、ご本人が納得する方法をとることになります。
信頼できる業者さんと、納得いくまで話し合い、素晴らしい家づくりを進めていかれるようご祈念申し上げます。
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この回答の相談
現在新築を設計中のものです。
採用する断熱材を”セルローズファイバー”を検討しております。
色々と断熱材について検討をしましたが、
私の調べた限り、セルローズの断熱性、調湿性、遮音性、防虫性な… [続きを読む]
moonhillさん (神奈川県/37歳/男性)
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