前回の『地目が墓地』に引き続き、気になる地目が出た時の追加調査ポイントを、
もう一パターンご紹介いたします。 (前回:http://profile.ne.jp/w/c-75387/)
今回は、地目が『溜池(ためいけ)』であった場合です。 ※画像1参照。
心理的なというより、埋め立てられた地盤の弱い土地なのではないか?
と不安になる地目です。
画像1の場合も、『溜池(ためいけ)』とされていた年代まで遡って、
古地図などを確認してみると良いでしょう。
また、溜池や墓地に限らず「気になる地目」がでたら、『旧紙公図』という資料も取得し、確認してみると良いでしょう。
前回、
「当時のまま記載されており、今日に至るまでに新しい番号(地番)になっていたり、
昔の地番自体が現在は無くなっていることが多くい」と説明しましたが、
『旧紙公図』とは、その昔のままに近い年代の古い公図です。
その資料で、旧土地台帳にある昔の番号(地番)の位置が、
現在の本地の場所と同じであるか照合でき資料です。
画像1では、その旧紙公図や古地図で、本地が「溜池」であったことが確認されています。
しかし、実際に地目が「溜池」であったからと、購入すべきかやめるべきか悩んでいても始まりません。
そこで、当社が行っている更なる追加調査の内容をお話したいと思います。
それは、『不安要因がどの程度あるか検証する』です。
今回の「溜池」で言えば、昔に埋め立てされた軟弱地盤の土地ではないか?ということです。
地盤調査などは通常、買主が費用を負担するとしても、購入前にやらせてくれる事はありません。
※新築物件などは建築に伴い地盤調査(必要がれば地盤改良なども)行います。
不安要因の検証には、『近隣のボーリングデータ』を取得します。
この時注意が必要なのは、溜池付近でなく、溜池の上に位置するポイントの
ボーリングデータを取得するということです。
地域として判断するだけなら、近隣のものを取得すればよいですが、
今回は「昔に溜池だった場所の、今の地盤状況を確認する」ことが目的ですから、
この辺を間違わないようにしましょう。
但し、近隣のボーリングデータは本地のものではありませんので参考資料です。 ※画像2参照。
本地は違った内容になっていることも当然考えられるので、あくまで参考ですが、
判断材料に何もないよりは不安の少ない判断や考査ができます。
通常の不動産取引で、不動産業者が近隣の地盤調査資料を取得してくれることは、ほとんどありません。
その結果で軟弱地盤と思われる地域だったら契約に支障がでると考えるからです。
または、どこで取得すれば良いかくらいは知っていても、軟弱かそうでないかの基本的な見方が
分からない業者・営業マンは、やはり近隣地盤については触れないで物件説明をされると思います。
このボーリングデータは、各行政(役所)で保管していることが多いので、
地目に限らず地域の地盤が気になる方は、その地域のデータを入手してみては如何でしょう。
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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