不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック⑧】 - 不動産売買全般 - 専門家プロファイル

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不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/地盤チェック⑧】

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前回までに、地盤の強弱を予見するための現地のチェックポイント、

 

役所やネットで取得・確認できる資料や情報と、その見方について

 

説明してきました。

 

大まかな本物件の地域の液状化予想、過去に行われた近隣土地での

 

ボーリングデータからは、確かに本地の地盤を判断する際の重要な材料に

 

なりますし、大方予想通りの結果がでることも多いでしょう。

 

 

しかし、実際のところ、地盤の良し悪しは数メートルの位置の違いで、

 

結果が変わると言われるものです。

 

 

新築工事の際も、敷地の一箇所だけでなく、敷地の四隅と中心箇所の

 

5箇所は調査を行っている現場がほとんどです。

 

 

 

 

今まで説明しました情報や資料を収集し、地盤を判断していくときに勘違いしやすい、

 

次のような注意ポイントがあります。

 

 

 

・その情報や資料は、本地に類似した条件下のデータかどうか

 

・周辺のデータ結果(地盤の良し悪し)や、地質(粘土質、砂質)などにバラつきは無いか

 

・現地では坂道が多かったり、土地の高低差が激しいく変化する地域ではないか

 

などです。

 

 

 

本地から1番近い土地のデータでも、そこは川や暗渠から離れている場合、

 

当然、本地よりも良い結果になっていることが多いです。

 

本地が川などに近ければ、少し離れてもその川に近い土地のデータも取得して確認する

 

ことが賢明です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、近くに川や海、砂浜などの特徴のないエリアでも、ボーリングデータの

 

土質やN値が、周辺の似た土地条件であるにも関わらずバラバラのである場合、

 

昔は川や水路、田畑、山林とバラつきのある一帯であった可能性が考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういった、徐々に宅地へ造成されていったエリアは、今現在は同じような宅地にしか

 

見えなくても、数メートル単位で地盤の強度や、地盤改良に要する費用がケタ違いに

 

変わることがあります。

 

 

 

つまり、そのように近くのデータが良いかどうかでの判断では不十分です。

 

しかし、「周辺のデータからでは、本地の地盤状況がまったく予見できないエリア」

 

というのも、一つの重要な情報です。

 

 

こういったエリアと判明すれば、事前に解消する為の対策や動きがとれるからです。

 

 

先程説明した「予想のつかない土地」は特にですが、一般的に軟弱地盤といわれる

 

エリア、周辺のデータ自体良くないエリアの土地売買では、契約の内容に、

 

 

「引渡し前でも、買主が地盤調査を行うことを承諾する」という契約条件を、

 

付けてもらえないか、交渉してみることです。

 

 

通常、売主は引渡し前に自身の土地に立ち入られ、あれこれと調査されることに

 

抵抗があります。いい気がしないので断られることも多いでしょうが、交渉しなけ

 

れば、全額支払って引渡しを受けた後でないと何もできない条件での契約になります。

 

 

仮に売主が承諾してくれても、調査費用は買主負担になるでしょう。

 

また、調査できるタイミングは当然、契約後になります。

 

つまり、契約した以上は、想定を上回る地盤改良費用が必要と判明しても、

 

契約した後である以上、買主都合の解約には手付金の放棄が必要になります。

 

タイミング(履行の着手や手付解除期日後)によっては、契約上で設定した違約金

 

(通常は売買価格の10%から20%が多い)の支払いが必要になるかもしれません。

 

 

但し、全額支払って引渡しを受けた後では、

 

①  手付金を放棄しての解除

 

②  違約金支払いでの解除

 

③  そのまま引渡しを受け、地盤改良して新築工事

 

どれが一番問題とならないか、その選択肢すらないのです。

 

 

 

 

当社の主な販売エリア(都内23区付近)での話にはなりますが、割と地盤は良い方と

 

考えられているエリアと比べ、地盤の弱いと言われるエリアの方が相場は安く、

 

売価や手付金額も大きくならないことが多いです。

 

そのため、地盤改良費には数百万、数千万が必要な軟弱地盤と言われるエリアの方が、

 

数十万円の手付金放棄で解除できる物件であったりします。

 

 

そのような改良費と物件価格(手付金)の相場の開きが生じやすい、地盤の弱いエリアでの

 

売買契約には、「引渡し前でも、買主が地盤調査を行うことを承諾する」という条件は、

 

とても有効なものではないかと思います。

 

 

 

注文住宅を建築するために土地を購入する場合は、物件そのものの住環境など

 

を意識すると同時に、希望の間取りや建物が建つかどうかを検討する必要が

 

あります。

 

建ペイ率・容積率や、斜線のかかり具合などに注意する人は多いですが、

 

地盤に関しては、とかく忘れがちです。

 

 

自分が建てたい建物は2階建てなのか、それとも3階建てなのか、

 

木造なのか鉄筋コンクリート造なのかによっても地盤改良の条件は

 

大きく変わってしまいます。

 

近隣のボーリングデータ(地盤データ)を確認することはもちろんとして、

 

売主によっては契約前にボーリング調査をさせてもらえる場合もありますので、

 

もし地盤が気になるようでしたら、売主にお願いしてみましょう。

 

 

 

 

【33】不確定な契約条件の注意点-20:地盤改良費① 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-114390/

【34】不確定な契約条件の注意点-21:地盤改良費② 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-115260/

【35】不確定な契約条件の注意点-22:地盤改良費③ 

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【36】不確定な契約条件の注意点-23:地盤改良費④ 

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【37】不確定な契約条件の注意点-24:地盤改良費⑤ 

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【38】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑥

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【39】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑦ 

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【40】不確定な契約条件の注意点-25:地盤改良費⑧ 

http://profile.ne.jp/pf/adcast-fujimori/c/c-122956/

 

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