- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 平 仁
- (税理士)
- 近江 清秀
- (税理士)
相続税改正により、控除額が大幅に引き下げられ、相続税申告が必要となる
方が大幅に増え、新たな相続税対策が求められることになりそうです。
3.資産課税
(1)相続税
「相続税の基礎控除は、バブル期の地価急騰による相続財産の価格上昇に
対応した負担調整を行うために引き上げられてきました。しかしながら、
その後、地価は下落を続けているにもかかわらず、基礎控除の水準は
据え置かれてきました。そのため、相続税は、亡くなられた方の数に対する
課税件数の割合が4%程度に低下しており、最高税率の引き下げを含む
税率構造の緩和も行われてきた結果、相続税の再分配機能は低下しています。」
・基礎控除 現行5000万円+1000万円×相続人数
改正3000万円+600万円×相続人数
・死亡保険金に係る非課税制度
現行では500万円×相続人数とする控除対象相続人を、未成年者、障害者
又は相続開始前の生計同一親族に限定
・相続税の税率構造
現行では相続財産3億円以下で40%、同3億円超50%のところ、
2億円以下40%、3億円以下45%、6億円以下50%、6億円超55%
(2)贈与税
「相続税について、課税ベースの拡大・税率構造の見直しを図れば、
死亡時点まで資産を保有することに伴う税負担が高まるため、そのこと
自体によっても生前贈与を促す効果があります。こうした相続税の負担の
適正化と併せて贈与税を緩和すれば、そうした生前贈与は一層促進される
ことになります。こうした観点から、子や孫などが受贈者となる場合の
贈与税の税率構造の緩和、受贈者に孫を加えるなど相続時精算課税制度の
対象範囲の拡大を行い、高齢者の保有資産の若年世代への早期移転を促し、
消費拡大や経済活性化を図ります。」
・相続時精算課税
受贈者は、現行では推定相続人のみであるところ、20歳以上の孫を追加
贈与者は、現行65歳以上であるところ、60歳以上に引き下げ
・贈与税の税率構造
受贈者の年齢(20歳)により、負担割合を変更し、最高税率を55%
平成22年度大綱では「格差是正の観点から、相続税の課税ベース、税率構造
の見直しについて平成23年度改正を目指します」、「相続税の課税方式の
見直しに併せて、現役世代による財産の有効活用などの視点を含めて、
贈与税のあり方も見直していく必要があります」と明言しましたが、今回の
改正で、相続税の課税方式の見直しは先送りしたものの、実行しました。
格差是正の視点から、多少なりとも財産を持っている方へ負担をお願いした
形での改正なのでしょうが、心配なのは、都心周辺地域に一軒家をお持ちの
方ですね。土地の価格が下がったとはいえ、地方よりも高いのですから。
また、家ぐらいしかまとまった財産がない方の場合、家を処分しなければ
税金を払えない危険も出てくるでしょうし、財産を受け取れない兄弟が
納得しないために、「争族」案件になってしまうかもしれませんしね。
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