対象:住宅設計・構造
伊藤 裕啓
一級建築士
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まず詳しく状況を確認することが必要です
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伊藤建築コンサルタント 一級建築士の伊藤です。
今回の地震でご家族にお怪我はなかったでしょうか。
さてご質問の件ですが、「基礎の下に杭がある」ということは敷地の地盤が少し弱い(地耐力が無い)という事が言えます。杭の長さが12mということは、12mより浅い部分には十分な地耐力を持つ地層がないということになります。
業者さんの言われる通り杭を施工している建物は地面に支えられているのではなく、杭に支えられているため地盤が沈下しても杭に影響がなければ家が傾くことはありません。
ただし基礎全面に均等に杭が施工されている必要があります。部分的に杭を施工している場合は、支えられていない部分が沈下する可能性があるのです。
補修ですが、これは慎重に行いたいものです。
沈下を起こした地盤は、完全に落ち着いているわけではありません。
最初に書いたように地耐力のある地盤面は12m下にあり、その深さまでの地盤は弱く、大きな揺れが加わることで沈下してしまう可能性があるのです。また地盤を沈下させる要因の一つとして水があります。
水が地盤に染み込むことで沈下してしまいます。
これを考えると「透水性のある砂を埋める」という方法は最善策とは言えません。
(砂自体、時間が経つと自然に沈下を起こします)
敷地の状況などを考慮しなければなりませんが、ある程度強度が見込める透水性の低い材料を選定することが必要であると判断します。
補足
今回の地震で家が傾かなかったのは良かったですね。業者さんが適切に施工したのでしょう。
沈下修正工事の必要もなさそうですね。
地盤沈下の補修工事で最も注意しなければならないのが「再沈下」です。
傾斜した建物は「沈下修正工事」を行いますが、液状化を起こしているような地域では地盤の状態が
とても悪いと考えられ、大きな揺れで再度液状化を起こすことがあります。
そうすると建物もまた傾いてしまいます。
数百万円以上かかる沈下修正工事ですが現在のところ再沈下しないという施工保証をする業者は無いと思います。このような説明もなく工事が行われているのではないかと心配しています。
施工業者の選定、工法の選定は十分行ってください。
評価・お礼
ひなのえ さん
2011/04/21 22:23
ご回答ありがとうございます。
また、ご心配いただきましてありがとうございます。家族に怪我が無かったのは幸いです。
「施工業者の選定、広報の選定は十分行ってください。」とご回答頂きましたが具体的にどのような業者(例えば家そのものを立てる業者、または地盤部分を専門にしている業者)に相談すれば良いのでしょうか。再度の質問になりますがよろしくお願いします。
伊藤 裕啓
2011/04/22 16:07
こんにちは、評価をいただきありがとうございました。
さて「どこへ相談するか?」についてですが、これは「地盤専門業者」になります。
工務店やゼネコンに依頼してもそこから「地盤専門業者」へ仕事が流れます。
直接依頼されることでコストの削減にもなるでしょう。
(現在のポイント:16pt)
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