- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
為替デリバティブで火傷をしてしまいました。と言っても、為替デリバティブの取引をして損失を被った、という話ではありません。
私の朝は、日経を含む全国紙3つ、地方紙1つ、そしてヘラトリ(International Herald Tribune)のチェックから始まります。弁護士業務の一環として、抱えている案件に関係ありそうな記事や各顧問先の業界事情に影響のありそうな記事を探します。邦文、英文を含め、各週刊誌や月刊誌にも適宜目を通します。
先日の朝(平成24年3月15日)、コーヒーを飲みながら、いつもどおりヘラトリの紙面を眺めていると、「何故私はゴールドマンサックスを辞めるのか」と題する箇所に目が留まりました。読み進むと、ゴールドマンサックスを辞めることになったある役員が、同社に対する辛らつな批判を展開していました。ゴールドマンサックスと言えば、何年か前に同社のデリバティブ取引に関連して、米証券取引委員会(SEC)と問題を起こしたはず。
私は、現在、「通貨オプション」や「クーポンスワップ」と呼ばれる邦銀の為替デリバティブの案件を複数抱えているので、興味深く読み進めました。
同社が、顧客よりも自社のために行動しているのではないか、との批判は従来からありました。しかし、今回のは、同社の5人の社員が、客を「操り人形」と表現していたなど、内情暴露があまりにも具体的で強烈なので、思わず、飲みかけのコーヒーを膝に溢してしまった、という分け。
為替デリバティブの倫理的問題に注目が集まりそうです。果たして、翌日から関連する記事が、日経等にも掲載されはじめました。
皮肉屋のロンドンエコノミスト(イギリスの週刊誌)の次号に、どのような記事がのるのか、興味しんしんです。
このコラムの執筆専門家
- 大塚 嘉一
- (弁護士)
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
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