- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
重要な金融商品として、株式と債券がありますが、株式よりも債券は、解りにくい商品かと思います。これから数回かけて、債券とは何かを考えて参ります。
債券は、国、地方自治体、地方公共団体、民間企業、または外国の政府や法人などが、投資家から資金を借り入れ、その代わりに発行する一種の借金の証文「借用証書」です。日本国債や東電債などが有名ですが、東京都債、ソフトバンク債など、様々な社債が在ります。
借用証書(債券)の書面(券面)には、借り手である日本国やトヨタ等(発行体)、返済金額(額面金額)、返済期限(償還期限)、毎年支払われる利息の割合(表面利率)など、借り入れ条件が記載されています。
一般的な借用書とはことなり、返済期限(償還期限)の前でも時価で売買することが出来ます。
実は、この売買する市場の金額の大きさは、株式市場よりも大きいのです。
☆債券投資のメリットは「確定利回りが確保できる」商品
通常 債券は発行時に決められた利率が返済期限(満期)まで、変わらずに支払われる固定金利の商品です。さらに、返済期限(償還時)には、額面金額が支払われるため、確定した利回り確保できます。(但し信用リスクや金利変動リスクにさらされています)
なお、和は少ないのですが、個人向け国債10年変動のように、市場金利に連動して利率が変わる変動利付債も発行されています。
★債券のデメリット元本割れ、利息を受け取れない等リスクがあります。
債券は、返済期限前でも時価で売買することが出来ます。ただし、債券の価格は一定ではなく、様々な要因で価格が変動しています。このため、途中で売却すると譲渡益を得る可能性もありますが、元本割れの可能性もあります(価格変動リスク)。
また、償還期限前に償還されるリスクもあり、債券を発行した団体が倒産や崩壊する為に、当初の約束が守られない信用リスクも在ります。国が発行している国債でも、現在騒がれているギリシアやアイルランド等、返済期限(償還期限)を延ばすのではないか等々、不確実な事態に陥っています。
また、時価での取引が可能とは言いながら、流動性の低い債券の場合には、売却が出来ない場合も在ります。この流動性リスクの存在は大きなものですから、債券を購入する際には、当該債券の流動性を必ずご確認ください。、
従いまして、債券の保有にはメリットともあるがデメリットもある、不確実性の資産とお考えください。私は巷間言われている、債券=確実性資産という分類には違和感を感じています。
文責
ファイナンシャル・プランナー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 吉 野 充 巨
『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
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