23年度税制改正大綱(2、納税者権利憲章、租税教育の拡充) - 決算対策・税金対策 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:税務・確定申告

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

23年度税制改正大綱(2、納税者権利憲章、租税教育の拡充)

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 税務・確定申告
  3. 決算対策・税金対策
税制改正 平成23年度税制改正

今日は、納税環境整備の中から、納税者権利憲章の策定と租税教育の充実

について紹介します。

 

1.納税環境整備

(1)納税者権利憲章の策定

「憲章については、複雑な税務手続を納税者の目から見て分かり易い形で

お知らせするため、納税者が受けられるサービス、納税者が求めることの

できる内容、納税者に求められる内容、納税者に気をつけていただきたい

ことを一連の税務手続に沿って、一覧性のある形で、平易な言葉で簡潔・

明瞭に示すとの考え方に沿って策定します。」

「国税通則法について、第一条の目的規定を改正し、税務行政において

納税者の権利利益の保護を図る趣旨を明確にします。」

 

(2)租税教育の充実

「国民が租税の役割や申告納税制度の意義、納税者の権利・義務を正しく

理解し、社会の構成員として、社会のあり方を主体的に考えることは、

納税に対する納得感の醸成と民主国家の維持・発展にとって重要です。」

との問題意識から、国税庁や税理士会は、小中学校を中心に租税教育の

講師派遣等を行っていますが、「高等学校や大学等の段階における租税教育

の充実や、租税教育を担う教員等に対する意識啓発について検討し、

関係省庁及び民間団体が連携して取り組むこととします。」

 

 

納税者権利憲章がようやく制定されることになった。OECD諸国では、

すでに当たり前のように規定されている「納税者の権利と義務」に関する

規定ですが、国税通則法が基本的に納税者の義務を規定する法律なので、

画期的な改革だと言えるでしょう。納税者権利憲章に早くから注目されてきた

石村耕治白鴎大学教授らのご尽力の賜物かもしれませんね。

故北野弘久日本大学教授のご存命中に実現して頂きたかったところですが・・・

 

ご参考までに、租税訴訟学会の機関紙「租税訴訟」4号では、山下清兵衛

副会長(弁護士)や長谷川博横浜支部事務局長(税理士)らを中心に、

納税者権利保護制度の確立をテーマに執筆されています。

 

租税教育では税理士会において様々な工夫を凝らした講演が行われています。

私も大学で税法を教える際、税に関心がなかった学生への啓蒙を意識して

学問的というよりも実務的な話を盛り込むことを意識しています。

政府の方針として拡充の方向に向かうことは歓迎すべきですね。

このコラムに類似したコラム

平成24年10月から税務調査の手続が変わります 松本 佳之 - 税理士・公認会計士・行政書士(2012/10/02 17:34)

現代税法研究会に出てきました 平 仁 - 税理士(2010/07/18 21:03)

地域活動について考える 高橋 昌也 - 税理士(2013/06/09 07:00)

脱税事件が・・・ 平 仁 - 税理士(2013/03/05 22:56)

法人にすることで経営上のメリットがあるなら 高橋 昌也 - 税理士(2013/03/05 07:00)